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25 男の娘というものは①
しおりを挟む無言で校舎に入り、二人は急いで家庭科部が使っている空き教室に向かった。
バンッと開けて急いで入って閉める。
「ぷはぁ~~~っ!何やってんだよっ!」
声を聞くと郁磨だった。ちゃんと低い声に安心する。
実はここに到着するまで半信半疑だった。化粧を取れば郁磨だろうという感覚はあったが、なにしろ仕草がいかにも女の子女の子していて、下駄箱で靴を脱ぐ姿なんか、しゃがんでスカートをお尻の方で抑えて、もう片方の手で脱いだローファーを踵を揃えて掴んで持ち上げる姿まで実に女の子だった。
制服ではなく白いワンピースを着ている所為もあるだろうが、通りすがりに男子生徒達が頬を染めてマジマジと郁磨を見ていた。
歩く姿も男のように大股では歩かない。
脳みそがバグを起こしそうだ。
「………郁磨、だよな?」
でも一応確認する。
「はぁ?当たり前だろ。誰だと思ってたんだよ。」
美少女のガラが悪い。
「……うん、だよな。」
和壱が疲れて返事をすると、バァンと扉が開いた。和壱はビクゥと驚くが、郁磨は平然と入ってきた人物に話しかけた。
「言われた通りやったぞ。」
「よろしい。」
横柄に返事をしたのは家庭科部部長だ。
「んで、彼女のフリをするのはわかるけど、動画撮ってたよな?」
郁磨は部長が植木に隠れて撮影していたのに気付いていた。
「あたしは動画ではなく写真だ。だがあのウインドブレーカーを脱いで肩に掛けてやるシーンは良かったな。」
そーかよと郁磨は呆れまじりに返事をする。ほら、と見せられたスマホの画面には、寄り添う和壱と郁磨や、ウインドブレーカーを肩にかける場面が撮られていた。
「あれだけ観客がいたから一ノ瀬が何を言っても信じる人間は減ると思うぞ。」
部長が和壱に向かって言うと、和壱も安心して椅子に座った。
「だといいけどな……。ブロックしてもしつこくてさ。いろんな手使って連絡しようとしてくるんだよ。彼女って言って他の人間に頼んだりして、頼まれたやつ怒るわけにもいかないしさ。」
「そんな困ってたんなら相談しろよ。」
郁磨は座った和壱の頭をポンポンと叩きながら言った。
その様子をニマニマしながら家庭科部部長は見ていた。
「いいっ!これもよしっ!」
突然叫んだ部長に、郁磨と和壱は何事だと部長を見た。
「恋に敗れた色男の行き着く先は美少女に扮した男の娘っ!」
「え、ちょっと、部長?待って。」
「応援するっ!この為に紫垣の失恋はあったんだなぁ~。」
「部長ってば。」
「任せろって!お望みのもの作ってやるっ!」
メジャー片手に部長は和壱のサイズを測りだした。和壱にはなんのことだか全くわからない。
「作ってくれるんならまぁいいや。」
「何が?」
郁磨が何を納得したのか分からず和壱は怪訝な顔をした。
部長はやっふぅーいっ!と帰って行った。
「……………。」
「……………。」
取り残された二人は無言になった。気を取り直して和壱は郁磨に尋ねた。
「なぁ、それが男の娘ってやつ?」
今着ている白のワンピースに見覚えがあった。聡生が郁磨に頼まれて描いたという絵に似ている。
絵の方はもっと袖や胸元にレースやフリルが付いていたが、無い状態だとこんな感じのワンピースだったばすだ。
「うん?まぁそうだな。」
「…ふぅーん。女物の服が好きなのか?」
郁磨はうーんと悩んだ。まだ和壱のウインドブレーカーを着ているが、大きすぎてズリッと肩が下がる。
なにやら目に毒だなと思いつつ、気になっていたので返事を待った。
「女物っていうか、可愛いのが好きかな?フワフワしたのとか甘いのとか。」
「最後のは食いものだな。」
「いーじゃん。」
「スカート好きなら自分で着るもん?」
男なら着ている女の子が好きなんじゃ無いかと思うのだが、郁磨は自分が着てしまっている。
「…………男の方が好きとか?」
郁磨の動きがピタリと止まる。そしてまたうーんと唸った。
「それが自分でもわかんね~。誰かを好きって思ったことねーもん。ただこう、可愛い服着ると嬉しいだけ。」
くるりと郁磨は回った。
和壱のウインドブレーカーと白いスカートがフワリと広がる。
「ぷぷぷ、お前のこれ、マントみて~。」
和壱のウインドブレーカーの裾を握って、フワフワと踊るように郁磨は回っている。
「……………よくわかんねーけど……。お前の男の娘。よく似合ってるよ。」
和壱は顔を隠して郁磨を褒めた。
自分のウインドブレーカーを着て、そんな楽しそうにしないで欲しい。自分の体温が上がるのを感じる。
「そうか?あ、和壱の衣装も頼んだからな。」
和壱はガバッと顔を上げた。
「はぁ?」
まさかこの前言っていたやつか。本気だったのか?
