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第3章学園入学
噛み合わない2人 イリンside
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このままだったら、彼は幸せになれないと本当に思ったから。前世から彼が推しキャラで支えになりたいと思っていた私は勇気を出して彼に話しかける事にした。
「あの…。ルイス様。」
「……。」
授業後の休み時間に教室で、本を読んでいるルイスの背後からイリンが話しかけた。
しかし気付かずに本に集中しているルイスに、もう一度声をかける。
「あの!」
「……。」
宝石のような瞳が、横目で自分の姿を写した事にドキリとハネる心臓を押さえるが如く、両手を胸元で握ったイリンは
緊張しながらも、意を決したように言葉を続けた。
「実は、孤児院の子供達がルイス様にまた会いたがっているんです。
だから、今日の放課後また来てくれませんか?」
暫く沈黙をしてから、ルイスの視線は手元の本に戻ってゆく。
「あ…あの…。」
「ライザは?」
「え?」
「ライザはなんて?」
「ライザ様は孤児院に行く事にあまり良い感情を抱いてないみたいで。だから、今回は残念ですがお誘いしてなくて。」
「…そう。ならいい。」
(…〝いい〟って、どっち?行くの?行かないの?)
本に視線を戻したルイスに、イリンは慌てながら机の前に回り込んだ。
「実は、ライザ様の事で話があるんです。えっと…聞きました。ルイス様は過去にご両親を亡くされているんですよね?」
「….…。」
「その時ライザ様が助けてから貴方は、ライザ様に依存しているとか。」
「─────・・・。」
パタンと本を閉じたルイスに、自分の話を聞いてくれると踏んだイリンは言い募った。
「あの日、何が起こるかライザ様は知っていました。だけどそれを防がず貴方に恩を売ったんです。」
ゆっくりと上げた顔を、イリンの方へ向けた表情が余りにも無機質で、背中にゾクリと凍りが這う感覚が襲う。
「…それで?」
ルイスの問いかけに、固まっていたイリンは、はっと我にかえった。
「それで…だから、貴方は騙されていると…。彼女は貴方が思ってるような人じゃ無くて。」
「それが君にどう関係するの?」
「えーと、、とにかく第2王子が貴方と話がしたいと言っていました。
本来の貴方は第2王子と親友で…とにかくライザ様から離れなければ本来の貴方に戻れません。」
ルイスは暫く顎に指を当て考えこむと、何かピンときたのか、すっきりした面持ちでポツリと言った。
「…そうか、わたしの知らない事情があったから、急に婚約白紙なんて…。」
「…?とにかく、言い方は悪いですが、わかってください。貴方のためなんです。」
「うん、良くわかったよ。教えてくれて有難う。」
ルイスの返答に、ほっと胸を撫で下ろし、まずは第2王子と会って貰おうと、誘いを口にする前にルイスが笑みを浮かべた綺麗な顔に見惚れて、トクンと胸が鼓動した次の瞬間
放たれた言葉に再度固まった。
「つまり
第2王子が消えたらライザはわたしから離れずに済むんだね。」
…私は何処か伝える言葉を、間違えていたのだろうか?
とにかく説明した事があまり分かって無いのはわかった。
「あの…。ルイス様。」
「……。」
授業後の休み時間に教室で、本を読んでいるルイスの背後からイリンが話しかけた。
しかし気付かずに本に集中しているルイスに、もう一度声をかける。
「あの!」
「……。」
宝石のような瞳が、横目で自分の姿を写した事にドキリとハネる心臓を押さえるが如く、両手を胸元で握ったイリンは
緊張しながらも、意を決したように言葉を続けた。
「実は、孤児院の子供達がルイス様にまた会いたがっているんです。
だから、今日の放課後また来てくれませんか?」
暫く沈黙をしてから、ルイスの視線は手元の本に戻ってゆく。
「あ…あの…。」
「ライザは?」
「え?」
「ライザはなんて?」
「ライザ様は孤児院に行く事にあまり良い感情を抱いてないみたいで。だから、今回は残念ですがお誘いしてなくて。」
「…そう。ならいい。」
(…〝いい〟って、どっち?行くの?行かないの?)
本に視線を戻したルイスに、イリンは慌てながら机の前に回り込んだ。
「実は、ライザ様の事で話があるんです。えっと…聞きました。ルイス様は過去にご両親を亡くされているんですよね?」
「….…。」
「その時ライザ様が助けてから貴方は、ライザ様に依存しているとか。」
「─────・・・。」
パタンと本を閉じたルイスに、自分の話を聞いてくれると踏んだイリンは言い募った。
「あの日、何が起こるかライザ様は知っていました。だけどそれを防がず貴方に恩を売ったんです。」
ゆっくりと上げた顔を、イリンの方へ向けた表情が余りにも無機質で、背中にゾクリと凍りが這う感覚が襲う。
「…それで?」
ルイスの問いかけに、固まっていたイリンは、はっと我にかえった。
「それで…だから、貴方は騙されていると…。彼女は貴方が思ってるような人じゃ無くて。」
「それが君にどう関係するの?」
「えーと、、とにかく第2王子が貴方と話がしたいと言っていました。
本来の貴方は第2王子と親友で…とにかくライザ様から離れなければ本来の貴方に戻れません。」
ルイスは暫く顎に指を当て考えこむと、何かピンときたのか、すっきりした面持ちでポツリと言った。
「…そうか、わたしの知らない事情があったから、急に婚約白紙なんて…。」
「…?とにかく、言い方は悪いですが、わかってください。貴方のためなんです。」
「うん、良くわかったよ。教えてくれて有難う。」
ルイスの返答に、ほっと胸を撫で下ろし、まずは第2王子と会って貰おうと、誘いを口にする前にルイスが笑みを浮かべた綺麗な顔に見惚れて、トクンと胸が鼓動した次の瞬間
放たれた言葉に再度固まった。
「つまり
第2王子が消えたらライザはわたしから離れずに済むんだね。」
…私は何処か伝える言葉を、間違えていたのだろうか?
とにかく説明した事があまり分かって無いのはわかった。
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