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狂気に染まる愛
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秀一さん……それでも、貴方は……ピアノを、弾き続けるん...ですね
だって、ピアノは...貴方、そのもの……躰の、一部だから......
私は貴方から、その躰をもいでしまった……
『私は......ピアニストを、やめるつもりですから』
あの時、秀一さんは......どんな思いで、その言葉を発したんだろう。
泣い、てる...泣いてる、ピアノが。
秀一さんの心が、泣いている......
早く、秀一さんの元へ行かないと。
このままでは、秀一さんが壊れてしまう。
美姫は崩れた姿勢のまま掌を床につき、秀一の元へと重い躰を引き摺った。
「ッグ...しゅ、い......」
美姫はペダルを踏む秀一の足首を掴んだが、彼の動きは止まらない。ゴワンゴワンと耳鳴りが響き、美姫は吐き気を覚えながらも必死に秀一の躰にしがみつき、這い上がっていく。
彼の太腿に手をかけ、力を込めて自身の躰を持ち上げ、ピアノと秀一の狭間に捩じ込むと、彼を正面から抱き締めた。
「お、ねがっ!!! お願い、もう......ッグやめ、て......ッグ、ヒッ
もう、いい......もう......これ、以上......苦しまなくて、いいですから.....ッ...ウグッ、ウグッ......」
美姫に泣きながら抱きつかれ、秀一は意識を醒ました。
自分がピアノを弾いていたという事実に気づき、秀一は鍵盤から外した両手を見つめた。掌がわなわなと震えている。
「わ、たし......私、は......」
その震えは、全身にまで広がっていった。
美姫は、秀一を包み込むようにして抱き締めた腕に力を込めた。
「秀一、さん......ピアノを、調律しましょう?
お願い......ッグピアノを、弾いてくださ...い。
そうじゃ、ない…と......ウッ、ウッ…秀一、さ……ヒグッ…壊れ、ちゃ......」
ピアニストを辞める決断をした秀一さんにとって、ピアノを弾くことは辛く苦しいことだと思っていた。
けれど、私は間違っていた。
秀一さんにとってピアノを弾かないことは、ピアノを弾くことよりも更に辛く苦しいことだったんだ。こんな......無意識で弾いてしまうぐらいに、彼の魂が求めているんだ。
秀一が、美姫の腰を掴んでグイッと引き落とした。
美姫の視界が急にストンと下がったかと思うと、秀一の膝の上に開脚して座らされていた。
「ぁ、や、めて......秀一、さん」
抵抗するものの、秀一は美姫の夜着を難なく剥ぎ取り、一糸纏わぬ姿にさせた。片方の手が美姫の柔らかく豊満な膨らみを揉みしだきながら、親指と人差し指でその先端の蕾を挟み込み、グリグリと捻られる。もう片方の先端に秀一が舌を伸ばし、ピチャピチャとわざと卑猥な水音をさせながら舐める。
「ッハァ、や......こんな、ところ、で......お願、やめ......ハァッ、ハァッ......」
「嘘つきですね。興奮して、昂ぶっているくせに......」
秀一は胸を弄んでいない片方の手を脇の下へと滑り込ませ、指先で躰のラインをなぞりながら下りていく。
ピアノは、秀一にとって神聖なものであり、聖域であった。
ピアノに触れるとき、秀一はまるで愛しい恋人に触れるように優しく丁寧に触れる。いつも手入れを欠かさず、大事に扱っていた。秀一がピアノを弾いている時、彼と一体となって美しい旋律を奏でるピアノにヤキモチのような感情すら覚えたことがある。
それなのに今、秀一は自分を膝の上に乗せ、こんな厭らしい行為にふけようとしている。あれほど大切にしていたものを、蔑み、冒涜しようとしている。
それが美姫には、どうしようもなく悲しかった。
だって、ピアノは...貴方、そのもの……躰の、一部だから......
私は貴方から、その躰をもいでしまった……
『私は......ピアニストを、やめるつもりですから』
あの時、秀一さんは......どんな思いで、その言葉を発したんだろう。
泣い、てる...泣いてる、ピアノが。
秀一さんの心が、泣いている......
早く、秀一さんの元へ行かないと。
このままでは、秀一さんが壊れてしまう。
美姫は崩れた姿勢のまま掌を床につき、秀一の元へと重い躰を引き摺った。
「ッグ...しゅ、い......」
美姫はペダルを踏む秀一の足首を掴んだが、彼の動きは止まらない。ゴワンゴワンと耳鳴りが響き、美姫は吐き気を覚えながらも必死に秀一の躰にしがみつき、這い上がっていく。
彼の太腿に手をかけ、力を込めて自身の躰を持ち上げ、ピアノと秀一の狭間に捩じ込むと、彼を正面から抱き締めた。
「お、ねがっ!!! お願い、もう......ッグやめ、て......ッグ、ヒッ
もう、いい......もう......これ、以上......苦しまなくて、いいですから.....ッ...ウグッ、ウグッ......」
美姫に泣きながら抱きつかれ、秀一は意識を醒ました。
自分がピアノを弾いていたという事実に気づき、秀一は鍵盤から外した両手を見つめた。掌がわなわなと震えている。
「わ、たし......私、は......」
その震えは、全身にまで広がっていった。
美姫は、秀一を包み込むようにして抱き締めた腕に力を込めた。
「秀一、さん......ピアノを、調律しましょう?
お願い......ッグピアノを、弾いてくださ...い。
そうじゃ、ない…と......ウッ、ウッ…秀一、さ……ヒグッ…壊れ、ちゃ......」
ピアニストを辞める決断をした秀一さんにとって、ピアノを弾くことは辛く苦しいことだと思っていた。
けれど、私は間違っていた。
秀一さんにとってピアノを弾かないことは、ピアノを弾くことよりも更に辛く苦しいことだったんだ。こんな......無意識で弾いてしまうぐらいに、彼の魂が求めているんだ。
秀一が、美姫の腰を掴んでグイッと引き落とした。
美姫の視界が急にストンと下がったかと思うと、秀一の膝の上に開脚して座らされていた。
「ぁ、や、めて......秀一、さん」
抵抗するものの、秀一は美姫の夜着を難なく剥ぎ取り、一糸纏わぬ姿にさせた。片方の手が美姫の柔らかく豊満な膨らみを揉みしだきながら、親指と人差し指でその先端の蕾を挟み込み、グリグリと捻られる。もう片方の先端に秀一が舌を伸ばし、ピチャピチャとわざと卑猥な水音をさせながら舐める。
「ッハァ、や......こんな、ところ、で......お願、やめ......ハァッ、ハァッ......」
「嘘つきですね。興奮して、昂ぶっているくせに......」
秀一は胸を弄んでいない片方の手を脇の下へと滑り込ませ、指先で躰のラインをなぞりながら下りていく。
ピアノは、秀一にとって神聖なものであり、聖域であった。
ピアノに触れるとき、秀一はまるで愛しい恋人に触れるように優しく丁寧に触れる。いつも手入れを欠かさず、大事に扱っていた。秀一がピアノを弾いている時、彼と一体となって美しい旋律を奏でるピアノにヤキモチのような感情すら覚えたことがある。
それなのに今、秀一は自分を膝の上に乗せ、こんな厭らしい行為にふけようとしている。あれほど大切にしていたものを、蔑み、冒涜しようとしている。
それが美姫には、どうしようもなく悲しかった。
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