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怖い……
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馬車に乗り、屋敷へ向かうも怖くて堪らなかった。
私が襲われた恐怖ではなく、キングズリーが無事かどうか……
「エイジャックス、戻って確認してほしいの。先生が無事かどうか」
「申し訳ありません。私の任務の第一優先は、お嬢様の安全です」
私がエイジャックスを待たずにお店を出てしまったのが原因で、こんなことになってしまった。
キングズリーが無事かどうかが心配でならない。
「先生……」
「お嬢様……」
屋敷に到着し、エイジャックスにその後を確認に戻ってもらう。
報告を待つ間、落ち着かずマキシーに紅茶を進められるも一口も手を付けられなかった。
「お嬢様」
エイジャックスが戻って来た。
「先生は? 大丈夫だった? 怪我とかしてない? 」
「キングズリー様は犯人を騎士に引き渡し、無事です」
「……そっか……良かった……それで、あの人はどうなるの? 」
「お嬢様次第ですね。公爵令嬢に対しての暴行でしたら、領主である旦那様に報告し処罰を仰ぎます。お嬢様が立場を隠しての被害届であれば厳重注意です」
「……この事はお父様にも報告を? 」
「もちろんです」
「黙っていてもらえませんか? 」
「それは出来ません、私は公爵に雇われた騎士ですので」
「……それだと、エイジャックスも処罰を……」
「俺の不手際なので処罰は当然です」
「違うでしょ、私がエイジャックスを待たずに店を出たからで……」
「如何なる理由があろうとお嬢様の傍を離れるべきではありませんでした」
「……いつ報告されるんですか? 」
「公爵様がお戻りになられたらすぐにでも」
「……分かりました。私も同席します」
それからすぐに父が帰宅。
エイジャックスは任務の詳細を報告。
私が襲われたという報告を聞くと父は豹変する。
「大丈夫なのか? 怪我は? 怖かっただろう? これからは部屋の前にも護衛騎士を配置する。安心しなさい」
「お父様、私は大丈夫ですから……それで、エイジャックスなんですが……」
「エイジャックス、お前は我が公爵家には必要ないっ今すぐに出……」
「お父様っ、エイジャックスは悪くありません。彼は適切な指示を出しましたが、私が身勝手に行動したんですっ。彼を辞めさせたら私は私を一生嫌いになる……お父様の事も逆恨みしてしまいそうです」
「シャルロッテ……だが、処罰を下さない訳にはいかない」
「エイジャックスは悪くないのにですか? 」
「護衛騎士は護衛対象の傍を離れることは任務放棄とみなされる。事件に関与していたと疑われても仕方がないんだ」
「それは……私が荷物を……なら、エイジャックスには王都でも私の護衛騎士に任命します。私の専属騎士にしてください」
「シャルロッテ、失敗した者を傍に置くのは……」
「あれは私の失敗です。私はこれから公爵令嬢と恥じないよう努力します。彼にも私の騎士として恥じぬよう努力して頂きます、お願いします」
「……本当にいいんだな? 」
「はい」
「分かった」
「ありがとうございます……それで、私を襲った人に対しても厳重注意で終わらせてください」
「それはならん」
「私が思わせぶりな態度を取っていたのが原因です。私にも落ち度がありました。なので、彼だけが悪い訳ではありませんので……反省して頂き、今回の事は公爵令嬢が関わっていたことは秘密にしてほしいんです」
私がとは言わずに『公爵令嬢』と言った。
貴族は些細な醜聞も嫌うのを利用。
「分かった。だが、今回の件はしっかり反省すること。王都に戻るまで屋敷から出ることを禁止。いいな? 」
「はい」
何とか今回の件は終わり、自室へ戻る。
父は有言実行なのか、既に部屋の前には騎士が待機していた。
私の軽はずみな行動で周囲の人を傷付けてしまった……
「お嬢様、本当に俺が専属騎士で良かったんですか?」
エイジャックスに問われる。
「はい。エイジャックスは優秀な騎士です。それより、今回は私の行動でご迷惑をかけてしまい申し訳ありませんでした。それに勝手に王都での護衛騎士にも任命してしまい……ご家族も困りますよね? 」
「いえ、俺を認めて頂きありがとうございます。王都での任務は昇進と捉え家族も喜ぶかと」
「あの……エイジャックスは結婚されているんですか? その突然の王都就任に困惑したりとか……」
「結婚も恋人もいませんので問題ありません」
「そうですか。では、これからもよろしくお願いします」
「はい。お嬢様の護衛騎士として仕えさせて頂きます」
「……あっそうだ、これを貰ってください」
「こちらは? 」
「領地滞在中、エイジャックスにはご迷惑をかけてしまったお礼です。値段はその……あれですが、受け取って貰えると嬉しいです」
「……お嬢様が働いて購入した物……ありがとうございます、大事にします」
恥ずかしい。
この空気耐えられない。
「マ、マキシーにもあるの」
「私にもですか? 」
私達の会話を聞いていたマキシーは自分にもあるとは思っておらず驚いていた。
「これ、どうかな? 」
マキシーに髪飾りを贈る。
「まぁ……ありがとうございます」
