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第118話 逃げ――――られると思ってるんですかぁ?
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気付いた時には、もう手遅れだった。
紅色の二本の触手が私に巻き付き、軽々持ち上げてぐるぐるに締めた。何とか逃れようと身体を解くも、解け切る前に一対の大きな大きな柔らかさを押し付けられ、一部を固くさせられて思いっきり掴まれる。
乱暴で力ずくで、痛みが強いがそれだけではない。
根元をキュッと締めて圧迫し、首輪より確実な拘束を私に課している。太腿から足先にかけて稲妻の往復が秒間隔で走り、あまりの辛さから頬に一筋ツイッと伝った。
いきなり現れて何するの、この娘達はっ!?
「ナ、ナレア!? ディユー!?」
「はぁい、しなずちちゃん。大体半年ぶりかな?」
「ユウェイレ王国の統治引き継ぎが出来たのでぇ~、匂いを辿って来ちゃいましたぁ~。ナヴァ達は別ルートで社に向かってますからぁ~、先に私達に食べられちゃいましょうねぇ~」
「ちょっ、ちょっと待って! 身体から生えてるそれ何っ!? いや、わかるけど、何で生えてるの!?」
「ちょっと前から生えたの。良いでしょ?」
どたぷんにどたぷんを足したどたぷんを、二人は背中から生えた十六本の触手で巻いて絞って持ち上げて盛り上げる。
キツキツのピッチピチに締め上げられた豊満は、羽衣の上からでも大きさと張りと柔らかさが視覚でわかった。これぞ触手、これぞ緊縛、これぞ人外が作り出す女体の美。惜しむらくはそれが私の手によるものではなく、しかも自由に貪れる状況にない事だった。
彼女達は私のモノだ。
病魔に蝕まれた家族を救う為、自らを差し出した若き美貌達。瑞々しさと熟れが両方備わる絶妙な年頃は、何度味わっても飽きを感じさせない素晴らしい逸材と評価している。
お姉さん気質のナレアは、長いブロンドの髪を身体に纏わせて誘い、手や首を絞められながら組み敷かれるのが大好き。
精神より身体の方が先に育ったディユーは、短く切りそろえた青髪を乱暴に掴まれ、ベッドに押し付けられながら後ろから乱暴されるのが大好き。
どうしようもない程に、二人は受け気質なのだ。先に寝所で準備していて、私が来るのを待っている。シムカと並べて貪った夜は朝方になっても収まらず、嫉妬したヴィラに跨られて搾られるまでが日常的なワンセットだった。
なのに、今の彼女達は何だ?
その、獲物を狙う獣の様な瞳は何なのだ?
「お、おろして……?」
「だ~めぇ~」
「アシィナちゃん。この辺に半年くらい篭れる宿はない? ユウェイレにしなずちちゃんが来なくなってお預けされて、もう我慢の限界なの。月に一度は注ぎに来るって約束したのに、勝手に破られて凄く傷付いちゃったのよ?」
「ナレア。一応私の方が千は年上なんだから、『ちゃん』付けはやめてって言ってるじゃない…………」
「アシィナちゃんは可愛いからちゃんで良いの」
「勘弁してよ……」
最大の天敵を前に、流石のアシィナも座り込んで顔を覆った。
最古参の巫女であるシムカ、ナレア、ディユー、ネスエル。この四人の内、アシィナはナレアにだけ頭が上がらない。
侵攻初期の頃、新薬開発の為にかなりの額を使い込んだ事がばれて、当時財政担当だった彼女にこっぴどく仕置きされた。殆ど服として機能しない紐を着せられて奴隷市を連れ回され、私が捕えなければあわやという所まで陥りかけたのだ。
その時のトラウマは根強く残り、アシィナから反抗の意志を根こそぎ除いた。
非常に助かりもして、しかし、今は途轍もなく拙く拙い。
今のナレアとディユーの暴走を止められるのはアシィナしかいないのに、相性的に最悪の最悪の最悪の最悪。このままではシムナとアンジェラが来る前に相当量を搾り取られ、合流した後は更にもっと枯れるほど呑み干されてしまう。
何か手はないかと、私は縋る思いで樹に吊るされたケイズを見た。
(満足させてやれば良いんじゃないか?)
(アンタ、本当に賢神かよ?)
(神喰いは神と尖兵の天敵だ。神から力を授けられて成る尖兵に対して、神を喰らって力を奪い、成る。尖兵であり神喰いというケースは初めて見るが、神の味を求める本質は変わらないだろう)
(それって、食欲的に?)
