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第3章学園入学
起きたら朝だった
しおりを挟む《ライザside》
いつの間にか私はルイスに抱っこされたまま眠りについていた。
そして気付けば朝の光がカーテンの隙間から部屋の中へ差し込んでいる。
「…え、今何時…??朝?朝なの???嘘でしょう… !」
血の気が引くとはこの事だ。
流石に家族が心配しているのではないだろうか。ルイスの家に私が居るのがわかってるであろうとはいえ…。
貴族令嬢がお泊まりとは、これは下手をしたら既成事実というものにカテゴリされてしまいかねない。
今後の事を考えると色々と良くないだろう。
未だ眠りにつく前の体勢のままだったが、ルイスが熟睡しているからか手元の力が緩んでおり、ゆっくりとルイスの腕を持ち上げてホールドされた状態を解いた。
そして、身体を起こしてみれば眠っているルイスの目尻からツゥっと一筋の涙が溢れ出していた。
(…またあの日の夢でも見てるのかな。)
ベッド横で綺麗に折り畳まれ、小テーブルに置かれていたタオルを掴みルイスの目元に擦り付け涙を拭いた。
ついでにルイスの額に手をやり熱を確認すると、医師の言っていた通り熱はもう下がっているみたいでライザはホッと一息ついた。
──────────────────────────────
《ルイスside》
目を開けると、ライザが困った顔をしてわたしの目尻から流れている涙を拭いていた。
わたしが眠っている間、逃げないように抱きしめて眠っていたはずだけれど。
どうやら深い眠りについている間にわたしの腕から逃れられたのだろう。
「……。」
「あ、良かった起きた!」
「……。」
「お水、爺やが持ってきてくれたんだ。飲む?」
「……。ありがとう、飲むよ。」
ライザから手渡されたコップを受け取り、水を口に含むと、ヒンヤリとしていて心なしか頭がスッキリした。
「全く、何をしていたら魔力を枯渇させる事になるの?相当苦しかったでしょ?」
「…それは…。」
「これに懲りたらもう無茶な事はー・」
ライザが言葉を紡ぐのを途中で止めたのは、わたしの瞳からポロポロと再び涙が溢れ出して止まらないからだ。
「ほ、ほら。何かそんな…気弱?になるほどの悪夢を見る事になるんだから…。」
動揺しながらタオルを差し出されたタオルを受け取って目に当てると、ベッドサイドに腰を下ろしていたライザは気まずそうにしていた。
きっと、わたしが悪夢の日の夢を見ていたのだと勘違いしたのだろう。
この涙は、君の記憶の続きを見た事によるものなのだけれど。
背後から、ライザの肩に額を乗せると途端に無言になった。
「ねぇ、ライザ。」
「…何?」
「……ごめんね。」
ーー君の記憶を、暴かれたくは無かっただろうものを。覗いてごめん。
「????」
その後、突然謝ったわたしにライザから戸惑いが伝わってきたのは言うまでも無い。
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