【完結】奇跡の魔女

1章 醜い嫉妬の炎を消す方法

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「あっ……」

私から何となく発せられた声に、お父様が気がついたご様子で…瞬く間に鬼が潜んでいきました…。
もう…見てしまったのですけれど、気が付かなかったことにした方がよろしいのかしら？
……少し、冷静になれましたわ。流石はお父様。
私は思っていることの総てをお父様にお伝えするべく、言葉を続けました。

「…醜い嫉妬の炎を消せば、彼が愛してくれるのではないかと…思ってしまいましたの。お父様、奇跡の魔女の居場所を教えてくださいませんか？お願い致します、私の内側で燃える嫉妬の炎を消したいのです」

最後まで云い切れましたわ。
そっと、お父様のお顔を伺いましたが、今度はとても美しい微笑みを浮かべておられました…。
どういうことかしら？考えても仕方のないことよね。
私は、じっとお父様の返答を待つ

「教えても構わない…だが、本当に後悔はないね？」

と、お父様から承諾と共に確認のお言葉がございました。
私は既に覚悟を決めてここにおりますもの、返答に迷いなど一切なかったわ。

「勿論ですわ！例え二度と若草色のワンピースを着ることがなくなろうとも、覚悟ならば馬車の中で…」

その言葉を聞いたお父様は、私を抱きしめてくださいました。子供の頃に抱きしめられたのが最後の私にとって、これほど嬉しいことはありません。

「覚悟が出来ているのなら教えよう。奇跡の魔女の居場所について…」

そういえば…お父様はどうしてご存知なのかしら？
けれども教えて頂けることが嬉しくて、その疑問は瞬く間に消えていきました…。