どうやら私(オタク)は乙女ゲームの主人公の親友令嬢に転生したらしい

海亜

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8章:学園に入学したらしい

101話:意思

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「あの、雪都様。ありがとうございます。」

私は雪都様の胸板を押す。

雪都様は簡単に離れた。

だけど、雪都様の顔はとても辛そうだ。

そんな顔をさせたのは私でその辛そうな顔を消すのも私でありたい。

雪都様の両手を握る。

雪都様は少し目を見開いて私を見る。

目が合った。

「雪都様。心配をかけてごめんなさい。それと、助けてくれてありがとうございます!さすがにあの行為は無謀すぎました。・・・・・・もうあのような事はしません。だから、安心してください!死なないように今からは狗社隼真を倒します。そして、居るべき場所へ帰って頂きましょう。」

私は笑いかけて手を離した。

「ですが、狗社隼馬は魔力がとても強いです。」

「はい!わかっていますとも!ですので、外側からじわじわ倒していきましょう。あ、あと・・・先程の言葉とても嬉しかったです。」

にへらっとついにやけてしまったけれど気にしない。

嬉しかったし。

雪都様は一瞬ぽかんとした後思い出したのか、だんだん赤くなっていた。

うん。まあ、さすがに照れるよね。

そんなことを思いながら、私はそのまま狗社隼馬のところへ行く。

狗社隼真は私を見下した顔をする。

「君に一体何ができるというんだ?君は俺には勝てない。俺はこの世でいちばん強い魔力を持っている!!だから、君も仲間も家族やこの世界も消えてなくなるんだよ!!」

両手を広げてそう宣言した狗社隼真。

「それはどうかしらね!!さすがに、璃杏ちゃんを見くびりすぎじゃない?」

ニヤリと笑い私の隣へ来た紅葉。

「ええ。そうね。璃杏ちゃんを馬鹿にするなんてあなたの判断能力はボロボロの何も役に立たない剣のようだわ。もっと磨いたらどうかしら?」

黒い笑みを浮かべて結恵さんも私の隣に来た。

うん、怖い!!すごい怒ってるよ!!

「はっ!何をバカげたことを言っている!!俺より強い魔力を持つものはいないだろう!!」

そう言って闇魔法を発動させようとしている。

「璃杏ちゃん。」

そう言って紅葉は私を手招きする。

紅葉に近づき、耳元で紅葉は私にコソコソと話し始めた。

話終わったあと、私は頷き結恵さんを見る。

結恵さんとも目が合い

「お願いしますね。」

私を信頼しているという顔で言った。

それじゃあその期待に私は答えないと!

私は力強く頷いた。

結恵さんと紅葉は私から離れる。

私は頭の中で、今から放たれる闇魔法を消すのと眠ってしまったもの、穢されてしまったもののことを考える。

それを飲み込み浄化をする為には・・・。

狗社隼真の闇魔法が放たれた。

それもかなり強力な。

「「璃杏様!!!」」

「璃杏ちゃん!!!」

雪都様と礼央様と湖乃美ちゃんの声が聞こえる。

大丈夫。

私は絶対に死なない!!!

手を前にかざす。

「今、黒き穢れた闇を呑み込み浄化せよ!!」

体の中の魔力が集まる感覚がする。

私の唱えた呪文と一緒に手からは大きな白い蛇が放たれた。
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