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第二章 異世界を生き抜くアウトプット
13 社歌ってそんなハードなの?
しおりを挟む「・・・Zzz・・・・ねむ・・・ふぁぁあ~」
昨日の夜は遅かったのもあり、眠くて眠くて仕方ない、でも起きなくちゃ…
テントから出ると太陽はすっかり真上にあった。まぶしい。
タオルを持ちながら、洞窟まで顔を洗いに行く。冷たい水で顔を洗えば眠気も少しおさまった気がする。
顔を洗い、拠点で朝ごはんを作る。魔法の水筒から鍋に水をためて魔導コンロでお湯を沸かしていく…
魔法の水筒から水を出すたびに初めてヌルゾンで見つけた時の事を思い出す。500mlから減らない夢の水筒!あの時はGOが足りなくてあきらめた水筒も買っちゃった。使うたびに楽しくて仕方ない。
むふふ。
───────
ボーッと、鍋を見つめる。お湯が沸いてきた。
お湯を別の場所によけて、別の鍋で米を炒める、なんとこの世界には米があったのだ!ヌルゾンで食料を見ている時に偶然見つけて、迷わず購入した!その日久しぶりに食べた米はうまく炊けておらず、焦げて、固い、で正直不味かった。でも、嬉しくて…不味い、不味いと言いながら完食した。
米に想いを馳せながら、いい感じに炒めたのを確認してお湯を注ぎしばらく煮ながら放置する。米の固さがほどよくなったらミルクを注ぎ塩で味を調整する。
このミルクも、収納リュックっていう時間を止めて収納できるアイテムのおかげで、冷蔵庫もないけど痛む事もない。ヌルゾン本当にすごい!手に入らないものは無いんじゃない?ってくらいなんでもそろう。
もうゾンビのいない生活が考えられない…
なんて考えて少し前の自分だったらありえないなと思ったりしていると、あっというまに
アイリ特製のミルクリゾット完成ー!と言っても料理が得意でないのでほぼ毎日ミルクリゾットか果物を食べていて…そろそろ飽き飽きしている。ヌルゾンには色々食材も売っているが調理するスキルが無いため、生で食べるか炒める・煮るしかない…
「はぁ…なんか美味しいもの食べたいな~」
一一一一一一一
いつものご飯を食べてから、タイGOを開く。
GO!GO!GO!
「え?」
GO!GO!GO!
ズンチャ・ズンチャ・ズンチャ・ズンチャ
『ごーご。ごーご。ごーごごご!』
タイGOのいつもの受付画面の中で、ナンシーが歌いながら踊っている!?服もいつもとは違うエアロビみたいなピタッとしたレオタード?を着ている。もふ毛があふれてすごいことになっている…
「えぇぇぇ!!どゆことー??めちゃくちゃ腰振って、回してるー」
ズンチャ・ズンチャ・ズンチャ・ズンチャ
いつものムチムチボディをモッフモッフ!と揺らしながら、踊っている…?いや、もうなんだこれは??もふ毛にレオタードのピッタリ具合が毛の中に埋まり細い所ともふ毛の境目がエグい、夏に毛を刈られたアルパカに近いものを感じる…ナンシーもしかしたら本体はすごい細い??
衝撃的な展開についていけず、現実逃避しようと一度タイGOから出ようと退出をポチっとしようとしたら…
激しい音楽が流れる中ナンシーがこちらに気づいてくれた
『アイリ様!はぁ、はぁ、ごきげんよう。申し訳ございません、ただいま社歌の練習中でした。』
「しゃ、社歌?」
目を白黒させながら、社歌についてナンシーに聞いてみる。ドキドキがおさまらない…
『社歌というのは、会社の歌ですわ!学校の校歌と同じです。タイムイズGOでは歌と一緒にダンスもございまして、春にある新入社員歓迎会の演し物の練習でしたの』
「へ、へぇー…練習の邪魔したらいけないから、時間改めて来ようか??」
『いえいえ、改めて頂く事はございませんわ!お仕事最優先ですもの!昨日お送りいただいていました、夜光蜂の件でよろしかったでしょうか?』
ナンシーがいつも通り受付カウンターに座り、販売価格について確認をはじめてくれている。
毛とレオタードで筋肉ムキムキに見える…説明がまったく頭に入ってこない。
『えー…夜光蜂は、あ!ございましたわ!お待たせして大変申し訳ございません。こちらです!』
夜光蜂(生命活動有)…神島生息昆虫。魔素豊富。
100WGO
夜光蜂(生命活動無)…神島生息昆虫。魔素少々。
5WGO
『アイリ様?どうなさいましたか?確認頂けましたか?』
はっ!!ナンシーの姿に気を取られ過ぎていたけど、画面に販売価格が提示されていた。
気を取り直して内容を確認する、夜光蜂は無事に高額で取引してもらえていて安心した。
(やっぱり、生きてるかどうかで価格の違いがすごいな…)
「ありがとうナンシー。確認したよ。」
『はい、こちらはすでにゴロミに振込させていただいています』
あいかわらず、ナンシーは仕事早くて助かる。
「ナンシー、今月の手数料支払いは足りそうかな?」
ナンシーは手元の書類を確認してくれている。
『…えーっと、はい!確認しました。手数料は77WGOでしたので足りています』
セーフ…足りなかったら、今から更になにか探しに行かないといけない所だったよ。
「ナンシー…できたら、お願いがあって月々の支払いを、まとめてではなくて都度回収にしてもらえないかな…途中使っちゃったりして管理が難しくて」
『都度手数料回収に変更問題ございません。それでは次回より、契約を変更致します。』
「ありがとー!!」
良かったー、すごいスムーズに契約内容を変更してもらえた!
ナンシーは、ムキムキしながらメガネをキラーン。と久しぶりにカチャとかけ直した。
『よくあることなんですの。月々の手数料支払いを滞らせてしまう迂闊な方の為、都度回収のシステムへの変更はいつでも可能です。ほほほ』
迂闊な方…すごくディスられた気がする、でも実際にそうだから言い返せない。
「そ、そうなんだ…なんにせよ助かったよ。ありがと。練習の邪魔してごめんね、また来月もよろしくね!」
『はい!また、来月もよろしくお願い致します!ご利用ありがとうございました。』
ナンシーは丁寧にお辞儀をしてくれ、そのまま社歌の練習に戻って行ったのを見届けてタイGOから退出した。
ズンチャ・ズンチャ・ズンチャ・ズンチャ…♪
「はぁ…すっごいもの見た、眠気も飛んでいったわ」
先ほどみた衝撃映像を消化できないままナンシーと別れた。
なぜだろう、今すごい走れそうな気がする…。ナンシーパワーか?新入社員歓迎会怖い物見たさってやつでのぞいてみたい気がする。
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