「身長は止まってるよな?ちなみに僕はこの半年間で一ミリも伸びてない。」
唇を尖らせて尋ねてくるものだから、柔らかく尖った桃色の唇に視線が吸い寄せられる。
「口っ!口尖らせるな!」
「なんだよ~。そうだっ、和壱のは既製のスーツ使うって言ってたから、春休みには作れるかもって言ってた。僕のコレはあとレースとフリルつけて完成らしい。」
今日はサイズ合わせの為に試着していた。
「スーツ……。男物だよな?普通のスーツだよな?」
「ウンウンふつー。」
適当な返事を返しながら、さて脱ぐかーと郁磨はまた和壱の前で服を脱ぎ出す。
「後ろのホック下ろして。」
ウインドブレーカーを脱ぐと、クルッと回って和壱に背中のホックを下すよう頼んできた。
え……、と躊躇いつつ和壱はホックを下す。微妙に緊張する。
中には白のTシャツを着ていたが、ワンピース姿が印象に残っていて目のやり場に困ってしまった。
和壱よりも小さな背中は同じ男なのに頼りない。
「お前……、ちっさいな。」
「よけーなお世話ですぅ~。」
何だよっと上目遣いに見上げる郁磨の目が見れない。
「帰るから早く着替えろよ。」
「へいへーい。」
パサパサと着替える音が静かな教室に響くが、和壱は外を眺めていた。
「着替えたぞ~。」
そう言いながら郁磨は顔を拭いて化粧を落としていた。洗顔する時間がなくなったと文句を言っている。
「……ん。」
返事をしながら和壱は郁磨をチラリと見た。和壱の視線には気付いていない。
郁磨はちゃんと男子生徒の制服を着ているのに、それでもまだ真っ直ぐ見ることが出来ずに、和壱は自分の口を手で覆って俯いた。
三学期は家庭科部に呼び出されては試着を繰り返し、春休みで仕上げてくると部長は宣言した。
じゃあ新しいコスメを買いたいという郁磨に、和壱は一緒に出掛けようと声を掛けた。
「別にここで買わなくてもいいんだけど?」
「折角だから遊ぼう。」
和壱の最寄駅と郁磨の最寄駅の中間にある、ここら辺で一番大きな商業施設が併設された駅だ。
以前も来たが、その時は郁磨の元同級生達四人に邪魔されて、郁磨が少し元気をなくした。
あれから機会があったら誘おうと和壱は考えていた。
「いや、僕のプチプラは百均だよ?どこででも買えるのにさ。まぁいいや、何して遊ぶ?」
「何でもいいよ。ゲーセンでも、映画でも、カラオケでも。先にコスメ買っとく?」
「そうしよ~。」
二人で百均に向かいながら、和壱は郁磨の今日の服装を見た。ここの駅で待ち合わせ、先に到着する様に着いて待っていたのだが、着いたとメッセージを入れて近付いてきた郁磨を見つけて、食い入るように見てしまった。
オーバーサイズのカットソーに紺色のショートパンツ姿だった。だいぶん伸びてきた髪は後ろでポニーテールにして、今日は化粧をしているようだ。
白のワンピース姿の時は柔らかい印象だったが、今日は動きやすい服装だからか、目尻が上がる子猫のような化粧をしている。
通り過ぎる男性が数人、郁磨をチラチラと見ていたことから、完全に女性として見られているのだろう。
これが男の娘………!
妙に感心してしまった。
まず百均に入って郁磨はコスメの棚に向かい物色していく。
「何で今日はその格好?」
前は普通だった。
「え……、だって化粧品買うのに男の格好じゃ恥ずかしいし……。」
言いにくそうにボソボソと言う姿は可愛かった。
春から初夏用なのだと言って、明るいパステルカラーの暖色系を選んでいる。寒色系は好みではないらしい。基本は可愛い色だ。
いくつか買い込み精算を済ませる。
「それくらいでいいのか?」
「うん、普段は学校だから使わないし、基礎化粧はするけどメイクは特別な日だけするやつだからな。」
「特別な日………。」
つまり今日は特別な日?
