華麗なる人脈でハーレムを~アラブの王族はハンパなかった~

のらしろ

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第66話 長い名前の新会社設立

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 日本に戻ってからの生活は、日常生活と言っていいものだ。
 大学に通い、月曜日だけはサークルにも顔を出すが、只の駄弁り場でしかない。
 それでも時間をつぶして、羽根木の事務所に戻ると簡単に報告をベッドで聞く。

 そのお相手は、大抵がTV局から帰ってきた今日子さんが多いが、水曜日に限り花村さんや榊さん、もしくはその二人とも気持ちの良い思いをベッドでしている。

 あ~あ、忘れていたが、本当に気まぐれだが、談合坂のメンバーともここでしているのだ。
 ここなら密会現場として週刊誌の餌食にはならないので、安心して楽しめる。
 時間が空いたメンバーの一人二人とやってきているときに、その後の彼女たちのスケジュールで時間が合えば俺のお相手をしていく。

 本当にたまにだが、10人って時もあるのだが、流石に全員は無理だ。
 とりあえず、全員全裸にはなってもらうが、後はその場の勢いというか成り行きで2~3人といった具合だ。

 これはここでの生活が始まってから、ほぼ変わらずといった感じなのだが、最近になって少しばかり事情が変わってきた。
 常に俺のそばで秘書役をしてもらっていたかおりさんが忙しくなり、新人組の日本人が秘書役に変わっている。

 現在は葵さんが主に俺に付いている。
 事務所全体も慌ただしくなってきたが、これもすべてが城南島開発関連のプロジェクトが動き出したためだ。

 例によって俺は、このプロジェクトにはほとんど噛んでいない。
 これも定番になっているのだが、名目上の頭だ。
 しかし、いくら名目上と言っても、対外的な契約には同席を求められる。
 これも高貴なる責任の一環か。

 ある時、週半ばで、俺は呼び出され、授業の合間を縫ってかおりさんに連れられ海賊興産の本社ビルに向かった。

 既に本社ビル最上階の役員会議室にはアリアさんやイレーヌさんが海賊興産の常務会メンバーを相手に打ち合わせをしていた。
 細かな内容の確認の様子で、海賊興産との契約に関しては何ら問題なく準備は終わっていた。
 俺の到着を待って契約をする運びとなっていたようだ。

 前に説明があった新会社に向けての業務提携の話だ。
 この契約をもって、海賊興産側で新会社を興す手筈になっている。
 新会社の名前も『海賊興産新都市開発株式会社』と既に決まっており、少々長い名前が気になるが、資本の出どころ、いや、開発主体が誰でもわかるような名前に政府の要望を通して敢えてしたとのこと。
 この会社の社長は榊さんの上司に当たる大木戸常務が兼任し、社員のほとんどは子会社の不動産部門からの出向で賄うとのことのようだ。

 しかし、社長以外の役員については、俺たちとの関係の深い木下常務が代表取締役会長に兼務で就き、うちからはかおりさんまでもが常務として役員に入ることまで決まっていた。
 あ、忘れていたが、なんと今回の会社に社外取締役として俺の名前まであった。
 これにより、年6回の取締役会には俺も出席しないといけないそうだ。
 俺も少しは賢くなってきて、こういったものは少しずつ分かってきたのだが、社外取締役って、直接利害が絡むとまずいんじゃなかったっけ、あ、いいの?、どうせ今度の会社は上場しないので、その辺りは気にする必要はない。

 ボルネオの会社に俺の名前があるけどいいのかって、それも大丈夫だそうだ。
 俺の存在って、かなり奥にあるので、目立たないからと聞いた。
 一連の契約を終え、俺は海賊興産の社長と二人の常務木下さんと大木戸さんに連れられ、本社ビル一階のロビーに降りると思ったら、さらに地下の駐車場まで連れて行かれた。

 そこには、最近会っていなかった里中さんが部下の藤村さんと、見覚えのあるマイクロバスの前で待っていた。
 俺らは、ここであれに乗せられるのかと思ったら、なんと俺らをここまで案内してきた社長以下二人の常務と一緒にバスに乗り込んだ。

 俺らを乗せたバスは、そのまま都内を抜け高速道路を通り、湯河原の奥にある高級旅館に連れて行かれた。
 俺は仲居さんに促されるまま、見ごたえのある立派な庭を通り抜け離れに入った。
 なんと、俺でもわかる、時の官房長官が彼の秘書や俺と既に面識のあった高村外務副大臣、それによく知らない人が一人と待っていた。

 流石に日本を代表する大会社の社長だ。
 官房長官やほかの人全員とは面識があったようだ。
 座敷に座るや否や、挨拶を始めた。
 暫く当たり障りのない挨拶をして、俺らの紹介があり、今度のプロジェクトについての報告をし始めた。