(さぁな? 尖兵でもあるから、十分に注げば満足するんじゃないか? 約束を破ったお前が悪いんだから精々頑張れ)
(畜生がっ)
知識以外は何の役にも立たないな、この駄神。
要は、神を食べる事で生まれる神の捕食者が神喰いで、私の血肉を大量に摂取していた彼女達が私の神化に合わせて成ってしまった、と。
シムカとネスエルが成っていない理由はわからないが、いずれ成る可能性はある。今の内に彼女達の生態を調べ、もし成った時にどうなるか探っておいた方が良い。
…………ドMの二人がここまでになるあたり、精神面への影響は強そうだな……。
「仕方ない。マタタキ、ナレアとディユーを時忘れの牢獄に引きずり込め」
「あ~ぅ~?」
私の胸から長い黒髪の美女がずるりと這い出し、私を巻く触手を掴んで引きずり込む。
捕食者の上位思考に浸っていたのか、ナレア達の抵抗はかなり遅れた。滝つぼに呑まれる小枝のようにするっと呑まれ、拘束されていた私の身体は解放される。
地に足を着き、座り込んだアシィナの頭を撫でる。
「アシィナも来て。医学的な見地から神喰いを見定めて欲しい」
「えぇ~とぉ~……ナレアが満足してからで良いんじゃないかなぁ~って――――」
「だぁ~めぇ~」
往生際の悪い娘の足を掴み、無理矢理私の胸中に引き入れる。
ゆっくりゆっくりじっくり呑み、絶望を孕んだ悲痛な叫びが樹海を木霊した。彼女は普段やりたい放題だから、仕置きを兼ねてたっぷりじゅっぽりぐちゃぐちゃに可愛がろう。
たまには時間を忘れて、思う存分。
「何秒か場を離れます」
「これを解いてから行け」
「ルール違反の代償がまだなのでダメです。戻ったらまたオハナシしましょうか。最低でも、アシィナと私の仲は認めてもらいますから覚悟していてください」
「ソウの奴が気に入るわけだよ、クソが」
精一杯の侮蔑に笑顔を返し、私は私の中にあるマタタキの封印に意識を注ぐ。
ガワを残して、残りは全部内側に。夢から夢に移る感覚で、先に行った巫女達を追う。
…………何年くらいしようかな?
紅色の二本の触手が私に巻き付き、軽々持ち上げてぐるぐるに締めた。何とか逃れようと身体を解くも、解け切る前に一対の大きな大きな柔らかさを押し付けられ、一部を固くさせられて思いっきり掴まれる。
乱暴で力ずくで、痛みが強いがそれだけではない。
根元をキュッと締めて圧迫し、首輪より確実な拘束を私に課している。太腿から足先にかけて稲妻の往復が秒間隔で走り、あまりの辛さから頬に一筋ツイッと伝った。
いきなり現れて何するの、この娘達はっ!?
「ナ、ナレア!? ディユー!?」
「はぁい、しなずちちゃん。大体半年ぶりかな?」
「ユウェイレ王国の統治引き継ぎが出来たのでぇ~、匂いを辿って来ちゃいましたぁ~。ナヴァ達は別ルートで社に向かってますからぁ~、先に私達に食べられちゃいましょうねぇ~」
「ちょっ、ちょっと待って! 身体から生えてるそれ何っ!? いや、わかるけど、何で生えてるの!?」
「ちょっと前から生えたの。良いでしょ?」
どたぷんにどたぷんを足したどたぷんを、二人は背中から生えた十六本の触手で巻いて絞って持ち上げて盛り上げる。
キツキツのピッチピチに締め上げられた豊満は、羽衣の上からでも大きさと張りと柔らかさが視覚でわかった。これぞ触手、これぞ緊縛、これぞ人外が作り出す女体の美。惜しむらくはそれが私の手によるものではなく、しかも自由に貪れる状況にない事だった。
彼女達は私のモノだ。
病魔に蝕まれた家族を救う為、自らを差し出した若き美貌達。瑞々しさと熟れが両方備わる絶妙な年頃は、何度味わっても飽きを感じさせない素晴らしい逸材と評価している。
お姉さん気質のナレアは、長いブロンドの髪を身体に纏わせて誘い、手や首を絞められながら組み敷かれるのが大好き。
精神より身体の方が先に育ったディユーは、短く切りそろえた青髪を乱暴に掴まれ、ベッドに押し付けられながら後ろから乱暴されるのが大好き。
どうしようもない程に、二人は受け気質なのだ。先に寝所で準備していて、私が来るのを待っている。シムカと並べて貪った夜は朝方になっても収まらず、嫉妬したヴィラに跨られて搾られるまでが日常的なワンセットだった。
なのに、今の彼女達は何だ?
