私たちは、夢を叶えないまま死んだらしい

あおなゆみ

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コンテンポラリーダンスの男

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 私が該当するタイミングでわざわざ、中学の体育の授業にダンスが加わっていた。
最悪だった。
人前で踊るなんて、考えられない・・・


 明るい人間になりたかった。
クラスメイトと仲良くして、ふざけ合ったり、恋バナをしたり。
でも、そんな理想に全く近づけないまま、中学生のまま、高校デビューという選択もできないまま、私は死んでしまったらしい。

「あなたの努力は認めまられました。さあ、あなたは、誰の見る世界が見たいですか?」

案内人的な役割を果たしているという、その男は、少し焦っているように思えた。

優柔不断な私は、重要な決断を迫られ困ってしまう。

「どうしよう・・・」

私の努力が認められたのは意外だった。
確かに、自分から同級生に声を掛けようという気持ちはあった。
でも、実際声を掛けたのは、本当の最初の頃だけ。
そういう気持ちを持ってただけでも努力と言えるのだろうか。

「あの・・・悩んでるところ申し訳ないのですが。あなたの努力は確かに認められたのですが・・・ただ、時間がありません。努力が他の認められた人に比べると不足しています」

「そうでしょうね・・・私は逃げてばっかりだったので」

 そう。
私は逃げてばっかりだった。
暗い人間のまま結局、学校にも行かなくなって・・・

「もしかして、私、自ら命を・・・」

案内人は驚いた顔で私を見る。

「あなたは、自分がどうして死んでしまったのかを知りたいという感情が今、ありますか?」

「知りたいというか・・・きっとそうだろうなと思っただけです」

「そうですか・・・本来、ここに来たら、すぐに最後の体験に向かえるように、そういう感情は失われているはずなんです。だから、驚いてしまって。すみません」

「いいえ。じゃあ、どうして死んだのかは知ることができないんですね」

「ええ・・・それでも、あなたにはチャンスが与えられました。最後のチャンスです」

「最後・・・」

「はい。また急かすようですが、急いで決めて下さい」

 今パッと思いつける人の中に、その人の見る世界をみたいと思える人がいるだろうか。
私には夢があっただろうか・・・

「もし、ある人の見る世界が見たいとして・・・その人の名前も、年齢も、詳しく知らなくても、それでも可能なんですか?」

「はい。可能です」

「一回しか会ったことのない人です」

「大丈夫ですよ。その人にしますか?」

「まだ迷いたい気もするけど、時間がないんですよね?」

「はい。申し訳ありません」

「いいえ。私の努力が足りなかったからです。じゃあ、決めました」

「では、目を閉じて、その人と出会った時のことを思い出して下さい」

「はい」


 私がその男を見たのは、デパートだった。
外に出ない私を、母親が無理やり外に引っ張り出して、買い物に付き合わせた日。
私は、同級生に会ってしまわないか不安で、キャップを深く被り、俯き気味に歩いていた。
 母親が父親の誕生日プレゼント選びに夢中になっている時、こっそりと逃げ出した。
別に、デパートから出て家に帰ろうとしたわけでもなく、どこか目立たない場所で、座って待てる所があればそこで待っていようと思っただけだった。

 デパートの一階の、入り口から入ってすぐの開けた場所。
何かイベントがあれば使えるような小さなステージ。
その上で踊っている男がいた。
それが何というダンスなのかは分からなかったけれど、自由で、規則性のない、感情的で、優雅なその踊りに魅せられる。
上下白の、一見ワンピースのように見える、身体のシルエットが分からないようなサイズ感の衣装で、その男はターンしたり、飛び跳ねたりして、風に舞うようだった。
吸い込まれるように近づいていった私は、夢中でその姿を眺めた。
うっかり眺めてしまっていたのは、恐らく私だけではなかったはずだ。
音楽が流れている訳でもないのに、そこにはその男だけの世界が確立されていた。
 20代半ばくらいだろうか。
整った顔をしたその男は、そうやって少しの間踊り続けた。
デパートの従業員以外、いや、もしかすると従業員でさえ何かのイベントのダンサーだと勘違いしてしまうほどに、華麗に舞った。

