【完結】奇跡の魔女

1章 醜い嫉妬の炎を消す方法

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「奇跡の魔女は深い深い森の中に住んでおられる」

お父様が、まるで物語でも読むかのように【奇跡の魔女】についてお話を始められました。

「奇跡の魔女は願いを叶える相手を選ばない。だが、1つだけ確かなことがある。……それは、代償は願いの大きさに比例するということだ」

私は1つも聞き逃すまいと真剣な眼差しで続きを促しました。

「…覚悟が決まっているのなら、奇跡の魔女の居場所など知らなくとも、必ず道は開かれる」

そう云って…お父様は立ち上がり、私に退室を促した。

「居場所を知らなくとも会える？道が開くとは…」

その時の私はお父様のおっしゃったことが理解できませんでしたが、後に理解することができたのです。
こういうことだったのか…と。

「お父様が嘘をおっしゃる理由はないのだから、きっと道は開かれる……私の覚悟は決まっているのだから」

明日からは学校もお休みなのだし…でかけてみるのもいいわね…待っているだけでは幸運は訪れないもの。

「そうと決まれば明日お父様に相談して…でかけることにしましょう！」

私はこの時…知らなかったのです。
でかける必要性など無いということを…。

「ミア、明日でかけるかも知れないから準備をお願いね。私はお父様を説得してみせるから！」

私がミアにそう云うと、ミアは穏やかな声色で

「かしこまりました、お嬢様」

…と云って、少しだけ口角を上げたのです。
これ程に喜んでくれるなんて…話を聞いていたわね。
もう、駄目なのだから！…と叱責するべきでしょうけれど、今回だけは大目に見るわ。
心配をかけた私に非があるのは分かっているもの。