【完結】奇跡の魔女

最終章 最初に叶えた願い事

エピローグ

僕の総てを受け入れる変な人だと最初は思った。
けれど今では無くてはならない大切な人。
ノエルのお陰で僕は今を生きている。
さあ、今日も願いを叶えよう。
僕は面白いことが大好きだから、ノエルが本当は僕と二人きりの時間を楽しみたいと知りながら、辞めることが出来ないでいる。
僕は卑怯者だからね。
ノエルが僕を止めないことを知っている。
兄さんもリオ義兄さんも最終的には折れてくれる。
僕はとても恵まれているね。
どんな状況でも助けてくれる人がいた。
だから僕も誰かを助けたい。救いたい。
願わくば僕のような人を一人でも多く減らしたい。

そう思えるのは僕が救われた人間だからなのだろう。
世界中に救いを必要としている人たちがいる。
【どんな願いでも叶える】のなら、戦争を終わらせることも出来るのだろうか？
けれども、その願いの代償は誰が払うのかな？

戦争を終わらせることは簡単なんだ。
上に立つ者たちが【戦争しない選択】をするだけ。
たったそれだけのことなのに、世界中の紛争は止まらない……終わらない………。
奪い合うことに意味はあるのかい？
憎しみや哀しみが生まれるだけではないのかい？
一体どんな人達が得をして……誰が犠牲になっている？
傷付くのは何時だって何も知らない子供たち。

君の掲げる正義に【人の命】は勘定に入っているのかな？
よく考えて行動することだ。
気を付けて。
君のその一言が【命を奪う言葉】かも知れない。

悪意なき悪意ほど怖いものなど無いのだから。

「君の叶えたい願いは何かな？勿論、代償は払ってもらうことになるけれど♪」

今日も誰かが強い願いを心に秘める。
僕は今日も強い願いに惹かれて導く。
内緒だけれど……強い願いを心に秘めていたとしても、僕に願わない人間もいるんだよ？
凄いよね……僕はそんな人こそ尊敬するに値すると思っているんだ。

ノエルの願い？彼のは僕の願いでもある。
だから願わない人間を尊敬しているんだよ？
例えば僕の兄さんとか……ね？