 この時の私が思い出していたのは、体育のダンスの授業だった。
私は、体育の授業が嫌いだった。
単純に体を動かすのが苦手なのと、ペアになったり、チームになったり、そういうのも嫌で仕方がなかった。
その中でも、ダンスなんて・・・ダンスを披露するなんて最悪過ぎた。
せめてもの救いは、グループを先生がランダムで決めるということだったが、その救いはすぐに砕かれる。
組まれたグループには、イケイケの女子が3人もいたからだった。
授業だし、成績にも関わるから、その女子たちはしっかりダンスを教えてはくれたが、私があまりにも出来ないせいで、ため息という名の悪態が溢れ返った。
家でも自分で一生懸命練習していたものの、それで成長したとは言えなかった。
結局私は、それだけが理由でないにしても、それをきっかけに学校に行かなくなり、この時に至る。

 自由に舞うその男は、私にとって凄い人で、羨ましかった。
まさに羨望の眼差しで見つめていると、警備員が数人やって来て、男を取り囲んだ。
男はすぐに踊るのをやめて、

「本当にすみませんでした」

と言い、警備員たちを避け、ステージの端に置いたリュックを取り、走って逃げて行った。
警備員たちが唖然としてしまうほどの、スピード感と脚力だった。

 私は夢で見たような、進みたくても進めない、あのもどかしい足運びで、その男を追いかけた。
自分がどうしてそうしたのかは説明ができないけれど、そうしたかった。
 警備員たちは私より何倍も速く、その男を追い掛けたはずだったが、すぐに諦めたのか、遅れを取り追い掛けていた私の横を通り過ぎ、デパートの方に戻っていった。
この人たちさえいないのなら、私はあの男に会える気がすると思った。
そうして、男を探し続けた。

 案の定、しばらく進んだ所にある大きな公園で、男を発見した。
いくつかあるうちの一番小さくて、周りに人のいない噴水の前のベンチに座っていた。
さっきより目立たなかったのは、白い衣装の上に黒いパーカーを羽織っていたからだろう。

「あの・・・」

私は躊躇う素振りを見せながらも、どこか積極的にその男に声を掛けた。
男は怯えるように、ゆっくりと私の方を見て

「僕ですか?」

と、一応確認してきた。

「はい、そうです」

「何でしょうか・・・」

私はどっからどう見ても、男を捕まえにきた類ではないし、明らかに未成年だったし、男は多少、警戒を解いたように思えた。

「さっきの踊りは、自分で考えたんですか?」

どのポイントでそうなったのかはわからなかったけれど、男の顔は仄かに赤くなった。
私に踊りを見られていたという点だろうか。

「ええ、まあ、はい」

「名前はあるんですか?あの踊りの名前」

「コンテンポラリーダンスですかね。まあ、実は僕もよく分かってないんですけど」

「そうですか・・・」

「はい・・・」

コンテンポラリーダンスという名前を忘れないように、頭の中で何度も繰り返す。

「あの・・・」

私が何も言わないから、男の方から声を掛けてきた。

「はい」

「僕のこと、追い掛けて来ましたか?」

「はい。すみません」

「いや、謝らなくていいんですけど・・・」

男は困っていた。
ここを去りたいのだろうが、話し掛けられた以上去れない、といった雰囲気で。

「私、感動しました。あなたの踊りに、物凄く」

男は一度、分かりやすく目を大きく開いて驚いた。
次の瞬きと同時に、元の目の開け方に戻ると、今度はわざとらしく咳払いをした。

「ありがとう・・・」

あまり感謝しているようには見えないものの、その男が驚いていることだけは伝わってきた。

「どうやったら、あんな風に、自由に、人前で踊れるんですか?」

「自由そうに見えましたか?」

「はい。とても」

「そうですか」

男は複雑な表情になった。
 しばらく学校に行かなくなってから急に、制服を着て学校に行くフリをした朝。
その朝に見た、何とも言えない、母親の表情を思い出した。
不安の影に喜びが混ざったような、あの表情。
学校に行くフリをして図書館に行ったその日は結局、当然だが、学校に行かなかったことはバレてしまった。
心配する母親を安心させようとして取った行動だった気もするし、可哀想だと思われる自分が嫌で取った行動だったような気もする。


「実は今日、初めて人前で踊ったんです」

少し俯き気味に、男は言った。

「えっ、そうなんですか?」

「はい。今、どうしてデパートで?とか、色々思ってますよね・・・」

「そうですね。でも一番は、今日が初めてっていうのに驚いてます」

「僕は・・・僕のステージは、6畳の部屋の中の鏡の前だけでした。自分が踊り手で、自分が観客」

部屋の鏡の前で一人、授業の為に、人間関係の為に、必死にダンスの練習をしていた自分を思い浮かべた。
そして、目の前の男が、私と同じようにする姿を想像した。
部屋のサイズと鏡の前というのが同じなだけで、他は違い過ぎた。