 報告をしているのは、今度新会社の社長に就任する大木戸さんだけど、すでに官邸とはイレーヌさんやかおりさんから、そこにいる高村さんを通して話はつけてある。
 無事に新会社発足の目途が付き、その報告を直にしたという訳だ。

 その後は、この料亭自慢の板前さんが精魂込めて作った懐石料理を食べながらの歓談となった。
 会合の割と早い時間に、俺の知らない人の紹介があった。
 俺らが初対面、いや、初対面は俺だけだった。

 イレーヌさんやかおりさんは俺の知らない人とは何度も羽根木のホテルで会っているようだ。
 彼は高村副大臣と同期の経産省の副大臣で、今度のプロジェクトの後始末をしている責任者だったとか。

 彼は俺らに対して、何度も感謝の言葉を述べている。
 俺らが資金を出すまでは、かなり困った状況だったらしい。
 民間資本が一斉に抜けて、経産省で計画を推進していたお役人、ほとんどがコロンビアの息のかかった連中だったために一斉に抜けての後始末だ。

 政府もさっさと中止を決めてしまえばよかったのだが、どうもそうもいかないようだ。
 色々と利権の絡む話があるようで、形ばかり計画を進めるためにかなり規模を縮小するのもやむを得ぬとまで議論していたとか。

 そこに俺らが入って来たものだから、それも政府の意向を聞いて外資と分からない体裁を整えたうえでの出資とあれば、もろ手を上げて喜んだと聞いた。
 会食の後に、別れ際で官房長官がかおりさんに向けて、いや、俺に向けて笑顔で、今後の政府との意思の疎通のために、政府から人を使わすから楽しみにしてくれと言っていた。

 既に藤村さんが来ているのでと、断ろうかと思ったのだが、経産省側からもそばに人を出したいと言っているそうだ。
 新会社設立時には、それらの方の席を事務所に用意することで話を終えた。

 新会社は俺の事務所と同一フロアーに作られる予定で、海賊興産の投資部門そのものがそのまま宛てられるそうだ。
 海賊興産側も、俺らに近い人をキーマンとして送り込む予定で、すでに会社トップに木下常務と大木戸常務を使わし、当然彼らの右腕になって働いている花村さんと榊さんの新会社入りが決まっている。

 窓口は榊さんが当たるそうだが、二人とも新会社では社内役員として、営業部門担当が花村さん、企画経理部門担当が榊さんという役割まで決まっている。
 これに政府から隠れた出向組が加わるとか。

 うちからはかおりさんが責任者としてかかわるので、頑張れかおりさん。
 俺としては、いつものように『見てるだけ~』という感じになるだろう。
 いや、俺も役員となるので、会社の運営の報告を聞く立場になるのか。
 サポートをよろしくと、かおりさんに頼むしかない。

 つくづく情けない話だが、俺はつい最近まで貧乏高校生だったのだ。
 こんなのについていける訳はなかろう。

 そんなこんなでも、平常心で日常を過ごしていく。

 あれから2週間たち、季節は夏に入る。
 7月の初旬になり、学校は夏休みを迎える。
 会社登記も済み、八月一日に会社設立だ。

 そのための引っ越しやら、引き継ぎなどで、このフロアーが慌ただしい。
 俺は事務所の俺の部屋で花村さんから海賊興産側の状況を聞いている。
 しかも全裸で、体の一部がそれぞれの体に入ってだが。

 肝心の開発プロジェクトは既に開始されており、構想設計の段階だとか。
 複合型アミューズメント要素も取り入れたいらしく、アイドルのための劇場なども整備していくとの話だ。

 当然、談合坂が所属しているバニーガールずにも話を持っていきたいのだが、伝手がないので困っているとも聞いた。

 え?

 伝手ならあるじゃん。
 そう、花村さんは俺を頼ってこの話を持ってきたのだ。
 とりあえず、俺はこの後一旦ボルネオに行くので、詳しい話は帰国後ということで、花村さんには話した。

 明後日、俺は、以前の約束にあった梓を連れてボルネオに行く。
 どうせすぐにグアムに飛ぶので、それほどボルネオには滞在できないが、ボルネオに長くいると、あの爛れた関係がばれる恐れもあるので、幸いだ。

 俺が客を連れて行く件は、殿下に話は通してある。
 なんでも、殿下から王室自家用機を貸してもらえる話まで通してあるのだ。
 こちらから頼んだ訳ではないが、うちの自家用機の稼働状況からすると非常にありがたい話で、二つ返事でお願いをしたことを覚えている。

 なにせ久しぶりにうちのメンバーの交代もあるし、賑やかな旅になりそうだ。
 今まで経験したことがなかったが、旅行前のワクワクがある。
 なんだかとっても楽しみだ。

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