【完結】奇跡の魔女

2章 命の重さは平等であり、不平等でもある

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突然、何をおっしゃりたいのでしょうか？
私の強い願い？子供たちではなくて？
そんな願い思い当たらないのだけれど……。

「思い当たらない？そんなはずは無いのだけれど」

え？私の考えを読まれている？

「ああ、聞こえているよ」

聞こえている？……心の声が？

「そうだよ」

だとしたら、私の中の強い願いを知っておられるということ？私の強い願いは子供たちのことではないの？

「近いけれど少し違うよ」

近いけれど少し違う？………貴族の男たち……。

「正解、君と子供たちにとっては大した代償にはならないけれど……叶えてみるかい？」

私はいい！そんな事よりも子供たちに害はない？

「ないよ」

それなら……それなら……私の願いは

「子供たちは皆、父親が違います」

私は話し始めることにした、子供たちの命を救ってくれた【奇跡の魔女】を信じて……

「父親は貴族ですが、私は……」

そこまで云ったところで【奇跡の魔女】が制止した

「詳しいことは知っている、子供たちが知る必要の無いところも総て」

あっ、子供たち！私は子供たちの方を見た
私に大丈夫だと云ってくれた青年が子供たちを連れ、此方から離れたところで…【奇跡の魔女】を見ている。
相思相愛だと個人的には嬉しいわ…何となくだけど。

「それでは改めまして……私は子供たちの平穏を邪魔されたくありません」

私は【奇跡の魔女】を真剣な眼差しで見つめながら言葉を続けた。

「彼らは恐らく困ることになるでしょう……ですが、私もあの子たちも平民です！平穏に暮らせることが私の願い！こんな願いでも叶えてくれますか？」

私は【奇跡の魔女】に問いかけた

「勿論！子供たちとの平穏な生活を叶えることは造作もないよ、覚悟はいいかい？失ったものは二度とは戻らないのだけれど……」

最後の確認……本当に優しい方なのね

「子供たちに害が及ばぬのなら」

私は幾度となく言葉にする
子供たちに害が無いのなら、私には覚悟がある！
代償は私が支払います！子供たちを失わないのなら、私の覚悟は変わらない！