【完結】奇跡の魔女

1章 醜い嫉妬の炎を消す方法

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「取り敢えず、僕の家においでよ。」

【奇跡の魔女】は、まるで私と彼……或いは彼女とが昔からの友人であるかのような気軽さで、私を自身の家に招いてくださいましたわ。

「お言葉に甘えまして…よろしくお願い致します」

私は本題に入る前に色々と既にやらかしておりますので、私の返答を聞いた【奇跡の魔女】が嬉しそうになさる姿を眺めながら、変わった方だと思っておりました……【奇跡の魔女】の執事風の使い魔に会うまでは。

「ただいま、ノエル♪……拗ねてるの？」

【奇跡の魔女】が何処かに話しかけておられるご様子なのですが、【奇跡の魔女】と同居なさっている方がおられるのかしら？【奇跡の魔女】…面倒くさいですわね！名前はありませんの！？

「ん？あるよ♪…僕の名前はアステルと云うんだ。それから、同居人ではなくて使い魔だね」

使い魔……が、拗ねている？……え？何故？本題に入れないではありませんか！私は声の限りに叫びました…。
私……本当に何をしているのかしら？

「使い魔様！いらっしゃいませんの！？」

私が声の限りに叫びましたところ、此方も信じられない美貌の持ち主が現れましたわ！……【奇跡の魔女】の方が優しく見えるのは気のせいかしら？
そんな事を考えておりましたら、使い魔の方が…

「…アステル様と私の屋敷に何の用です？」

…明らかに敵意を持っておられますわね？ここは本題に移る好機ではないかしら？

「私はアンジェリーナ・オーガスタと申します。奇跡の魔女であるアステル様に願いを叶えて頂きたく、ここまでついて参った次第でございます」

どう…かしら？恐らく…あの敵意は愛する者を奪われたくない一心のもの。私にも覚えがありますもの。あれは嫉妬…。私が不要と判断したものに相違ないですわ。