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第5章
幸せの絶頂1
家に帰り着いたら、こたつに入ってふたりで年越しそばを夕飯にして、デザートにみかんを食べたした。
それから柚の入浴剤の入った風呂を先に入らせてもらう(その間、尊にはスマホゲームをしてもらったりして時間をつぶしてもらった)。何度も自慰行為をするときにやったトイレでの準備を済ませ、風呂に入って体を洗ったあ後、浴室でも使えるジェルで後ろをほぐした。
自分の指を入れて、前を触らずにイケたことだってある。
だけど男性器を模した大人のおもちゃを入れたことも、ましてやほかの男と性行為をした経験なんて一度もない。
「女の子でも最初は痛いとか、血が出る場合があるんだよな」とひとり言をつぶやく。
本来なら排泄口であるはずのところなのに指が、すんなり入った。だけど自分の勃起したものや、それ以上のデカイ物体が入るかと聞かれたら答えられない。
あいつ、昔は天使みたいで線も細かったのに、いつの間にか背もぐんぐん高くなって俺を追い抜きやがった。部活の筋トレや走り込みの効果で筋肉も、めちゃくちゃついてるし。……チンコのサイズもXLとかだったら、今夜死ぬのか、俺? なんて普通だったら、くだらないことを真剣に考える。
一回目からセックスができるやつらもいれば、そうじゃないやつもいる。
あいつに限ってないとは思う。けど、入らなくて中断なんてことになって尊を呆れさせたり、がっかりさせたりするかも。最悪俺のケツが尊のものを無理やり入れて裂けた結果、年末年始でもやってる肛門科を探すはめに――なんてことが起きないとは限らない。
今さら不安になり、怖気づきながらシャワーでバスルームの周りにお湯をかけ、尊が使える状況に整えておく。
「風呂出たぞ……って何してるんだ、おまえ?」
てっきりストーブの前を陣取って、ゲーム化何かをしていると思ってばかりいたのに、俺の部屋の唯一の窓が開け放たれていた。ひゅーひゅーと冷たい風が部屋の中に吹き込んでくる。
尊は自分の部屋の窓から俺の部屋の窓へと慣れた様子で飛び移った。
「ちょっと忘れ物をしてきちゃったから取りに行ってたんだよ」
「忘れ物?」
白いビニール袋を手にした尊が窓を閉めた。
「菓子か何かか?」
「ちょ、葵。勝手に見ないでって……!」
気になった俺は尊が手にしていたビニール袋を取り上げ、中を確認する。袋の中のものを見た俺は、じわじわと頬や体が熱くなり、石のように固まる。
「今日、使うでしょ? 僕が準備してないと思った」と未開封のままのコンドームの箱を引ったくるようにして取り上げ、透明なビニールを取り去った。そして箱を俺のベッドのヘッドボードに置いた。その横には、すでに使い切り用のローションのパックやティッシュボックスが置かれていて、ベッドの近くにゴミ箱がある。布団の上には尊が家から持ってきただろうバスタオルが敷かれている。
「あ、ああ。そ、そうだよな。それがないとヤバイもんな」
大げさに笑って誤魔化しながら俺は、勉強机とおそろいの椅子に腰掛ける。手汗が半端ない。
高校に入ってベンチじゃなく、初めて試合に起用してもらって、尊と一緒にコートに立ったときとおなじくらい緊張している。頭がクラクラして心臓が壊れそうなくらいせわしなく鼓動を打つ。
「えっと……じゃあ、葵。お風呂入らせてもらうね」
「お、おお。もちろん。ゆっくり温まってこいよ! おまえんちの窓の鍵、閉めに行ってこようか?」
「ありがと、でも大丈夫。お風呂のお湯をいただく前に僕が自分で閉めてくるから」
「そっか、わかった」
妙にソワソワして会話が続かない。
今日一日、普通にいつも通り話していた。それなのに俺の口と頭は、急に喋り方を忘れてしまったかのようで、どうやって喋ったらいいかさっぱりわからなくなる。
「ねえ、葵」
「な、なんだ!?」と俺は作り笑顔を顔に貼りつける。
「無理なら無理って言ってほしいんだ。そのきみの気持ちを尊重したいと思うし、やっぱりお客様用のお布団を……」
「ダメだ、それだけは絶対にダメ! 今夜は俺とおまえは一緒のベッドで寝る」
「確かに言い出したのは僕だよ。でも、きみ――」
「男に二言はない! それに、おまえが冗談になるようしてくれたのに、俺がそうしたいって言ったんだぞ。言い出しっぺの法則だ。それでも俺のことを変に気づかって、やめるなんて言うのなら、縛り上げてベッドの上にくくりつけてやるからな!」
気がつくと俺は立ち上がり、尊に待ったをかけていた。それもセックスしたくてしょうがないみたいな言葉を発して……。
鳩が豆鉄砲を食ったような表情をした尊が「そんなことしなくても逃げたりしないよ。そんなに今夜のこと楽しみにしてくれてるの?」と質問をしてくる。
図星を突かれたも同然の俺はパクパクと口を開閉し、ベッドに顔からダイブした。
「そうだよ、怖い気持ちもあるけど……おまえとシたい気持ちもあるんだよ! なんか文句あるか!?」
「ううん、ないよ。むしろ飛び上がって喜びたいくらいに、うれしい」