「僕みたいに、デパートで勝手に踊ったらダメだからね」

男は急に私を子供扱いしてきた。
確かに子供なのだから、気分を害されるまではいかなかったけれど、

「それくらい分かってます」

と、ビシッと答えた。

「だよねー」

男は気まずそうに笑う。
その笑顔は物凄く、下手くそだった。

「どうして、デパートで?でも、足速くて良かったです。警備員の人たち、諦めてました。ってことは、あなたが警備員になれば、きっと優秀ですね」

「君は、面白いね。なんだか、久しぶりに笑った気がするよ」

「どうりで、笑顔がぎこちないんですね・・・」

「笑顔にも、慣れが必要みたいだ・・・」

私は男に近づいて、

「座ってもいいですか?」

と聞いた。
男は周囲を見渡してから、

「少しなら、いいですよ」

と言った。

「それで、どうしてデパートで?」

座ってすぐに、質問する私に、男はまた、ぎこちない笑顔を見せた。

「一番、怒られないかな?と思って・・・」

「えっ?デパートがですか?」

「はい。この発想自体がおかしいってのは分かってるんですけど。自分の部屋だけで踊ってた男にとっては、ステージを見つけるのはハードルが高くてさ。こういう公園で踊ってみようとも思ったけど、遊んでる子供とか、見守るお母さんのことを考えると、子供の変なトラウマになるのも嫌だし。公園嫌いになっても可哀想だから。かといって、ダンススクールとかに行って、ダンス経験のある人に見せることも・・・何を言われるか怖くてできないし・・・路上ライブ的なのも考えたけど、酔っ払いのおじさんとかにヤジ飛ばされそうでそれも怖いし・・・」

「怖がりなんですね。あと、一応気遣いな部分もあるんですね」

「そんなんじゃないよ。デパートなら、怒られるにしても上品な感じで怒ってくれるかな・・・みたいな。デパートって格式ありそうだなって思ったんだ」

「なんか、古いイメージの気もするし、間違ってる気もしますけど・・・」

「僕は、自分の為に踊るだけじゃ、苦しくて。それなのに、何も行動に移せなかったんだ・・・こんな大人にならないようにね」

また、子供扱い。

「私は、あなたの踊りを見て、羨ましかったです。あんな風に、自由になりたいと思いました。もちろん、勝手に踊るのはダメだけど。でも、私は追い掛けて来てまで、あなたに何かしら・・・伝えたいって思ったんだと思います」

「ありがとうね。本当に・・・」

お礼を言う男の目には、あまりにも切実なものがあった。


 そこまで過去を振り返っていると、

「着きましたよ」

と案内人の声がした。

「さあ、目を開けて下さい」

「もう、あの男の人のところにいるんですか?」

「はい。いますよ」

緊張してしまう。
あの人は、踊りを続けているのだろうか。
それとも、また、自分の為だけに踊る人に戻ってしまっているのだろうか。

 私はそっと目を開ける直前に、なんとなく生ゴミ臭さを感じた。
そこは、ゴミ袋だらけの、薄暗い場所だった。
ああ、あの男の人はこんな所で一体何をしているのだろう。
私は、明るくて綺麗なダンススタジオなんかを想像していたのに・・・

 私の普段より30センチくらいは高い位置から、ゴミ袋を見下ろしている。
そういえばあの人は、デパートのステージで見た時も、踊りが映えるようなスタイルだったなと思い出す。
きっと足の長さも、足が速い理由の一つだったんだろうな・・・
そうやって呑気に考えてたら、臭いが少しマシになった。
いわゆる、“慣れ”だろう。
 ゴミ袋を見下ろした時、男の両足が見えた。
普通に立っているのではなくて、足をクロスさせるようにしていた。
この足のポーズは・・・
 すると突然、視界が揺れた。
男の目から見ている世界が、激しく動く。
少しして、気づいた。
男は高く飛び、踊っているのだ。
私は、これが踊り手が見る景色なのだと知る。
楽しい、と感じた。
高く飛び、クルッと回り、両手を広げたり、両足を広げて飛んだり。
今、観客はゴミの山で、この薄い暗闇が、最大限の照明だ。

「何やってるの」

低く叱るような、女の人の声が響く。
振り向くと、よくスーパーで見る、精肉コーナーの人の格好をした、おばさんが立っていた。
それを見て、ここは、スーパーのゴミ捨て場なのだと気づく。

