崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

第四十話 クリスタル・ピックアックス

オーク族『が』拐われた

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　というわけでシャットに急かされ急かされ急かされまくり、すぐさまトラクティールへ到着した。
「うぉっ、みんな！」
　近づいてナガレはあっと驚いた。ジョーたちはすでに武装して、いつでも出撃できる様子だ。玄関前で待機する戦闘準備万端の彼らに、市民や他の冒険者たちの驚きの視線が集まっていた。
　馬車も近くに見られたのだが、今回は御者がいなかった。
「……ナガレ。マズいことになった。ベネットがいなくなっている！」
「ああ、それはどう言うことなんだ！」
「とにかく乗って！　ワケは移動しながら話すわ」
「ジョー先輩、いつでも出れるようにしといてくれにゃあ」
「……ああ！」
　ジョーはさっと飛び上がり、手綱を握れる馬車のシートへ座る。ナガレも「早く行ってパイセン！」と急かされ、慌てて武具を取りに行った。

「はぁはぁっ、お待たせ！　よっしゃ、すぐ行こうぜ！」
　鎧はすぐにいつでも着れるよう、スタンドで取りやすいように固定してある。すぐさま降りてきたナガレは、そのまま馬車へ飛び込んだ。
「……来たか、なら行くぞ。はいやっ！」
　パシッ！　パシッ！
「「イヒヒヒィーーン！」」
　馬がカッポカッポと石畳の上から走り出す。

「ジョー、馬車の操縦もできたのか。……それで、一体何事なんだ？」
「もちろんそれも話すにゃあ」

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　三人の話を聞くとこのような事件だった。

　あの後シャットとベネットの二人で買い物に行った。ニンフォは少し遅めの食事を摂り、ミケは布団にくるまって昼寝していた。
「アタイのパパとママとお姉ちゃんにもお土産買いたいんだー。ベネットもお菓子とか奢るから、ちょっと荷物運びしてよ！」
「えぇ～、荷物運び前提ッスかぁ？　まぁ、いいッスけど」
　と言うわけで買い物に行って、お土産に特産品とか飾り物とかを買ったシャット。しかし……。

「いやーお待たせー！　……えっ？　あ、たれぇ、ベネット……？」
　ある店から出てきたシャットは、外で待たせていたベネットの姿がないことに気がついた。最初はふらりとどこかへ行っただけかと思ったが、真面目なベネットがそんなフラフラした動きをするはずがない。
　そうして周囲を見回し、そして目が飛び出るほど驚いた。

　なんとベネットが、複数人のオーク族に取り囲まれている！　緑、青、赤と肌の色は様々だが、どれもツノの生えた屈強な肉体が見える男女だった。口をロープで縛られ、ヘルメットのようなものを被せられていた。
　そして米俵を担ぐかのように、ベネットを持ち上げ運び始めた！