最狂公爵閣下のお気に入り

白乃いちじく

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第六章 魔工学の祖ユリウス

第二百二十一話 切り裂かれた瞳(番外編)

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「ユリウス? どうし……」
「世界の頂点? それに何の意味がある! いくら強大な力を持ったって、その使い方を誤れば……ああ、そうだ、美しい惑星が、多くの命を孕んだ故郷が……なくなった。私は何のために……もう取り戻せない。どれほど後悔しても、もう遅い、遅いんだ……」

 ユリウスの青い双眸から涙が一つ二つと溢れ出す。

「やらせない! スピカの力をお前などに使わせてたまるものか! お前のような愚か者に、スピカを使わせるくらいなら……」

 傍にあった果物ナイフを手に取り、サラディナーサとジェイドを慌てさせた。

「お、おい、何を……よせ、やめろ。王女殿下を害したら、さすがにただじゃすまな……」

 が、予想に反して、手にしたナイフはユリウスの両目を切り裂いた。サラディナーサが悲鳴を上げる。

「ユリウス! 何て真似を! 治療魔法を……」
「いらない、やめろ! 目だな? 視線で魔法を使った……私に何をした!」
「王女殿下は魔眼の魅了魔法を使ったんだ」

 ジェイドが説明する。もっと早くに止めれば良かったと、後悔に苛まれながら。

「魅了……意志を奪うあれ?」
「そうだ。けど、それをお前は自力で解いちまった。一体どうやったんだ? 魔力耐性がゼロの状態で……本当、ありえないよ」

 ジェイドが首を横に振る。

「ユリウス、この世界の人間はな、魔力なしと判断された人間でも、通常は微弱な魔力をおびているものなんだ。けど、異界人のお前は魔力がまったくない。魔力がゼロという特殊体質で、それはな、魔法には抵抗出来ないことを意味しているんだ。なのに……自力で魅了魔法を解いちまった……。はは、嘘だろ? こんなのは見たことがない。本気で感心する。スピカを王女殿下に使わせるのがそんなに嫌だったのか?」
「……スピカを使えば、この国を焦土に出来る」

 ユリウスの返答に、ジェイドは息をのむ。

「搭載している兵器を使えばな。流石に星を破壊するほどの威力はないが……それでも脅威だろう? 家族を友人を一瞬で奪われる気持ちを味わいたいか? スピカは使わせない。どんな人間にも!」

 ユリウスの叫びに、ジェイドはただただ圧倒された。
 スピカは使わせない……ああ、そうだ。こいつは故郷をなくしているんだ。きっとユリウスは、自害してでもスピカを渡さないに違いない。

「あんな思いはもうたくさんだ! 出ていけ! 出ていくんだ! ここから! お前達の顔など見たくない!」

 呆然としている王女殿下と一緒に追い出されてしまった。
 ジェイドは自己嫌悪に陥った。こうなるまで自分は静観していたわけだから、嫌われても仕方がない。そう思って、その日は引き下がった。
 翌日、治療を受けてもらおうと部屋に行くと、彼の姿がない。アンドロイドのスピカがいて、彼からの言葉を伝えてくれた。

「一ヶ月ほど、マスターは宇宙船に籠もります」
「いや、でも、目の治療……」
「こちらでやりますので、必要ありません」
「ちゃんと治せるんだよな?」

 ジェイドが確認する。

「……治せますが、マスターは元通りにすることを望んでいません」
「まさか、治さない、のか? いや、でも、目が見えなくなっちまう」
「見えるようにはなりますよ。ただ、元通りにはなりません。目の機能をマシン化するんです。二度と魅了魔法にかからないように」
「マシン化?」
「私と同じ機能を組み込むんです。見た目は義眼を使いますので、元通りでしょう。ただ、外界に対する認識が私と同じになります。それが、人間であるあの方にあうかどうか……」
「よく分からない。もっとかみ砕いてくれ」
「そうですね。私は人間の美しさを理解出来ません。情報として、目、鼻、口の形と位置を認識し、個人を識別します。ただそれだけ。おそらくマスターも同じになるでしょう」
「同じって……え? じゃあ、美人を見ても何も感じない?」
「はい、それが目的ですから。魅了魔法は、美しいと感じる心を利用する魔法でしょう? 何も感じなければ魅了されません」
「……」

 ジェイドは驚き、そしてうなだれた。ここまで、彼の心の傷は深かったのだと。



 一ヶ月後、ようやく姿を現したユリウスを見て、サラディナーサは悲鳴を上げた。

「傷! 傷が! どうして治癒魔法を使わなかったの?」

 ナイフを真一文字に走らせた傷痕が、まぶたの上にばっちり残っている。ユリウスの青い瞳がサラディナーサを見た。ガラスのように無機質な目だ。

「治す必要がないから、わざと傷痕を残しただけ。私はあなたが好きじゃない。むしろ嫌いだ。きつい香水の匂いは苦手だし、べたべた触られるのも苦手。なのに何度もあなたと交わった記憶がある。何故だ?」

