タンデムジャンプ

「俺と冒険してみない?」
 そんな言葉に誘われて、私は空の上にいた。

 先週、会社が倒産して失業してしまった。
 ある日の朝、出社したら「父さん」のお知らせが扉に張られていた。
 呆然とする私たち社員の群れの中で、同期の松浦が唐突に、元気な声で「今こそ冒険の時だ」なんて言い出したのだ。

 その声で正気に戻り、てんでバラバラに散っていく元社員たちの消える背中に、私も追随しようとしたけれど時遅く、松浦につかまってしまった。

 そして、冒頭に戻る。というお話。


 別サイトにも同時掲載。
 
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