【R18】死にたがりの姫が目覚めたら、死体愛好家の辺境伯に襲われていました

第8話_3 追手（？）が現れた※

　屋敷の中に、死屍累々の山がそびえたった。
　まだ何人か戦えそうな騎士たちはいたが、皆一様に怯えており、ヴィオレッタとシュタインの前に躍り出てくることはなかった。

「シュタイン、あなた、ちゃんと剣術もできるじゃない？」

「そ、そうかな？　ヴィオレッタ、どうだった？　結構うまくできたかな？」

　彼はへらへら笑いながら、私に声をかけてくる。
　なんだか褒めてほしそうな子犬のような表情をしていたけれど、私はガン無視した。
　狭い部屋だったので、彼が一対一で戦えるように応援はしたが、これだけの数の騎士を相手にできるのは、彼の実力だろう――。

（こいつやっぱり、ただの変態じゃない――？　夜の営みでは、全然動かないくせに――）

　じっと彼の顔を見て、わたしは問いかける。

「わたしを腹上死させるために――あなた本当は――？」



　その時――。



「この！　探したぞ、女狐ヴィオレッタ――！　本当に生きているなんて――本当に不愉快な子だよ――！」



　わるいままははが、わたしたちふたりのまえにあらわれたのだった――。