なんだかフワフワとしてしまう。元カノ達とのデートでもここまで浮ついたことはない。
今日の郁磨が男の娘だから?可愛い格好をしているから?
だが郁磨は少し前から和壱の中で特別になっている。聡生に告白して振られた日、あの日からなんとなく郁磨と一緒にいる。
そして一緒にいる時間が長くなると、郁磨の性格や行動、考え方も知るようになった。
自分勝手なようでどこか優しい郁磨。
アニメが好きで、男の娘になるのが好きで、可愛いものが好きで……。
そんな自分に自信があるようで、人からの否定には怯えている。
だから仲のいい人間も同じ趣味を持ち共感できる人間しか作っていないように見えた。
じゃあ、自分は?
同じ趣味は持っていない。共通点も少ない。それでも一緒にいるのは何故なんだろう?
菫に男の娘姿の郁磨を恋人だと偽り、それを見た目撃者は和壱に新しい彼女が出来たのだと噂した。
現在和壱には謎の彼女がいることになっている。
その噂に郁磨は黙って付き合ってくれていた。
郁磨は俺の友達だろうか?
今日もバーガーを食べに来た。
去年郁磨が美味しいと感激していたのを和壱は覚えていたらしく、パスタや定食もあるけどどうする?と聞いてきたので、前と一緒がいいと返事をすると連れて来てくれた。
駅で待ち合わせをしたが、和壱は先に着いて待ってくれていた。
紫垣和壱はどこにいても目立つ。柱に寄り掛かりスマホを弄っているだけの姿なのに、女の子達の話し声でいる方向がなんとなくわかるくらいだ。
今日はコスメを買うので女の子よりの格好で来た。ショートパンツに体型隠しで大きめのカットソー。白のスニーカーと男の子でも女の子でもOKという服装だけど、薄く化粧をしてきた。
和壱と私服でお出かけするのなら余計に力が入る。
なにせ誰もが振り向くイケメンだ。そんな男が自分の横を歩いていると考えただけで緊張する。
花籠井高校に入って一年生の時は、聡生を中心に千々石と和壱と郁磨四人でグループを作って共に行動はしてても、郁磨は傍観者として三人を観察していただけだった。
自分には関係ない。
千々石が誰よりも頭のいい人間でも、和壱が飛び抜けたイケメンでも、そんな二人にお姫様のように囲まれている聡生が目の前にいても、あくまで他人事。関係ない。自分は見ているだけ。それを見て楽しんでいる傍観者。
だけど和壱が千々石に敗れて聡生から離れた時、何故だが和壱は郁磨と動くようになった。
よく喋るし、一緒に出かけるし、お昼ご飯も食べる。最初は聡生に掛けていた時間が余って、側にいて失恋について知っている郁磨と付き合いやすいから一緒にいるのだろうと思っていた。
紫垣和壱という男は兎に角モテるから、そのうちまた彼女を作ってそっちに行くだろうと思っていた。もしかしたら、彼女じゃなくて、彼氏かも!なんて心の中で一人妄想に耽って楽しんでいた。
だけど和壱は今でも郁磨の側にいる。
今日なんて完全に郁磨の買い物一つなのに出て来て遊ぼうと言っている。
自分がチビでキモイオタクだと言われているのを郁磨は知っているけど、和壱は郁磨が何を言っても何をしてても合わせてくれている。
こんな自分に優しい。
そんな風に優しくされたら、ついつい頑張ってしまう。今日は悩んで悩んで服とメイクを決めてきた。
誰もが振り向くイケメンの隣にいてもいいように。
笑われないように。
郁磨は今日も窓際のカウンターに座っていた。高い丸椅子の上に座り、地面に届かない足をプラプラとさせていた。
和壱は期間限定バーガーを頼んでくると言って注文しに行ってくれている。
さすがイケメン。モテる男は違う。いや、こんなことをさりげなくやってくれるからモテるのか。タラシだタラシ。
「あれ?郁磨?」
ギクリと知った声に背中が強張る。
振り返るとまたここで見知った顔に会った。
「またお前かよ…。」
同中の元同級生が郁磨の後ろに立っていた。
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