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第一章:神の暇つぶし
52話ー胃もたれ
しおりを挟む五人は大広間のソファーにぐったりと座り込んでいる。
「く"る"し"い"…………」
腹を抑える蒼が濁声を上げた。
その表情は苦しくも幸せそうで……そんな蒼の苦楽に対して他の四人も、幸せの余韻を秘めながら反応を示す。
「美味しかったねぇ……僕、お腹いっぱいだよ」
「そうね……特にカルパッチョが良かったわ」
「僕はスープかなぁ……さっぱりしてて良かった」
綾華と樹の言葉に他の三人も納得したのか、首を大きく縦に振って頷いた。
「分かる。でも俺の一番はタコ墨のパスタかなぁ?今まで食った料理の中で一番美味かった」
「へぇ……ふーん?あたしだって、今まで色々作ってて上げたのに!酷いよ!!」
「ち、ちがっ!そんなつもりじゃ!!」
蒼が感想を言うと陽葵は意地悪な笑みを浮かべ、本気で怒っている風を装って上声を上げた。
それは傍から見れば冗談だと分かるものだが、当の本人である蒼は陽葵の事が好きなのだ。
好きな子が自分の所為で少しでも悲しそうにしたら、それが嘘だとしても男は動揺する生き物である。
ぐってりとソファーに沈めていた身体をバンッ!と飛び上がらせて弁明する蒼の慌て様は、樹と綾華が吹き出す程に面白い。
しかし隙があれば何時でもイチャイチャする二人に、胃もたれ寸前レベルで満腹なニャル様は苦笑する。
「ボク、もうお腹いっぱいだよ。二人のイチャイチャが甘過ぎて胃もたれしそう……うぷ」
「「イチャイチャしてなーーい!!」」
「「「やれやれ…………」」」
声を合わせて否定した蒼と陽葵。
まるで新婚夫婦の様なやり取りをして、何処がイチャイチャしていないのか……。
甚だしいことこの上ない二人に他の三人は「やれやれ」と呆れつつも、どこか楽しげな表情だ。
そんな三人に二人がムスッとすると、ご飯の片付けが終わったのか大広間に瞬間移動してきたハス様が気さくな笑顔で話し掛けてくる。
「……おっ?待っててくれたんすね!ありがとうっす!片付け終わったっす!」
「ハスター、片付けおつかれ」
「うっす、ニャル様」
「片付け早いわね?まだ全然時間経ってないけれど……」
「まぁ洗い物と片付けは自動なんで、そこまで持って行くだけっすから」
「「なにそれ欲しい…………」」
「ははは!女子二人は主婦みたいなことを言うんすね」
「「主婦………………み」」
「「「「二人ともおおおおお!!!」」」」
ーーー
【作者の想い】
隙あれば皆、脳内でイチャイチャするから!全然進まないじゃないか!!
けど僕の子達てぇてぇなぁ……ゲロ甘だけどWWW
ー
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もはやファンタジーじゃなくてラブコメでワロタ
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