胸の前で抱きしめながらお礼を言うマキシー。
感動している空気がむず痒い。
私が襲われた恐怖ではなく、キングズリーが無事かどうか……
「エイジャックス、戻って確認してほしいの。先生が無事かどうか」
「申し訳ありません。私の任務の第一優先は、お嬢様の安全です」
私がエイジャックスを待たずにお店を出てしまったのが原因で、こんなことになってしまった。
キングズリーが無事かどうかが心配でならない。
「先生……」
「お嬢様……」
屋敷に到着し、エイジャックスにその後を確認に戻ってもらう。
報告を待つ間、落ち着かずマキシーに紅茶を進められるも一口も手を付けられなかった。
「お嬢様」
エイジャックスが戻って来た。
「先生は? 大丈夫だった? 怪我とかしてない? 」
「キングズリー様は犯人を騎士に引き渡し、無事です」
「……そっか……良かった……それで、あの人はどうなるの? 」
「お嬢様次第ですね。公爵令嬢に対しての暴行でしたら、領主である旦那様に報告し処罰を仰ぎます。お嬢様が立場を隠しての被害届であれば厳重注意です」
「……この事はお父様にも報告を? 」
「もちろんです」
「黙っていてもらえませんか? 」
「それは出来ません、私は公爵に雇われた騎士ですので」
「……それだと、エイジャックスも処罰を……」
「俺の不手際なので処罰は当然です」
「違うでしょ、私がエイジャックスを待たずに店を出たからで……」
「如何なる理由があろうとお嬢様の傍を離れるべきではありませんでした」
「……いつ報告されるんですか? 」
「公爵様がお戻りになられたらすぐにでも」
「……分かりました。私も同席します」
それからすぐに父が帰宅。
エイジャックスは任務の詳細を報告。
私が襲われたという報告を聞くと父は豹変する。
「大丈夫なのか? 怪我は? 怖かっただろう? これからは部屋の前にも護衛騎士を配置する。安心しなさい」
「お父様、私は大丈夫ですから……それで、エイジャックスなんですが……」
「エイジャックス、お前は我が公爵家には必要ないっ今すぐに出……」
「お父様っ、エイジャックスは悪くありません。彼は適切な指示を出しましたが、私が身勝手に行動したんですっ。彼を辞めさせたら私は私を一生嫌いになる……お父様の事も逆恨みしてしまいそうです」
「シャルロッテ……だが、処罰を下さない訳にはいかない」
「エイジャックスは悪くないのにですか? 」
「護衛騎士は護衛対象の傍を離れることは任務放棄とみなされる。事件に関与していたと疑われても仕方がないんだ」
「それは……私が荷物を……なら、エイジャックスには王都でも私の護衛騎士に任命します。私の専属騎士にしてください」
「シャルロッテ、失敗した者を傍に置くのは……」
「あれは私の失敗です。私はこれから公爵令嬢と恥じないよう努力します。彼にも私の騎士として恥じぬよう努力して頂きます、お願いします」
「……本当にいいんだな? 」
「はい」
「分かった」
「ありがとうございます……それで、私を襲った人に対しても厳重注意で終わらせてください」
「それはならん」
「私が思わせぶりな態度を取っていたのが原因です。私にも落ち度がありました。なので、彼だけが悪い訳ではありませんので……反省して頂き、今回の事は公爵令嬢が関わっていたことは秘密にしてほしいんです」
私がとは言わずに『公爵令嬢』と言った。
貴族は些細な醜聞も嫌うのを利用。
「分かった。だが、今回の件はしっかり反省すること。王都に戻るまで屋敷から出ることを禁止。いいな? 」
「はい」
何とか今回の件は終わり、自室へ戻る。
父は有言実行なのか、既に部屋の前には騎士が待機していた。
私の軽はずみな行動で周囲の人を傷付けてしまった……
「お嬢様、本当に俺が専属騎士で良かったんですか?」
エイジャックスに問われる。
「はい。エイジャックスは優秀な騎士です。それより、今回は私の行動でご迷惑をかけてしまい申し訳ありませんでした。それに勝手に王都での護衛騎士にも任命してしまい……ご家族も困りますよね? 」
「いえ、俺を認めて頂きありがとうございます。王都での任務は昇進と捉え家族も喜ぶかと」
「あの……エイジャックスは結婚されているんですか? その突然の王都就任に困惑したりとか……」
「結婚も恋人もいませんので問題ありません」
「そうですか。では、これからもよろしくお願いします」
「はい。お嬢様の護衛騎士として仕えさせて頂きます」
「……あっそうだ、これを貰ってください」
「こちらは? 」
「領地滞在中、エイジャックスにはご迷惑をかけてしまったお礼です。値段はその……あれですが、受け取って貰えると嬉しいです」
「……お嬢様が働いて購入した物……ありがとうございます、大事にします」
恥ずかしい。
この空気耐えられない。
「マ、マキシーにもあるの」
「私にもですか? 」
私達の会話を聞いていたマキシーは自分にもあるとは思っておらず驚いていた。
「これ、どうかな? 」
マキシーに髪飾りを贈る。
「まぁ……ありがとうございます」
胸の前で抱きしめながらお礼を言うマキシー。
感動している空気がむず痒い。
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