【完結】奇跡の魔女

4章 ※アナタのために

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「確かに願いを叶えたよ、これは少し特殊な願いだから代償は後日もらいにいくよ。またね、お嬢さん」

「あ…あの！」

「何かな？」

「わ…私、ここに住んであげましょうか？」

「………何のために？」

「え？何のためにって、男の人二人だと何かと不便じゃないですか？」

「ノエル一人で十分すぎるくらいなんだ」

「で……でも！」

私は彼らの為に頑張って訴えた。
でも、私の体が光に包まれて彼らはいなくなってしまった。……絶対に私が必要だと思うのに。
そう思っても、あの場所への行き方は分からないし、またねって云っていたから……その時に彼らの為に私が住み込むことを再提案してあげようと決めた。
でも、何で私の願いが特殊なのか理解できなくて、そっちを聞いたほうが良かったのかな？


あっ！男の人と女の人が喧嘩してる！
私が止めてあげないと！
そう思った私は勇気を振り絞って声を掛けた。



「あ……あの！」

「何ですか？」

女の人が怖い顔で睨んでくる。
何で？私は勇気を振り絞って止めてあげようと思っただけなのに、酷い……涙が溢れて止まらない………。

「おい！彼女、泣いてるだろう？謝れよ！」

「私が悪いっていうの！？」

「そうじゃないだろう！？君の声に怯えたんじゃないのかって云ってるんだ！」

「ほら！私が悪いって云ってるじゃない！」

えっ……何で？何で喧嘩が酷くなってるの？
私は止めてあげようと思っただけなのに……。

「ごめんな、怖かったよな」

「わ……私が悪いの、だから……」

「いや、君は悪くない」

「…………何なの！？もういい！！」

「え！どこ行くんだよ！？」

「帰るのよ！アンタは其処の突然現れて、人の喧嘩に首突っ込んで、勝手に泣いてる女を慰めてれば！？」

「ち……ちが………待ってくれよ！！」

男の人は女の人を追いかけて行った。
仲直りが出来たのかな？
だったら良かった！
私、喧嘩を止めてあげられたんだ！
そう思うと凄く嬉しい気持ちになって、その日は凄くよく眠れた。

その後、あの二人が仲直りどころか悪化した挙げ句、別れ話にまで発展し、男が土下座して許してもらえたなんて事実を彼女が知ることはなかった……永遠に。