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第3章学園入学
番外編 ライザの前世ーお金好きの始まりの日ー
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※急に重い話混じるので、軽いノリが好きな人はスルーしてね。
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ーーーーーーー
無知とは恐ろしいものだ。
私の前世での母親は火事で亡くなった。何時も仕事から帰ってくると私の頬に、自分の頬を当ててすりすりさせ「可愛い可愛い」と惜しみなく愛情を伝えてくれる人。
だから私は母の事が大好きだった。
そして、愛情深いが世間では愚か者と揶揄される人であった。
ライザの両親と似たような具合と思ってもらえたら良い。
客観的に見たら、借金を残したまま幼い娘を残して死んでしまった愚か者だ。その借金と言うのが、これまた酷く愚かな物で、
100万 借りたものに対して、10日で1割の複利での借金があった。
今ならこの一文見たら目ん玉飛び出るが、幼い私は無知だった。
その契約書にサインする母を眺めながら、(お母さんは働き者だし、お父さんの手術代だから仕方ないよね。お金は時間かかってもコツコツ返せば良いしね。それよりもお父さんの命が大事。ずっと眠ったままだから、今度の手術で目を覚ましてくれたら良いな。)そう呑気に思っていた。
今の私が横にいたらグーで殴ってでも止めただろう。
分かりやすく言うと、100万受け取って100日後には259万円弱で返さなくてはならない。
その時点で借りたお金の2倍以上となる。それがどんどん勢いを増して積み重なっていく。そんなの返せる目処があるなら、借りて無いと言うのに。
だから母が幾ら働こうが、返せるわけが無かった。
借金は元々他の金融業者にもあった事で、急な借金を何処も受け入れてくれなかった故に、最も怪しい業者に借金したのだろう。
そんな中での生活はお察しの通り、ろくでもないもので、ご近所でも学校でもうちに来る借金取りに、大体の予想はされていた。
母の亡くなった後集まった親戚は皆、母を『普通あり得ないわよねぇ。』『酷い母親』そう言っていた。そして、誰が私を引き取るかの親族会議で私を押し付けあっていた。
しかしその後、親戚の人が我が家を片付けている時、2年前に亡くなった父が残した、5枚の保険証券が出てきた。全部で5億の死亡保険金をもらえるもの。
1度目の葬式前での親族会議ではあんなに私を押し付けあっていたのが、2度目の葬式での親族会議ではくるっと反転して、お金の取り合い…私の取り合いになった。
幼い私には訳がわからず、ただ、母の作った借金で私が、嫌がられているのはわかっていたので、隣に座っていた社会人である従兄弟のお兄さんに聞いた。
気怠そうに親族会議の場にいるだけの人だったけど、1番まともそうと子供ながらに思えたから。
「私、借金あるからみんな嫌がってたのに、急にどうしたの?」
「んー。正確には借金は相続放棄させる予定だったから、借金で嫌がってたわけじゃないよ。それでも育ちの知れてる程度の低そうな子供を引き取るメリットが無いし金も掛かるし、寧ろマイナス要素多いから嫌がってただけ。」
「じゃあなんで?何でみんな今必死に私を引き取ろうとするの?」
「君の2年前に亡くなってた親父さん、莫大な死亡保険金かけてたんだよ。君の親父さん本人も相続で得たものを保険にしてたから、忘れてたのか何なのか知らないが。
その保険証券が今になって見つかった。しかも、保険の時効前だ。
そうなると、話は変わるよなぁ。相続放棄させないで弁護士に債務整理手伝ってもらっても尚余りある莫大なお金が君にくっついてくるんだ。闇金からの借金は無くすのが関の山だろうが、金融業者からの出資法違反による借金の過払金なら結構返ってくるだろうしね。」
まだ小学生の私にはよく分からない単語が多くて、理解できなかったので、(どう言うこと?)と伺うように、もどかしそうに眉を寄せてお兄さんに聞いた。
「つまり?」
「君に価値が出たって事だな。多分今なら何やっても皆笑顔で許してくれるぞ。君は今この場で1番価値ある物として見られている訳だ。一時の賢者タイムだな。」
(…ふむ。)
「……。あ、私ジュースこぼしちゃったぁ。」
賢者タイムとやらがどのくらい効果あるのか、試しに手元にあったコップをわざと転がしてみた。
畳の上にジュースが染み込んでゆく。
「まぁまぁ、大丈夫?服にジュースかかってない?」
あんなに、私に懐かれないよう一線引いて接されていたのに。今となってはこぞって凄い猫撫で声で話しかけてくる親戚のまぁ多い事。
家主である親戚も含め、皆使用人の様に速やかにコップを片付けて濡れた畳みの上を拭いている。
これを見て私は悟った。
(本当だ。今この場で1番偉いのは私。
それはこの雰囲気でわかる。
つまり、お金は見えない力を与えてくれると言うことね。)
闇金の借金取りが日中来たとき、母は仕事で出掛けておらず、1人で嵐が過ぎ去るのを押し入れの中で震えながら待っていた自分。
そして母が居る時は母子共々連座して借金取りに土下座してる自分。近所と学校の自分を哀れみながらも、白い目で関わってはならないと揶揄されて居た事を思い出しながら
今、目の前で自分を神様であるかのように機嫌を取っている親戚達を見て、まだ小学校低学年であった少女はこの世の仕組みを自分なりに悟りつつあった。
これが、来世ライザ・クライスになっても染み付いているお金好き体質へ成長を遂げる第一歩だった。
少女はこの後、まだまだ前途多難な子供時代を過ごす事となり、来世に根付くお金への認識を構築していく。
その始まりは、正しくこの日。
彼女が初めて強くお金を意識した原点となる日となったー…。
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次回、本編戻ります!
