淫魔と俺の性事情

みき

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ルカと俺

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相手も驚いているところを見るに遭遇したのは偶然らしいが、噛まれた首の痛みを体は忘れていなかった。

「っ…」

身構えて、距離をとる。
そんな俺を冷たい目で睨むルカ。

「そんなに警戒しないでくれる?ムカつくから」
「…いやするだろ、あんだけガッツリ俺の首噛んどいて」
「…もう手は出さないよ。あんたのことは殺したいくらい嫌いだけど、これ以上何かしてアレクに嫌われるのは嫌なんでね」

あの日のことを思い出しているのか、少し切ない顔をするルカ。
本当に俺に何かをする気はないようだった。

あの時感じた疑問を、俺は聞いてみたくなった。

「……お前って、アレクのこと…」
「好きだよ」
「っ…」

即答されてしまった。

「だったら何?僕のために契約解消してくれんの?」
「……」

何も答えない俺を睨んで、ルカはこちらに向かって歩いてきた。

やはり何かされるのかと体を固くする俺を見て、嘲るようにふんっと鼻で笑うルカ。

すれ違いざま、言われる。

「お前なんかただのエサだよ。」
「…っ」
「たまたまアレクの口に合う精気だっただけ。飽きられたら記憶消されてポイ。それでおしまい」
「……」
「せーぜー飽きられないようにがんばればー?」


去っていくルカの背を、俺はただ見つめることしかできなかった。
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