穢れ無き天使

これが「恋」なのだと自覚した時には手遅れだった。アリジゴクと同じように、もがけばもがくほど苦しくなって、状況は悪化して行く。

「悪化」なんて言い方、人間からすればキレイな、ステキで尊いこの気持ちを表現するだなんてとかあの子なら言いそうだけれど、

僕らは天使、「穢れ無き天使」なのだ。
あくまで神の使いで、「恋」なんて言う、神以外の者にうつつをぬかす感情はタブー、恋のこの字どころか、koiの kの字だってふれてはいけない禁忌。

目を重ねるごとに白い僕の羽根は抜けて行き、その空席には忌々しい黒いあの羽根が居座り、僕の心と体をそめ上げて行く。

一度黒に触れてしまったら最後、白にはもう戻れない、そんなのわかりきっているけれど、もう僕にはどうにもできない、悪化するのがわかっていたって、君に会うのさえも止められない。

さすがにこんな醜い僕は見せたくないから、この黒い羽根はぬいて行くけれど。

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