マジックアイテム「すま~ほ」異世界だって稼ぎます!

八木小町

文字の大きさ
26 / 36
第三章 エスケープ・エスケープ

24 魅惑のビビー

しおりを挟む
「さて!しっかり稼ぐよー!」

『かせぐよー!!』

 「しおり」を読むのをやめて立ち上がり軍資金稼ぎに気合いを入れていたら、横でマリンも両腕をバンザイして張り切っている。
その可愛さプライスレス…

 マリンを見ていたらついつい、和んでしまったが島はいつだって油断大敵、集中してとりかからないと!

「今日はこれから、比較的安全なハチミツ採取に行きたいと思います」

『ハチミツ??』

「そ!ハチミツ、行ってみたらわかるよ、それじゃレッツゴー」

『ゴー!』

 私が右手のこぶしを空に突き出すと、マリンも一緒にバンザイした。
やっぱり可愛い…




 いつもの、探索服に着替えて、今回ちょっと遠いので島の中心地に(dステ)ジャンプする。
島の探索もまだ半分もできていないな~、なんて思いながらマリンを抱き上げて肩車する。


「マリン肩にしっかりつかまっててね!」

『うん!』



(dステ)ポチっ!スタート!


地面に青白い足跡型が浮かび上がり、

3・2・1、カウントダウンが始まり足跡が動き始める。

左→左→左→左→右ターン

『イエ~イ!!エブリバディ今日も元気にジャンプしてるかぁ~い!俺の歌声に合わせてステキなステップ魅せてくんね~♪ハッハッハ!』

『それじゃ、準備はいいかぁ~い??いくぜ!スリー・ツー・ワン!光に合わせてLet's ステ~ップ』

『ヤッハー!左→左→左→左→右ターン♪決めポーズ!』
と歌に合わせてステップしていく。

左→左→左→左→右ターン♪ポーズ!

決まった!!

 ターンして、ポーズを決めた足元の青白い光からキラキラした光の粒が舞い上がってくる。

『サンキュー♪ナイスステ~プ!いってらっしゃ~い』


 目の前が光の粒で白く染まると同時に目的地にジャンプした。



一一一一一一一一


 目の前が、白から緑に変わり森の中に移動してから地図を確認する。

「よし、目的地まですぐだね!」

『・・・・』

 肩でマリンが、固まっているのか一言もしゃべらない。

「マリン?どうかしたの」

『どうちて??森になったの??』

 あ、そうか説明してなかった…

「ごめん~マリン、今のは(dステ)ってアプリでステップ…決められた踊りをその通りに踊ると行きたい所に一瞬で行けるんだ」

『一瞬でいける?どこでも?』

「どこでもではないかな、今までに行ったことがある所だけだし、踊りを間違うと違う場所に行っちゃうとかもある」

『・・・すごーい!アイリ魔法使えるの?』

 肩から私の顔を覗き込むとマリンが目をキラキラさせながら見つめてくる。

「期待させて申し訳ないけど、私が魔法を使えるわけではないんだ…すま~ほがすごいんだよ」

『すま~ほ…ナビ助?』

「うーん、まぁそうだねナビ助」

『・・・ナビ助すごい!へんだけど』

 誤解を与えつつ、理解してもらえたような?とりあえずナビ助にすべて押し付けておこう。

「それじゃ無事に着いたしハチミツ採取にいくよ~」

 難しい説明はなんくるないさ~。

 マリンと2人森の道を更に奥へ進んでいく。

一一一一一一一

 しばらく歩いていくと、色とりどりの花が咲く花畑に到着した。

「着いたよ!」

『ハチミツ?』

「そ!ハチミツ」

 花畑には、よく見るとホタルみたいな、所々淡く光る小さい丸のようなものがある。

 歩いて近づいてもその光はどこかへ行く事もなくその場にとどまっている。

『ハチミツ?』

 マリンがじーっと光を見つめると、その中心には身体はむちむちでシマシマの尾っぽをパンパンに膨らませた羽根つきの、いわゆる妖精のような生き物がいた。

鑑定すると状態がわかった。

種族  ビビー(肥満体)
性別  なし
個体名 ✕✕✕

特技  蜜採取 発光 飛行(今は飛べない)
    ちょっとアブラギッシュ

栄養とりすぎて、すっかり肥満体になったビビー。動くのおっくうゴロゴロ大好き。

一一一一一一一

 花びらを日よけにして葉っぱの上でゴロゴロしていたビビーは、むちむちな脂肪で目が糸目になっていた。バレリーナのチュチュっぽい服を着てミツバチのようなシマシマの尻尾をしていた…全体的にむちむち。

