【完結】奇跡の魔女

2章 命の重さは平等であり、不平等でもある

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「ここは何処？」

俺は目の前に立つ美しい人に聞いた。

「ここかい？ここは【奇跡の魔女の森】だよ」

優しく穏やかな口調で答えてくれたのは、純白の髪に赤い目をした女神様だった……と思ったら、男の人だったみたい。どっちでも似たようなものだけれど…。

「フフッ、似たようなものかい？」

俺は驚いた！心で思っていることが分かるなんて！【奇跡の魔女の森】ってことは……この人が魔女か！
だから美しいんだな！多分！

「これだから子供は好きだよ」

？？よく分からないけれど、好きだと云ってくれた！
俺でも脈が………後ろに何か怖い顔の人がいる…！
え？………鬼？魔王？……何？

「ああ、彼は僕の執事でね。僕のことが好きすぎて傍から離れない変わり者なんだ」

……ってことは、俺がさっき好きとか云われたから嫉妬して……で、あの顔？……好きとか云わないでください。
俺はまだ死にたくないです。

「ん？……フフッ、そうするよ」

美しい魔女様がそう云うと、魔王が後ろから声をかけている。勿論、俺にじゃない。

「アステル様、何の話です？」

アステル様っていうんだ……綺麗な名前。
そんな事を考えていたら、アステル様が背後の魔王の質問に答えた。

「ああ、ノエルの気持ちに寄り添ってくれたんだ」

魔王が俺を見てる……凄い見てる……俺は真剣な顔をして絶対にアステル様に恋なんてしません！ということを全力でアピールした。死にたくない俺は頑張った。
……あっ、目が優しくなった……気がする！

「君が想像した通り、僕が【奇跡の魔女】なのだけれど…何か叶えたい願いはあるかい？……勿論、代償は頂くけれど♪」

美しい人が俺に叶えたい願いを聞いてきた……でも、代償をもらうって云ってるから……代償って金かなぁ？
でも俺達に金が無いのは一目で分かるはず……ってことは、魔女様なんだから多分それ以外の何かが代償？

「フフッ、君は賢いね。想像通り、代償は金ではないよ。だから、僕に願うかは君次第」

俺…俺の願いは……

「自分で叶えるからいいよ！ありがとう！魔女様！」