 詰問口調にサラディナーサは狼狽えた。

「何故って、その……あなたが私を美しいと思ったからよ。そうよ、あなたはわたくしを愛したの。それを自覚できていないだけ」
「私は王女殿下を美しいとは思わない。出て行ってくれ」

 瞳を覗き込んでも、彼と目を合わせても魅了されない。あの熱い眼差しも、愛を語る柔らかな表情もユリウスから失われている。真実を言っているのだと、理解したサラディナーサは涙をこぼし、ユリウスを揺さぶった。

「嘘、よね?」
「……」
「私を愛しているでしょう?」
「……」

 彼は答えない。ただただ冷たい無機質な瞳がサラディナーサを見つめるだけ。ふらりとよろけ、サラディナーサは愕然とした表情を浮かべた。
 やがて、サラディナーサは踵を返すと、その場から走り去った。

「ユリウス、すまない」

 二人になるとジェイドが謝った。

「お前は王家付の魔道師だからな。仕方ない」
「というか、まさか、王女殿下があんな魔法を使うなんて思わなかったんだ。魅了魔法は禁忌なんだよ。知っていたら……」

 ジェイドが唇を噛む。

「王家に逆らっていたとでも? おかしな奴だな。下手に私の味方をすれば職を失うぞ。いや、首が飛ぶかもな」
「それでも、だ。言ったろう? 俺はお前が好きなんだよ」
「……ありがとう」

 ユリウスが微かに笑ってくれ、余計に胸が痛む。



 王女殿下との結婚は流れた。ユリウスの目の傷が原因だ。醜いから、と……
 ジェイドは心の中で憤慨する。たったあれだけの傷で捨てるのなら、最初から言い寄らなければ良かったのにと。そうは思うものの、ジェイド自身もユリウスの傷痕は気になった。醜いからではなく、傷痕は罪人の証のようなものだからだ。

「王女殿下の求婚を断るためとはいえ、傷を残したのはやり過ぎじゃないか?」

 良い男がもったいない。
 ジェイドがそう言うと、机で書き物をしていたユリウスが答えた。

「別に、あの女を遠ざけようとしてやったわけじゃない。戒めのためだ。愚かな自分を忘れないように。毎朝鏡を見れば嫌でも思い出すだろ?」
「つってもなぁ……傷痕って罪人って意味もあるから、女にモテなくなるぞ」
「罪人?」

 ジェイドの説明によると、酷い傷痕が残るというのは、貴族ではまずないのだそう。治癒師が傷を綺麗に治してしまうから。そして平民であっても、神殿で対処してもらえる。傷を有するのは寄付の出来ない貧民か、あるいは傷の治癒をしてもらえない罪人限定ということらしい。傷痕が必要以上に嫌がられるのはこのためである。

「……煩くなくて丁度いい」
「ほんっと、達観しているよな、お前。サディアス殿下なら絶対言わない台詞だ。ま、あれだ。お前は王家の保護下にいるから、城内にいる間は問題ないだろうけど、市井に下るときは色つき眼鏡でもかけろ。さっきも言ったように、傷痕は嫌がられるんだよ。店主に追い払われる場合もあるし、ろくでもない連中に絡まれるときもある」
「わかった」

 そうしてかけた色つき眼鏡だが、ユリウスの場合、やたらと似合って格好良い。

「……ほんっとお前、なにやらせても絵になるな」

 ジェイドはつい愚痴っていた。



 三年の月日を掛け、ユリウスはスヴァイ王国で得られる魔法の知識を全て吸収してしまった。語学の時もそうだったが、やはり恐るべきスピードである。魔道師が一人前になるには、最低十五年はかかる。それも、ユリウスほどの知識は有していない。

「やっぱり行っちまうのか?」
「ああ。他国を回って魔法の勉強をするよ」

 二十一才だった彼は、今や二十四才になっていて、僅かに残っていた少年ぽさは既に見当たらない。立派な大人の男性である。傍らには端末であるアンドロイドのスピカが控えていた。

「本体である宇宙船はどうするんだ? ここにおいていくのか?」

 ひそっとジェイドが囁く。なにせ、ユリウスは今日、スヴァイ王国を出ていく。そのことは王家に伝えていない。絶対引き止められると分かっているので、勝手に出ていくのである。いろいろと工作をしてあるので、彼がいなくなったと気が付く頃には、もう、ユリウスは国を出ているだろう。
 ユリウスが言う。

「まさか。今はスピカを持ち出すと目立ってしょうがないから置いていくが、王家の追っ手がかからないところまで行けたら、私と合流するよう指示を出すよ。ああ、ジェイド、言っておくが、その時は城を壊しながら進んでいくだろうから、スピカに巻き込まれないよう避難した方がいいぞ」

 ジェイドが苦笑いだ。

「うわぁ、なんかエグい光景になりそうだ。それ以外に方法は?」
「ない。今のスピカは飛行できないので、走行してもらうしかないんだ。となると障害物は全部、ローラーで踏み潰すような感じになる」

 ジェイドが軽快に笑う

「ははは、サディアス王太子殿下……いや、もう、サディアス陛下か。増税してまで造った城を壊されたら激怒するんじゃないか?」
「ついでにあいつのお気に入りのサロンを壊すように指示しとくか……」