ギシとベッドがきしむ。ベッドの端に尊が座ったのだ。
そっと頭を撫でられ、髪に触れる大きな手に安心感と気持ちよさを覚えた俺は、顔を横へ向け、尊の顔をまじまじと見る。
それから柚の入浴剤の入った風呂を先に入らせてもらう(その間、尊にはスマホゲームをしてもらったりして時間をつぶしてもらった)。何度も自慰行為をするときにやったトイレでの準備を済ませ、風呂に入って体を洗ったあ後、浴室でも使えるジェルで後ろをほぐした。
自分の指を入れて、前を触らずにイケたことだってある。
だけど男性器を模した大人のおもちゃを入れたことも、ましてやほかの男と性行為をした経験なんて一度もない。
「女の子でも最初は痛いとか、血が出る場合があるんだよな」とひとり言をつぶやく。
本来なら排泄口であるはずのところなのに指が、すんなり入った。だけど自分の勃起したものや、それ以上のデカイ物体が入るかと聞かれたら答えられない。
あいつ、昔は天使みたいで線も細かったのに、いつの間にか背もぐんぐん高くなって俺を追い抜きやがった。部活の筋トレや走り込みの効果で筋肉も、めちゃくちゃついてるし。……チンコのサイズもXLとかだったら、今夜死ぬのか、俺? なんて普通だったら、くだらないことを真剣に考える。
一回目からセックスができるやつらもいれば、そうじゃないやつもいる。
あいつに限ってないとは思う。けど、入らなくて中断なんてことになって尊を呆れさせたり、がっかりさせたりするかも。最悪俺のケツが尊のものを無理やり入れて裂けた結果、年末年始でもやってる肛門科を探すはめに――なんてことが起きないとは限らない。
今さら不安になり、怖気づきながらシャワーでバスルームの周りにお湯をかけ、尊が使える状況に整えておく。
「風呂出たぞ……って何してるんだ、おまえ?」
てっきりストーブの前を陣取って、ゲーム化何かをしていると思ってばかりいたのに、俺の部屋の唯一の窓が開け放たれていた。ひゅーひゅーと冷たい風が部屋の中に吹き込んでくる。
尊は自分の部屋の窓から俺の部屋の窓へと慣れた様子で飛び移った。
「ちょっと忘れ物をしてきちゃったから取りに行ってたんだよ」
「忘れ物?」
白いビニール袋を手にした尊が窓を閉めた。
「菓子か何かか?」
「ちょ、葵。勝手に見ないでって……!」
気になった俺は尊が手にしていたビニール袋を取り上げ、中を確認する。袋の中のものを見た俺は、じわじわと頬や体が熱くなり、石のように固まる。
「今日、使うでしょ? 僕が準備してないと思った」と未開封のままのコンドームの箱を引ったくるようにして取り上げ、透明なビニールを取り去った。そして箱を俺のベッドのヘッドボードに置いた。その横には、すでに使い切り用のローションのパックやティッシュボックスが置かれていて、ベッドの近くにゴミ箱がある。布団の上には尊が家から持ってきただろうバスタオルが敷かれている。
「あ、ああ。そ、そうだよな。それがないとヤバイもんな」
大げさに笑って誤魔化しながら俺は、勉強机とおそろいの椅子に腰掛ける。手汗が半端ない。
高校に入ってベンチじゃなく、初めて試合に起用してもらって、尊と一緒にコートに立ったときとおなじくらい緊張している。頭がクラクラして心臓が壊れそうなくらいせわしなく鼓動を打つ。
「えっと……じゃあ、葵。お風呂入らせてもらうね」
「お、おお。もちろん。ゆっくり温まってこいよ! おまえんちの窓の鍵、閉めに行ってこようか?」
「ありがと、でも大丈夫。お風呂のお湯をいただく前に僕が自分で閉めてくるから」
「そっか、わかった」
妙にソワソワして会話が続かない。
今日一日、普通にいつも通り話していた。それなのに俺の口と頭は、急に喋り方を忘れてしまったかのようで、どうやって喋ったらいいかさっぱりわからなくなる。
「ねえ、葵」
「な、なんだ!?」と俺は作り笑顔を顔に貼りつける。
「無理なら無理って言ってほしいんだ。そのきみの気持ちを尊重したいと思うし、やっぱりお客様用のお布団を……」
「ダメだ、それだけは絶対にダメ! 今夜は俺とおまえは一緒のベッドで寝る」
「確かに言い出したのは僕だよ。でも、きみ――」
「男に二言はない! それに、おまえが冗談になるようしてくれたのに、俺がそうしたいって言ったんだぞ。言い出しっぺの法則だ。それでも俺のことを変に気づかって、やめるなんて言うのなら、縛り上げてベッドの上にくくりつけてやるからな!」
気がつくと俺は立ち上がり、尊に待ったをかけていた。それもセックスしたくてしょうがないみたいな言葉を発して……。
鳩が豆鉄砲を食ったような表情をした尊が「そんなことしなくても逃げたりしないよ。そんなに今夜のこと楽しみにしてくれてるの?」と質問をしてくる。
図星を突かれたも同然の俺はパクパクと口を開閉し、ベッドに顔からダイブした。
「そうだよ、怖い気持ちもあるけど……おまえとシたい気持ちもあるんだよ! なんか文句あるか!?」
「ううん、ないよ。むしろ飛び上がって喜びたいくらいに、うれしい」
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