従姉妹様(おねえさま)それはあんまりじゃありませんか?

はなまる

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37結ばれる

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 明日は最終話投稿予定です。最後までよろしくお願いします。



 レオルカは優しくエルディを抱き上げた。

 ウエディングドレス姿のままベッドのそばに下ろされる。

 明かりはロウソクの炎ではっきり顔が見て取れた。

 そんな中で口づけを交わす。何度も上唇をなぞられ下唇を吸い上げられ最後にそっと触れるだけのキスを落とされた。

 「ドレス脱がせるよ」レオルカの声はかすれている。

 エルディはそっと頷くだけで精いっぱいだ。

 レオルカが器用に後ろの紐をほどいて行く。背中からウエストに沿わせてぴったりと張り付くようだった布がはらりとはだけると、まるで純潔の鎧を剥がれたような気持ちになって思わず両腕で胸を覆った。

 まだ下にはコルセットと言う強固は要塞があると言うのに…

 「かわいい」

 そんなつぶやきが聞こえて「ごめんなさい。嫌じゃないの。ただ…」

 「いいんだ。当り前のことだ。初めて男の前でドレスを脱がされれば誰でも緊張する。でも、信じて欲しい。君を愛したい。エルディ君を一つになりたいんだ」

 「ああ、わたしも」

 「えるでぃ…あまり煽るな」

 胸の前の結ばれた紐をほどくレオルカの指が震えていて結び目がうまく解けない。

 そうやってやっとコルセットも外され下履きも取られ生まれたままの姿になった。

 「エルディ、すごくきれいだ。俺はほんとに幸せ者だな。愛してる」

 「れお…るか」

 レオルカが急いでシャツやズボンを脱いだ。でも、彼はまだ下着は付けたままで、ばたばたとロウソクの灯りを落とした。

 完全には消えていないロウソクは仄暗い色でふたりの姿をあいまいに映し出した。

 「えるでぃ、おいで」

 抱かれてベッドに寝かされた。

 ぎゅうと閉じ込めるように抱きしめられ唇を重ねて舌をねじ込まれると、もうの脳芯がぼぉっとして行った。

 「愛してる。エルディ。俺の…」そんな甘い言葉をずっとささやかれ耳朶を名むようにキスを落とされ鎖骨から胸に沿わせて舌を這わされて「はぁぁん…」身体が蕩けそうになって行く。

 自分でも信じられないほどそのまま彼にゆだねた。

 何度も感じるところを愛されて下腹部がズクズク痺れて行く。

 (あそこが…何だかじんじんして恥ずかしい。うん?濡れて…もぉ、やだ)

 「すごくきれいだ。エルディ。こんなになって…ほら」

 「あっ…あぁぁぁ」(なに?中に違和感が…でも気持ち良くって…)

 そのまま意識が飛んでしまう。


 重みで気づけばレオルカが上にかぶさっていて目と目が合う。

 その瞬間「えるでぃ…もう我慢できない」異物が?どうしたらいい?

 「みしっ!ぐふっ!」

 「すまん。痛いよな。でも…愛してる」

 その言葉に胸が熱くなり痛みは和らいだ。

 エルディは必死で頷き大丈夫だとレオルカの背に手を回した。

 ぐっと押し込まれる感覚に「うへっ」おかしな声が漏れて動揺したが彼が唇を塞いでくれたおかげでおかしな声は聞こえなかったらしくほっとした。

 次の瞬間。さらに衝撃的な圧が。

 「愛してる。愛してるよエルディ。俺を受け入れて…愛してる」

 甘いささやきと下腹部の引きつれた様な感覚に翻弄されたが…

 次第にレオルカと肌がぴちゃぴちゃ合わさるたびに沸き上がる快感が。

 「はぁん。れお、るか、ふぅん、あぁぁぁ」

 「すごく気持ちいい。ああ…エルディやっと俺達一つになれたんだ」

 そう言いながらぐっと深く交わる。


 「愛してる。レオルカ」

 「俺の方こそ愛してる。もう離さないから…ああ~エルディ俺のエルディ」

 レオルカが顔をほころばせた。

 「愛してるずっと一緒だ。ずっと死ぬまで」

 「ええ、命の尽きるまでよ。ふふっ…」

 この夜、ふたりの心と身体は深く繋がった。

 互いに溢れるほどのいや、恐ろしいほどの至福を味わった。

 エルディは心の底から幸せを感じた。

 

 翌朝ふたりは裸のまま抱き合っていた。

 目が覚めるとレオルカが先に起きて身支度をすると朝食を運んでくれた。

 エルディはベッドの中で朝食を食べ昼前に部屋から出た。

 昼食の席でアンリエッタと顔を合わせるのが恥ずかしかったが、それは彼女も同じだったらしくふたりで笑いあった。

 そうして参列者はその日のうちに帰って行った。

 レオルカとエルディも王都に戻るため支度をして翌日にはクワイエス領を出発した。

 アンリエッタ達も子爵領に出向いてみると屋敷を後にした。


 そして1週間が過ぎ、エルディ達は王都の新居ですっかり新婚を満喫していた。

 エルディは朝レオルカと一緒に騎士団に向かう。レオルカは小隊の部屋に向かいエルディは騎士団の事務員として仕事をこなす。

 レオルカがいるときは一緒に昼ご飯を食べ帰りも一緒に帰る幸せな日々が続いていた。


 そんな時、近衛兵のブルーノが辞めたと噂になる。どうやらクワイエス騎士隊に入るらしいと言う。

 レオルカは団長から詳しい状況を知らされた。 

 どうやらブルーノは、キャサリンを助けたいらしいのだと。

 レオルカは思った。あいつなかなかやるじゃないか!と。


 エルディのいる事務所に行ってその事を話すと大層喜んだ。

 「だって、キャサリンにも幸せになってもらいたいじゃない」

 「あんな事したのにか?」

 「キャサリンだけが悪いんじゃないでしょう?私達ばかり幸せになるなんて申し訳ないもの。彼女とブルーノがうまく行くといいのに」

 「ああ、そうだな。エルディって性格まで可愛いよな。まっ、そんなとこ大好きだけど」

 「レオルカったら、ここは職場よ」

 「俺達は夫婦だ。遠慮はいらんだろ」

 そう言ってレオルカは愛妻に抱きついてキスをした。


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