僕は本当に幸せでした〜刹那の向こう 君と過ごした日々〜

エル

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最終章

28

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『そうですか…わかりました。ありがとうございます』


二週間。

カナダにやってきてから二週間が過ぎてしまった。


『この辺りに他にありますか、カフェ?』

『いや、至る所にあるけどさ。多分そろそろどこも閉まると思うよ』


そう言われて腕の時計に目をやる。

時刻九時半。

確かにそうだよな、と今日はここを最後にしてホテルに帰ろうと思う。


『ありがとうございます。今日はこの辺にします』

『…あんたさ、毎日こんな事してんの?』

『こんな事…?』

『いや、悪いけどさ、毎日カフェ回って人探してんのかな、と。余計なお世話だよな』

『…いや、傍から見ればそうだと思います。気にしないでください』

『カフェなんてさ、ひとくくりにしちまえば店なんて100や200じゃ済まないぜ?』

『そうですね、身にしみて感じてますよ』

『……そんな大事なやつなの?』

『えぇ。どれだけ足が痛かろうが、どれだけ無理だと言われようが、絶対に止める事なんかできないくらいに大切な人です』

『ふーん。…じゃ、がんばんなよ。うちは、そんなに大きな店じゃないけどさ、他にも数店舗あるから。住所調べてやるよ』

『本当ですか?ありがとうございます』


数分後。

手渡された一枚のメモ。

三・四つの住所がそこには書かれてあった。


『明日行ってみます。ありがとう』

『いや…見つかると、いいな』

『はい。見つけます』

『あぁ、それじゃ気をつけてな』

『それじゃあ』


手の中のメモを上着のポケットにしまってホテルへと向かった。

部屋に入って一度ベッドに横になってしまうと一気に疲れが体を襲う。


(あぁ……シャワー浴びねぇと…)


頭でそう思っても体は動かず

ただやってくる睡魔に身をゆだねるだけだった。


明日。

今日教えてもらったところに行ってみよう。

とりあえず今は、眠い。


慶太。

お前に会えるの。


もうすぐ


かな。


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