けしてまねをなさることのなきようにお願いします

クラスメイトの策略

とある小学校。
　「おい」
　給食時間、男子生徒が隣の席に座っている女子生徒に声をかけた。
　夏だったから上着を着ておらず、男子は先がとがった襟に黒い半ズボン、女子は先が丸い襟に吊りスカートの制服がむき出しになっていた。
　ちなみに吊りスカートの褶は放射形ではない。
　「俺、牛乳苦手だから飲んでくれ」
　彼女の机の上に自身の牛乳を置いた。
　「いいわよ」
　彼女は飲んだ。

　午後の授業。
　ギュルルルル・・・グルッ。
　ゴロゴロゴロゴロ・・・。
　「ううっ・・・・くっ・・・」
　彼女は白いカッターシャツの制服の上から腹を押さえて苦しんでいた。
　原因は無論さっきの牛乳である。
　あの男子が横目にその様子を見ていた。
　（ふふふ、やはり牛乳を二本も飲めばあの通りだ）
　そう、牛乳が苦手というのは嘘だったのだ。
　事実、彼は今まで普通に給食の牛乳を飲んでいた。
　「うう・・・」
　女子生徒はちらちらと時計を見ていた。
　無情にも授業は始まったばかり。