 バチッ!と目が合った!…合った?糸目過ぎてよくわからないんだけど…

『これがハチミツ?』

「うん…そう、ハチミツ…」

 目が合ったように思ったが、コチラには興味がないように葉っぱの上でゴロゴロしているビビーをそっと右手で捕まえる。

『ビ!』

 ちょっとジタバタしているが、動きが緩慢かんまんなので、まったく抵抗している感じはない。

 リュックから、瓶を取り出し…その瓶にむかってビビーをギュッとしぼる!

 マリンがビクッとして、アイリの右手で搾られるビビーを見つめる…

 パンパンに膨れた尻尾から黄色の蜜が搾り出されて瓶にたまっていく。

 ギュッ!ギュッ!最後の一滴まで搾り取ると、アイリは右手を葉っぱの上で開きビビーを放った。

 コロコロ…っと葉っぱの上で転げたビビーは先ほどまでの緩慢な動きが嘘のようにシャキ!と起き上がり、ふわふわっと浮かび上がった。

『とんだ…』

鑑定すると、情報が更新されていた。

種族  ビビー(スッキリボディ)
性別  なし
個体名 ✕✕✕

特技  蜜採取 発光 飛行(今は飛べる!)

溜めすぎた栄養を搾り出してもらって、すっかり元通りのスッキリボディになったビビー、今ならどこまでも飛んでいける!搾ってくれてありがとう!

一一一一一一一

 くるくると踊るように舞いながら、お礼をするように目の前の葉っぱの上に着地したビビーは糸目だった面影もなく、くっきりしたつり目は赤い宝石のようにキラキラ輝いている。半透明の昆虫のような羽も先ほどまではシワシワだったが今は淡く光を放っている。

「この一瞬のビフォーアフターがハンパないのがビビーっていう生き物でね…ギュッ!って搾ると黄色の蜜が取れるの」

 びっくりして、固まっているマリンに簡単に説明する。

「このビビーは、普段から花の蜜を栄養にしているんだけど島の花は魔素が豊富だから普通の蜜よりすごい栄養価が高くて外敵もいないから、どんどん蜜ためてパンパンに膨れて肥満体になっちゃうらしくて、最初に搾った時は私もびっくりしたんだけど、搾ってあげるとスッキリするらしくて喜んでもらえるんだよ」

 搾られて、スッキリボディになったお礼をするようにアイリの頭の周りをクルっと身軽に飛び回るとそのままビビーは飛び去っていった…

 飛び去っていくビビーをマリンと二人なんともいえない気持ちで見送り、マリンに採取の手伝いをお願いする。

「さて…今見ていたように、このあたりには肥満体のビビーがアチコチにいるのでマリンには捕まえるのを手伝ってもらいたいんだ」

『つかまえる…』

「そ!動きはほとんどないから簡単!捕まえてギュッ!として瓶にいっぱいハチミツをためる!しかも感謝されちゃう!私もビビーもハッピーでいいことづくめ!」

 私の話を聞きながら、瓶にたまったハチミツと私を交互に見て、マリンは両手を握りしめ、首を縦にふった。

『つかまえる!がんばるー!!!』

 そのまま、マリンは言いながら走っていってしまった…

「え!?マリン!どこいくのぉーー!?」

ざざざざ…葉っぱを掻き分ける音を立てながらマリンの姿はあっという間に見えなくなった…

「止める間もなかった…だ、大丈夫かな…」







しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました

黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。 彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。 戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。 現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと! 「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」 ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。 絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。 伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進! 迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る! これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー! 美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。 人生、逆転できないことなんて何もない!

異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。 【あらすじ】   異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。  それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。  家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。  十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。   だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。  最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。  この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。  そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。  そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。  旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。 ☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。 ☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします

ランド犬
ファンタジー
 異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは ――〈ホームセンター〉 壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。 気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。 拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?

【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】 佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。 新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。 「せめて回復魔法とかが良かった……」 戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。 「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」 家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。 「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」 そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。 絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。 これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

処理中です...