【完結】奇跡の魔女

2章 命の重さは平等であり、不平等でもある

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俺、ピンチ！多分、いや間違いなく命の危機が迫っている！だって女神の後ろにいる魔王が凄い怖いもん！
兄貴の顔が何か訴えてるもん！女神か？女神なのか？
お前って云ったことが駄目だったんだ！多分！

「ごめんなさい、間違えました」

………あっ、魔王の殺気が少し緩んだ！お……俺、ここで死ぬのか？いや、待て！何かあるだろう！魔王の弱点は絶対に女神様だ！でも…終わった。俺、終わった。

「フフッ、面白いなぁ…君たちは」

……え？俺の声……聞こえてる？た……助けてください！お願いします！死にたくないです！

「ノエル、殺気を静めてくれないか？」

女神様に俺の声が届いた！一生、崇めます！
アステル様！ありがとう！俺の信仰はアステル様に！

「失礼いたしました、アステル様」

穏やかな口調だけれど、絶対にまだ怒ってる！だって俺、女神様のことをお前って！……一寸だけ、顔を上げてみても……あっ、目が合った。
魔王と目が合った………アレ？何か……凄い見てる。
微笑ましい目になってる？何で？
アレか？俺がアステル様信者になったからか？
何で分かった？心の声が聞こえてるとか？
え……ずるい！アステル様と一緒！

「フフッ、残念ハズレ。ノエルに心の声は聞こえていないよ。……ところで、僕は【奇跡の魔女】なのだけれど、君には何か叶えたい願いはあるのかな？勿論、代償は頂くけれど♪」

聞こえてねぇなら何で……。でも願いを叶えるって……何でも？代償って金じゃねぇよな……だって、心の声が聞こえているなら、俺達に金がねぇのは知っているはずだし……。
ってことは、それ以外の何かが代償ってことか？

「正解、代償は金ではないよ。……君も賢い子だね」

も？……兄貴も聞かれたことなのか？
………願い……俺の願いは……

「俺…俺は…自分で叶えるからいいよ！ありがとう、魔女様！優しすぎるの……良くないと思うぜ！俺は！」

お陰で家族みんなが助かったんだけど！
………それは内緒だ！
あっ………聞こえているんだった！
まぁ、魔女様ならいいか！