「こんなとこで踊って。ダンサーなのかい?」

おばさんは元からそういう喋り方なのかも知れないが、決して機嫌が良いとは言えない声の出し方をした。

「ええと・・・」

そこでようやく、久しぶりに男の声を聞くことができた。
自分が発しているみたいに、近くで聞こえる。

「喋れないのかい?踊れるけど、喋れないの?」

おばさんは、ゴミ捨て場で踊る若い男に、呆れている。

「全く、困ったもんだい」

ため息をついて、おばさんが背を向けようとした時。

「ダンサーを目指してます!」

男の声が、ゴミ捨て場いっぱいに響いた。

「今のは、バレエです。でも目標は、コンテンポラリーダンスで、沢山の人に自由を表現することです」

男は、あの日の男が嘘だったかのように、ハキハキとそう言った。
それを聞いて、おばさんは呆れたように笑う。
でも、さっきまでの呆れとは違う、気の抜けた呆れだった。

「コンテンポ?なんか知らないけど、ダンサー目指しながら、スーパーでバイト頑張ってるってことかい。他でも働いてるって噂聞いたけど・・・まあ、私はダンスのことよく分かんないけど、そんだけ堂々と宣言できるなら、それはきっと強いね」

「ありがとうございます」

「別に褒めてはないけど。ほら、サボらないで働くよ」

「はい!」

今のこの男の笑顔が見たい、と思った。
どんなに良い笑顔をしているのだろうか、と。


「もう、時間です。最後に彼に伝えたいことはありますか?」

案内人の声が届く。

「えっ、もう終わりですか」

声にはなっていないことが分かりながらも、私は心の中で案内人に問いかけた。

「はい、残念ながら・・・」

「そうですか・・・」

男が踊っている時の感覚を知ることができた。
それだけでも、良かったと思うしかない。
与えらた短い時間の中で、場所は微妙だったにしても、タイミングはきっと良かったはずだ。

「特別に、あなたに一つ教えましょう。彼が、ここまで前向きになれた理由を」

案内人は、もしこんな教師がいたら、授業をちゃんと聞きたくなりそうだと思わせるような、魅力的な間合いで言った。

「それは、あなたです。あの日、あなたに出会ったお陰で、彼は変わりました。あなたの存在は、彼の中で永遠に生き続けるでしょう」

「私ですか?永遠に?」

「はい」

苦しくなる。
誰かの為になれていたという自分にも、もう会えない私の憧れのダンサーにも。

 あの日、男のお礼を聞いてすぐ、母親から電話がきて、私はそのままその場を去ってしまった。
十分に感動を伝えられたと思ったのは、その瞬間だけで、本当はもっと、伝えられることがあったのではないかと後悔していたのだ。
だから、男が有名になったら会いたいという希望だけは、捨てていなかった。
男の踊りを思い出せば、頑張ろうと思えた。

「あの・・・」

「何ですか?」

「私は、自殺ではないんですね」

案内人は黙る。

「だって、あの踊り・・・もし、私が死のうとしたら、あの人の踊りが過って、死ねないはずです。自由なコンテンポラリー。私は、あの踊りに生かされていたようなものだから・・・」

「きっと、あなたの言う通りですよ」

案内人はそう答えた。
そして、

「さあ、最後に伝えたいことは何ですか?彼のコンテンポラリーダンスに、あなたの最後の想いを、表現の一部としてプレゼントしましょう。まあ、もう既に、あなたの存在は、彼の表現の一部ですけどね」

「彼の表現の一部・・・」

「はい。そうですよ」

たった一度会っただけの人。
それでも、私は・・・
彼を走って追い掛けた時の自分のことは、好きだった。

「伝えたいことは・・・」

私は既に、表現の一部になっていた。
そして、それよりもう少しだけ大きな範囲となって、本当に死ぬ。
悲しくて、涙が溢れるけれど、それでも、この男を応援し続ける。

「もしも、あなたがもっと早くに勇気を出して、部屋以外のどこかで踊ってくれていたなら。私がそんなあなたを、もっと早くに見つけていたなら。私はきっと、ダンスの授業の発表で、どんなに下手でも一生懸命に踊って、みんなの前で披露できていたかも知れない。そんな気がします。でも、そんなに良いタイミングっていうのは存在しないと思うから。だから、生きているうちに、あなたの踊りを・・・あなたのコンテンポラリーダンスを見られただけでも幸せでした。もうあなたには会えないけれど、あなたが私にもう一度会いたいと思ってくれているなら、そういう人が生きていると思うだけで、幸せです」


 男はゴミ捨て場で、おばさんが去ってからも、また少しだけ踊った。
夢を誰かに宣言できた喜び、それを表現しているかのようだった。
私は、男と一緒に踊っているようで嬉しくて、そして何より、自由だった。
男の自由を、体感していた・・・
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