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第2章 日本での再会
10-4※
しおりを挟む「……そういえば、どうしてまたお風呂に?」
「汗かいただろう? せっかくだから、一緒に入ろうと思って」
「ええっ……!?」
そうして、美桜の身体は湯船の中へと入れられる。
チャプリ。
まだそんなに時間は経っていないので、湯の温度はまだ温かい。
怒涛の勢いで混乱してしまう。
ちょうど、恭司の脱衣している姿が目に入った。
ドキン。
心臓が跳ね上がる。
(あ……)
恭司がスーツジャケットを脱ぐと、近くのポールにかけた。次にネクタイをしゅるりと解く。骨ばった鎖骨が視界に入って、ついつい見惚れてしまった。そうして、ボタンを外していくと、白シャツをそのまま床に脱ぎ捨てた。
筋骨隆々とした雄々しい身体つきを前に――美桜の心臓は高鳴っていく。
あの夜に抱き締められた感覚を思い出してしまい下腹がキュウっと疼いてしまった。蜜口から愛蜜が触れるのを感じてしまい、慌てて両脚を閉じる。
(私は……)
ドイツでは酒の勢いもあって、恭司と一夜を共にしてしまったが、そもそも美桜の性格的に、恋人でも何でもない男性と何度も夜を一緒には過ごせない。
(恭司さんは不特定多数の女性と身体の関係を持つのに慣れてるのかもしれないけれど……私はそうじゃないもの)
どうにかしないといけない。
考えている間も、恭司は下衣と下着を脱ぎ始める。下肢の付け根の巨大な熱塊が目に入ってきてしまった。
美桜は思わずパッと視線を背けた。
「そもそも、これ以上はっ……ちゃんと社長と社員で、節度を弁えた、行動を……あっ……」
恭司が湯船に入って来た。
比較的広い浴槽だが、男女二人で入ると手狭であり、お湯が溢れて落ちていく。
「ここはもう会社じゃない。俺は経営者ではあるが、それ以前に一人の人間なんでね。そもそもドイツで、あんたは別に会社社長に抱かれたわけじゃあなかっただろう?」
「それは……そうでしたけれど……今は状況が変わってしまったんです。社長と社員になったんです。だから、ダメです」
美桜は身体を翻すと、浴槽の中から逃げだそうとしたのだけれど……。
「あっ」
恭司に背後から抱きしめられてしまった。
そうして、彼の両手が彼女の両方の乳房を覆うと、ゆっくりと蠢き始める。
「ひゃっ、ダメですってば……んんっ、……ふ……う……」
「また俺から逃げるつもりか?」
彼女の耳朶に彼の吐息がかかった。
ゾクリ。
背筋をゾクゾクとした感覚が駆け上っていく。
「社長から……逃げるわけじゃ……あっ、……なくって……はぅ……」
「今逃げようとしただろう?」
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