 ぼそりとユリウスが言い足し、ジェイドが目を剥いた。あいつとはもちろんサディアスの事である。

「いや、ちょ……それって、いらない恨みを買わないか?」
「サロンはあいつが女を引っ張り込む場所だろう?」

 ユリウスの指摘にジェイドが息をのむ。
 ユリウスがくくっと喉の奥で笑った。

「ふ、ふふ……ああ、もしかして、全く気が付いていなかったのか? 本当、お前は良い奴だが、私と同じで、興味ないことはとことん見ないんだな。サディアスは本当、くそだぞ? 問題にならないのは、金と権力で握りつぶしているだけだ。あれが国王とはな……お前はもう少し魔法で情報収集をした方がいい」

 バリトンボイスで皮肉られて、ジェイドがむくれた。

「……下手に王家を探ると、謀反の疑いを掛けられちまう」
「謀反人に仕立て上げられるよりはいい。だろう?」

 ユリウスが笑う。その顔にジェイドは目を細めた。

「自然に笑うようになったな」
「ん?」
「いや、なんでもない。そうだ、例の創世の設計図、接触出来たか?」
「……いや、まだだ」

 ユリウスが首を横に振る。

「多分、何らかの条件が必要なんだと思う」
「お前の目指すものって、魔法と科学の融合だっけ? 夢がかなうといいな?」
「そうだな。ありがとう」

 ユリウスに手を差し出されて、ジェイドは反射的に握り返す。

「ラヴィにもよろしく。元気でと伝えてくれ」
「あ、ああ、もちろ、ん?」

 ジェイドは首を捻る。

「俺、連れ歩いている大蛇の名前、教えたっけ?」
「ラヴィに聞いたよ。お前が大好きだと、そう言っていた」

 手を振り、その場を離れたユリウスの背を見つめ、ジェイドは目を剥いた。

「はあぁ? 大蛇のラヴィと話せるのか? お前。ちょ、それ、本物の異能だぞ? おい、待て待て待て、そこんとこもっと詳しく!」

 城門で別れるはずが、ジェイドは王都の街中までユリウスについてきた。買い物をする彼の後をついて歩き、そこで、ユリウスが蛇と話せる異能持ちだと判明する。それで蛇達が彼の言うことを聞いていたのだと理解し、ジェイドは羨ましいとこぼした。

「はぁ、俺もラヴィと話したい」
「話せなくても、ジェイドが世話している蛇達はお前を慕っている」
「そりゃ、嬉しいけど……あ、そうだ! 蛇語の翻訳機! そういったのを作れないか?」
「……そうだな、考えておこう」
「期待しているぜ」
「食べるか?」

 ユリウスから串焼きを差し出され、ジェイドは驚きつつも、ありがたく受け取った。まるで長年の友人のようなやり取りだ。王都の外れまで足を運んだジェイドは、ユリウスの姿が見えなくなるまでその場に佇んで彼を見送った。



 十五年後、ジェイドは生まれた息子をあやしながら、受け取った郵便物の中身を確認し、手にした蛇語の翻訳機に、感慨深げな視線を送る。差出人不明だったが、中から出て来た手紙で、贈り主はユリウス・サウザーだと分かった。居場所を悟らせないためか、住所は書かれていない。

「約束……覚えていたんだな」

 じんっと胸が熱くなる。蛇と話したいという言葉を彼はずっと覚えていて、これを作ったんだろう。

「ラヴィ、俺の言うことが分かるか?」

 翻訳機を手に話しかけると、大蛇のラヴィの頭がくっとこちらを向く。

『分かる』

 なんだろう? 感動してしまって次の言葉が出て来ない。

「お前は俺が好きだって……」
『ああ、大好きだ。ジェイドはいつも美味しい餌をくれるからな』
「ははは、そうか。お前、ユリウス、覚えているか?」

 しばし考えるようなそぶりをみせ、ラヴィが答える。

『覚えている。創造神の声を聞く奴だ』
「……知ってるのか?」

 ジェイドは驚きに目を見開いた。

『知っている。というか、分かる。そういう奴は見れば』

 ラヴィが言うには、ラヴィにも創造神の存在は感じ取れるそう。

「凄いな」
『凄くない。これ、普通。人間が忘れているだけ』
「そうなのか?」

 ラヴィが頷く。

『創造神は生き物全てに愛を発信する。だから、皆、創造神を崇めるし、慕う。それを忘れた人間は神に逆らい、神の創造物を破壊する。どうしてだろうな?』

 そう言われても、ジェイドにも答えられない。

「多分、俺達は傲慢、なんだろうな」

 ジェイドはそう言わざるを得ない。大きな力を持った魔道師は特にそうだ。神すら凌駕できると考える節があって、そんな人間の浅はかさが、神への反逆を産んでいるような気がしてならない。そして、もしかしたら、創造神はそんな人間をも容認してくれているのかもしれない、とも思う。

「ユリウス、また、いつか会えるかな」

 そう、ジェイドはぽつりと呟いた。万感の思いを込めて。

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