その、獲物を狙う獣の様な瞳は何なのだ?
「お、おろして……?」
「だ~めぇ~」
「アシィナちゃん。この辺に半年くらい篭れる宿はない? ユウェイレにしなずちちゃんが来なくなってお預けされて、もう我慢の限界なの。月に一度は注ぎに来るって約束したのに、勝手に破られて凄く傷付いちゃったのよ?」
「ナレア。一応私の方が千は年上なんだから、『ちゃん』付けはやめてって言ってるじゃない…………」
「アシィナちゃんは可愛いからちゃんで良いの」
「勘弁してよ……」
最大の天敵を前に、流石のアシィナも座り込んで顔を覆った。
最古参の巫女であるシムカ、ナレア、ディユー、ネスエル。この四人の内、アシィナはナレアにだけ頭が上がらない。
侵攻初期の頃、新薬開発の為にかなりの額を使い込んだ事がばれて、当時財政担当だった彼女にこっぴどく仕置きされた。殆ど服として機能しない紐を着せられて奴隷市を連れ回され、私が捕えなければあわやという所まで陥りかけたのだ。
その時のトラウマは根強く残り、アシィナから反抗の意志を根こそぎ除いた。
非常に助かりもして、しかし、今は途轍もなく拙く拙い。
今のナレアとディユーの暴走を止められるのはアシィナしかいないのに、相性的に最悪の最悪の最悪の最悪。このままではシムナとアンジェラが来る前に相当量を搾り取られ、合流した後は更にもっと枯れるほど呑み干されてしまう。
何か手はないかと、私は縋る思いで樹に吊るされたケイズを見た。
(満足させてやれば良いんじゃないか?)
(アンタ、本当に賢神かよ?)
(神喰いは神と尖兵の天敵だ。神から力を授けられて成る尖兵に対して、神を喰らって力を奪い、成る。尖兵であり神喰いというケースは初めて見るが、神の味を求める本質は変わらないだろう)
(それって、食欲的に?)
(さぁな? 尖兵でもあるから、十分に注げば満足するんじゃないか? 約束を破ったお前が悪いんだから精々頑張れ)
(畜生がっ)
知識以外は何の役にも立たないな、この駄神。
要は、神を食べる事で生まれる神の捕食者が神喰いで、私の血肉を大量に摂取していた彼女達が私の神化に合わせて成ってしまった、と。
シムカとネスエルが成っていない理由はわからないが、いずれ成る可能性はある。今の内に彼女達の生態を調べ、もし成った時にどうなるか探っておいた方が良い。
…………ドMの二人がここまでになるあたり、精神面への影響は強そうだな……。
「仕方ない。マタタキ、ナレアとディユーを時忘れの牢獄に引きずり込め」
「あ~ぅ~?」
私の胸から長い黒髪の美女がずるりと這い出し、私を巻く触手を掴んで引きずり込む。
捕食者の上位思考に浸っていたのか、ナレア達の抵抗はかなり遅れた。滝つぼに呑まれる小枝のようにするっと呑まれ、拘束されていた私の身体は解放される。
地に足を着き、座り込んだアシィナの頭を撫でる。
「アシィナも来て。医学的な見地から神喰いを見定めて欲しい」
「えぇ~とぉ~……ナレアが満足してからで良いんじゃないかなぁ~って――――」
「だぁ~めぇ~」
往生際の悪い娘の足を掴み、無理矢理私の胸中に引き入れる。
ゆっくりゆっくりじっくり呑み、絶望を孕んだ悲痛な叫びが樹海を木霊した。彼女は普段やりたい放題だから、仕置きを兼ねてたっぷりじゅっぽりぐちゃぐちゃに可愛がろう。
たまには時間を忘れて、思う存分。
「何秒か場を離れます」
「これを解いてから行け」
「ルール違反の代償がまだなのでダメです。戻ったらまたオハナシしましょうか。最低でも、アシィナと私の仲は認めてもらいますから覚悟していてください」
「ソウの奴が気に入るわけだよ、クソが」
精一杯の侮蔑に笑顔を返し、私は私の中にあるマタタキの封印に意識を注ぐ。
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