【完結】奇跡の魔女

4章 ※アナタのために

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私は皆に嫌われていても、皆を助ける努力をやめなかった。
いつかは皆も私は悪い人じゃないって分かるはず。
それに…やっぱりあの怖い女の人が悪女だと思う。
だから、その悪女に会えたときは嬉しかった。
隣にこの間の男の人もいたけど、悪女に洗脳されてるみたいだから、あの男の人を救ってあげるには悪女を倒さないといけない。
本当は倒すとか……怖くて好きじゃないし、恋人が悪女で自分は洗脳されてるなんて可哀想！

「あ………あの！」

私は勇気を振り絞って悪女に声をかけた。

「…………今度は何？」

やっぱり！怖い顔してるのは自分が悪女だって分かってるから！分かってないなんて嘘！

「やめてください！」

「………は？」

「私の悪口を広めてるのはアナタですよね！？」

「………何のこと？」

「分かってるんです！私のこと嫌いでも……悪口を云って回るなんて酷すぎます！」

私は必死に訴えた。
周りに人が集まってきたけど悪女の本性を暴くためだもん！
仕方ないよね！自業自得ってやつ！

「ねぇ……本気で云ってるの？」

「…………え？」

あ……あれ？反応がおかしい。だって…この女が悪女に決まってるのに……。
何で？何でそんな顔で見るの？
私は理由が分からなくなって涙が溢れた。

「うわっ！また泣いた！何だよコイツ！」

私が助けてあげようと思っていた男の人が酷いことを云ってる声が聞こえた。
酷すぎる！私は助けてあげようとしてたのに！
涙が止まらなくて、周りを見たのに誰も慰めてくれないのは何で？

「ど………して」

「はっ！お前がすぐ泣く女だってことは街中の人間が知ってんだよ！」

「やめなよ。流石に可哀想」

そんな話し声が耳に入ってきた。
そうだよ？私は可哀想なの！慰めてよ！

「泣くのやめなよ。すぐ泣く女は安く見られるよ？」

「！」

「ほら、涙拭いて？」

私は悪女が差し出したハンカチを叩き落とした。

「安い女って悪口ですよね！？皆さん聞きましたか！？これがこの女の本性なんです！！」

一生懸命に悪女の本性を周囲の人たちに訴えた。
なのに皆の視線は冷たくなっていくばかり。
何で？私が何したっていうの？
そう思って涙が溢れたときだった。
私の体が光に再び包まれたのは。