【完結】奇跡の魔女

蛇姫

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3章 地獄に堕ちても構わない

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「代償でリズとの思い出は消えるのか?」

「そんな酷い代償ではないよ」

「復讐なんだよ!」

「それでも、君にとっては大した代償にならないよ」

「何で分かる?」

「僕は願いに対する代償を事前に知っているからね」

俺は魔女の言葉を信じていいのか………リズとの思い出が消えないのなら、俺は………

「信じていいんだな?」

「勿論、奥さんとの思い出も、奥さんへの思いも、子供がお腹にいたことも、子供への思いも消えない」

「そこまで教えていいのかよ?」

「僕にとっては、君の【願いの結果】が総て」

「結果にしか興味がねぇのか?」

「無いよ」

俺は魔女の言葉に嘘は無いと直感的にそう思った。
怖いモンは怖い。けど、信じることにした。
結果が総てと語る魔女の恍惚とした表情が、嘘だってんなら全部が嘘ってことになる。
……ってか、本当に魔女なんだなぁ。
魔王が背後に控えてるから、何かすっごい可愛く見えるんだよなぁ。
何とか効果ってやつじゃねぇの?コレ……。

「なぁ、魔女さん」

「何かな?」

「どんな願いでもって云ったよな?」

「云ったね」

「生きたまま罪を償わせてぇってのも叶うか?」

「勿論♪出来るよ」

「俺の願いは、生きたまま罪を償わせることだ!」

「厳密には?」

「心の声が聞こえてんだろ!?」

「君の口から聞きたいんだ」

「何でだよ!」

「例え心で思っていても、行動に移さなければ何もしていないのと同じこと」

「だから何だよ!」

「言葉にしていないのなら、心で罵詈雑言を浴びせようと、変態じみた妄想を繰り広げていようと、総て個人の自由なんだ」

「は?」

「心で人を殺したとして、実際に殺したことになるのか……という話だよ」

俺は云っていることを理解するのに数分を要した。

「……つまり、俺自身が口にしてねぇことは、願いの内に入らねぇってことか?」

「そういうことだね」

「成る程な」

「それで?厳密には、どう償って欲しいのかな?」


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