※少し怪しいところに借金する時は、財務局長又は都道府県知事の登録を受けているかどうか確認しようね。byライザ
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無知とは恐ろしいものだ。
私の前世での母親は火事で亡くなった。何時も仕事から帰ってくると私の頬に、自分の頬を当ててすりすりさせ「可愛い可愛い」と惜しみなく愛情を伝えてくれる人。
だから私は母の事が大好きだった。
そして、愛情深いが世間では愚か者と揶揄される人であった。
ライザの両親と似たような具合と思ってもらえたら良い。
客観的に見たら、借金を残したまま幼い娘を残して死んでしまった愚か者だ。その借金と言うのが、これまた酷く愚かな物で、
100万 借りたものに対して、10日で1割の複利での借金があった。
今ならこの一文見たら目ん玉飛び出るが、幼い私は無知だった。
その契約書にサインする母を眺めながら、(お母さんは働き者だし、お父さんの手術代だから仕方ないよね。お金は時間かかってもコツコツ返せば良いしね。それよりもお父さんの命が大事。ずっと眠ったままだから、今度の手術で目を覚ましてくれたら良いな。)そう呑気に思っていた。
今の私が横にいたらグーで殴ってでも止めただろう。
分かりやすく言うと、100万受け取って100日後には259万円弱で返さなくてはならない。
その時点で借りたお金の2倍以上となる。それがどんどん勢いを増して積み重なっていく。そんなの返せる目処があるなら、借りて無いと言うのに。
だから母が幾ら働こうが、返せるわけが無かった。
借金は元々他の金融業者にもあった事で、急な借金を何処も受け入れてくれなかった故に、最も怪しい業者に借金したのだろう。
そんな中での生活はお察しの通り、ろくでもないもので、ご近所でも学校でもうちに来る借金取りに、大体の予想はされていた。
母の亡くなった後集まった親戚は皆、母を『普通あり得ないわよねぇ。』『酷い母親』そう言っていた。そして、誰が私を引き取るかの親族会議で私を押し付けあっていた。
しかしその後、親戚の人が我が家を片付けている時、2年前に亡くなった父が残した、5枚の保険証券が出てきた。全部で5億の死亡保険金をもらえるもの。
1度目の葬式前での親族会議ではあんなに私を押し付けあっていたのが、2度目の葬式での親族会議ではくるっと反転して、お金の取り合い…私の取り合いになった。
幼い私には訳がわからず、ただ、母の作った借金で私が、嫌がられているのはわかっていたので、隣に座っていた社会人である従兄弟のお兄さんに聞いた。
気怠そうに親族会議の場にいるだけの人だったけど、1番まともそうと子供ながらに思えたから。
「私、借金あるからみんな嫌がってたのに、急にどうしたの?」
「んー。正確には借金は相続放棄させる予定だったから、借金で嫌がってたわけじゃないよ。それでも育ちの知れてる程度の低そうな子供を引き取るメリットが無いし金も掛かるし、寧ろマイナス要素多いから嫌がってただけ。」
「じゃあなんで?何でみんな今必死に私を引き取ろうとするの?」
「君の2年前に亡くなってた親父さん、莫大な死亡保険金かけてたんだよ。君の親父さん本人も相続で得たものを保険にしてたから、忘れてたのか何なのか知らないが。
その保険証券が今になって見つかった。しかも、保険の時効前だ。
そうなると、話は変わるよなぁ。相続放棄させないで弁護士に債務整理手伝ってもらっても尚余りある莫大なお金が君にくっついてくるんだ。闇金からの借金は無くすのが関の山だろうが、金融業者からの出資法違反による借金の過払金なら結構返ってくるだろうしね。」
まだ小学生の私にはよく分からない単語が多くて、理解できなかったので、(どう言うこと?)と伺うように、もどかしそうに眉を寄せてお兄さんに聞いた。
「つまり?」
「君に価値が出たって事だな。多分今なら何やっても皆笑顔で許してくれるぞ。君は今この場で1番価値ある物として見られている訳だ。一時の賢者タイムだな。」
(…ふむ。)
「……。あ、私ジュースこぼしちゃったぁ。」
賢者タイムとやらがどのくらい効果あるのか、試しに手元にあったコップをわざと転がしてみた。
畳の上にジュースが染み込んでゆく。
「まぁまぁ、大丈夫?服にジュースかかってない?」
あんなに、私に懐かれないよう一線引いて接されていたのに。今となってはこぞって凄い猫撫で声で話しかけてくる親戚のまぁ多い事。
家主である親戚も含め、皆使用人の様に速やかにコップを片付けて濡れた畳みの上を拭いている。
これを見て私は悟った。
(本当だ。今この場で1番偉いのは私。
それはこの雰囲気でわかる。
つまり、お金は見えない力を与えてくれると言うことね。)
闇金の借金取りが日中来たとき、母は仕事で出掛けておらず、1人で嵐が過ぎ去るのを押し入れの中で震えながら待っていた自分。
そして母が居る時は母子共々連座して借金取りに土下座してる自分。近所と学校の自分を哀れみながらも、白い目で関わってはならないと揶揄されて居た事を思い出しながら
今、目の前で自分を神様であるかのように機嫌を取っている親戚達を見て、まだ小学校低学年であった少女はこの世の仕組みを自分なりに悟りつつあった。
これが、来世ライザ・クライスになっても染み付いているお金好き体質へ成長を遂げる第一歩だった。
少女はこの後、まだまだ前途多難な子供時代を過ごす事となり、来世に根付くお金への認識を構築していく。
その始まりは、正しくこの日。
彼女が初めて強くお金を意識した原点となる日となったー…。
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※少し怪しいところに借金する時は、財務局長又は都道府県知事の登録を受けているかどうか確認しようね。byライザ
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