転生したら乙女ゲームのヒロインの幼馴染で溺愛されてるんだけど…(短編版)

凪ルナ

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ヒロインから溺愛されてます

第11話 私と部活動紹介③

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 「何の騒ぎだ?」

 そう言って、この騒ぎに割って入った来たのは、生徒会長、四季晴樹。周りが「生徒会長だ…」などと呟いていてザワついている。

 ここで四季晴樹かぁ。タイミングぅ。神様。誰でもいいとは言ったけども。わざわざ攻略対象者にすることはなかったんじゃないでしょうか。確かに、こんな攻略対象者ばっかりの修羅場にモブは介入出来なさそうだけども。だからといって、攻略対象者に…。うぅ、私、泣きそう。恐らく私は、無表情ながらに死んだ魚のような目をしているだろう。


 四季晴樹は騒ぎの中心、つまりは千夏を見ると、驚いたように目を見張った。

 あれ?千夏、四季晴樹に認識されちゃってる?つまり、『花君』通りに進んじゃってる?えぇ…。まあ、確かに千夏、『花君』通りに新入生代表挨拶したけどさ…。

 「君は…真中千夏、といったか…。そろそろ部活動紹介を始める。皆も中に入れ」


 入口付近での深月&千夏VS太陽の攻防だったため、中に入りきれていなかった生徒もいたらしい。四季晴樹の言葉にゾロゾロと周りも移動していく。

 (あれ?四季晴樹、見逃してくれるの?まあ、いいや)

 そんな風に思いながら、変わらず若干不機嫌な千夏に手を引かれ体育館の後方から前の方に移動する。そして、時間になり、攻略対象者の一人である生徒会副会長の五十嵐海里(いがらし かいり)を司会に、部活動紹介が始まった。

 私の通う高校――星蘭(せいらん)高校は、部活の数が多い。そして、文武両道を掲げているため、文化部は活動が活発だし、運動部なら強豪校が多い。まあ、とはいえ、どこにでもゆるく部活をしたい人はいるため、緩い部活もあるにはある。

 それぞれの部活の紹介が始まった。攻略対象者がいる部活としては、サッカー部、剣道部、弓道部だ。確か、サッカー部に偏っているんだよね。なんというか、製作者の趣味を感じる…。とにかく!この三つには近づかないようにしないと…。

 たしか、千夏は、『花君』では、なぜかサッカー部のマネージャーをすることになっていたんだよね。攻略しやすいからだろうけど、何かきっかけがあった気がする。

 何でだったかな?


 進んでいく部活動紹介。バスケ部は、連続スリーポイントシュートしまーす!なんて言って成功させている。すごい。チアダンス部やダンス部は一曲踊っていたし、吹奏楽部は一曲やってた。

 まず、例の部活の中で一番最初に出番だったのは、弓道部。太陽が入るところだ。弓道部は太陽以外にいなかった気がするので、割愛する。パフォーマンス?何人かが的に向かって打っている人、弓道の一連の動作やっていた人がいたよ。キレイだし、かっこよかった。
 そして、かるた部を挟み、次が剣道部。え、かるた部?何枚かエキシビションで実際に札取るのをやってたよ。早かった。それで、確か、剣道部には一年生(クラスメイト)が一人いて、その人は試合には出るけど、幽霊部員なんだよ(まだ入ってないけど、予定だけど)。あと、もう一人が剣道部の主将さん。

 「次は剣道部です」

 副会長の五十嵐海里の紹介を合図に剣道部主将がマイクを手に取った。

 あ、主将さんがマイク持った瞬間に女子生徒がキャーキャー言ってる。

 「えー、剣道部主将、三谷透矢(みたに とうや)です。エキシビションマッチします」

 関西弁特有の独特のイントネーションで、主将さんがそう言うと後ろに控えていた部員が前に出てきて、お互いに構える。審判が試合開始の合図をすると同時に剣道特有の叫び?をして片方が打ち出し、片方が受ける、で、次は反対が打って、片方が受ける、これを繰り返す。何度目かの後、再び構え直すと、今度は同時に動き出し片方が胴を決め、試合は終了した。固唾を飲んで見守っていた新入生も思わず拍手をする。そして、最後にまた主将さんがマイクを手に持ち前に出てきた。

 「初心者でも大歓迎なんで、良かったら入ってくれると嬉しいです」

 微笑みながら、穏やかな京都のイントネーションでそう言った主将さんは、次に部員に号令をし、運動部な「ありがとうございました!」で剣道部の紹介は終わった。

 他には水泳部、写真部、野球部、ESS、陸上部、などを挟み、とうとうサッカー部の番が回ってきた。


 ――私は、部活動紹介でイベントがあるということは覚えていたものの、どんなイベントだったかは全く覚えていなかったが、この後、不本意ながら思い出させられることになるのだった。


──────
どうも、作者です。
思った以上に剣道部のこと書いてしまったけど…。なんかな、剣道部が出しゃばってきたんや。いや、しょうがないやん?三谷透矢、キャラ作った当時のお気に入りキャラだったし(  ˙-˙)スッ。

今回も読んで下さりありがとうございます。
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