46 / 63
パーティーは強制参加に
しおりを挟む
「パーティーなんて早く終わってしまえばいいのに……」
テレンシオールパーティーに興味もなく、そのように考えているのは学園で私ぐらいだろう。
このパートナー争奪戦に巻き込まれるのには正直疲れた。
「シャルロッテ、もうそろそろテレンシオールパーティーだな。ドレスのことは心配しなくていいぞ。私が既に準備してある」
夕食にて、父との会話の事。
「パーティー……ドレス? 」
今まで、パーティーについて父と話したことは無い。
学園の行事までは私が報告しない限り把握していないだろうと思っていた。
「あぁ、懐かしいな。テレンシオールパーティーで私はアデライトに婚約を申し込んだのだ」
アデライトとは、母の事なのだろう……
出会いを思い出し、父はとても嬉しそう……
だが、この展開はよろしくないのでは……
「そう……なんですね」
これは……
「はぁ……シャルロッテもついにテレンシオールパーティーに参加するのか。仮面を付けていても美しさを隠しきれないだろうな」
「お父様……私は……」
「パートナーはもう決まっているんだろう? もし決まっていなければ私が話を付けてやるから安心しなさい」
これはもしやパーティーからは逃れられない?
もし私が『相手には既にパートナーがいらっしゃるようで、参加致しません……』なんて言おうものなら、どんな手段を使っても私にパートナーを準備しそう。
「あ……りがとう……ござぃまぁす……大丈夫です……」
私がパーティーに参加することが決定してしまった……のか?
食事を終え部屋に戻る。
「どうしよう……もう、ほとんどの男子生徒はパートナーが決定しているし、それに私がパーティーに不参加と言うのも知れ渡っている。この時期になって、パートナーがいない男性なんて都合よくいない……あいつ……」
一人だけ、思い浮かぶ人間はいる。
だが、その相手だけは選びたくない。
「……土壇場で逃げるしかないよね……」
パーティーは学園の一番広い会場を使用する。
その為、馬車の停車場から少し歩いた場所にある。
「その時に教室に引きこもれば……うん、そうしよう」
翌日。
学園に登校。
『今日の私にパーティーのパートナーを誘う人が現れたら受けてもいいですよ? 』
隙を見せ、無意味に廊下を歩いていた。
結果は……
「誰にも誘われない……」
もう、九割はパートナーが決定している。
残りは呆れめているというより、初めから参加するつもりのない平民。
当日着用する白い清潔な洋服を準備できないことで参加を辞退した者。
パートナー問題ではなく、自らの意思で不参加を希望している者なのでパートナーを積極的に探すこともない。
そのような理由だと知っていたら、協力するのだが私は誰が平民なのか全く分からなかったしその情報を得る手段を持ち合わせていない。
パーティーまでの貴重な時間、私は何も出来ずに過ごしてしまった。
テレンシオールパーティーに興味もなく、そのように考えているのは学園で私ぐらいだろう。
このパートナー争奪戦に巻き込まれるのには正直疲れた。
「シャルロッテ、もうそろそろテレンシオールパーティーだな。ドレスのことは心配しなくていいぞ。私が既に準備してある」
夕食にて、父との会話の事。
「パーティー……ドレス? 」
今まで、パーティーについて父と話したことは無い。
学園の行事までは私が報告しない限り把握していないだろうと思っていた。
「あぁ、懐かしいな。テレンシオールパーティーで私はアデライトに婚約を申し込んだのだ」
アデライトとは、母の事なのだろう……
出会いを思い出し、父はとても嬉しそう……
だが、この展開はよろしくないのでは……
「そう……なんですね」
これは……
「はぁ……シャルロッテもついにテレンシオールパーティーに参加するのか。仮面を付けていても美しさを隠しきれないだろうな」
「お父様……私は……」
「パートナーはもう決まっているんだろう? もし決まっていなければ私が話を付けてやるから安心しなさい」
これはもしやパーティーからは逃れられない?
もし私が『相手には既にパートナーがいらっしゃるようで、参加致しません……』なんて言おうものなら、どんな手段を使っても私にパートナーを準備しそう。
「あ……りがとう……ござぃまぁす……大丈夫です……」
私がパーティーに参加することが決定してしまった……のか?
食事を終え部屋に戻る。
「どうしよう……もう、ほとんどの男子生徒はパートナーが決定しているし、それに私がパーティーに不参加と言うのも知れ渡っている。この時期になって、パートナーがいない男性なんて都合よくいない……あいつ……」
一人だけ、思い浮かぶ人間はいる。
だが、その相手だけは選びたくない。
「……土壇場で逃げるしかないよね……」
パーティーは学園の一番広い会場を使用する。
その為、馬車の停車場から少し歩いた場所にある。
「その時に教室に引きこもれば……うん、そうしよう」
翌日。
学園に登校。
『今日の私にパーティーのパートナーを誘う人が現れたら受けてもいいですよ? 』
隙を見せ、無意味に廊下を歩いていた。
結果は……
「誰にも誘われない……」
もう、九割はパートナーが決定している。
残りは呆れめているというより、初めから参加するつもりのない平民。
当日着用する白い清潔な洋服を準備できないことで参加を辞退した者。
パートナー問題ではなく、自らの意思で不参加を希望している者なのでパートナーを積極的に探すこともない。
そのような理由だと知っていたら、協力するのだが私は誰が平民なのか全く分からなかったしその情報を得る手段を持ち合わせていない。
パーティーまでの貴重な時間、私は何も出来ずに過ごしてしまった。
673
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
前世の記憶が蘇ったので、身を引いてのんびり過ごすことにします
柚木ゆず
恋愛
※明日(3月6日)より、もうひとつのエピローグと番外編の投稿を始めさせていただきます。
我が儘で強引で性格が非常に悪い、筆頭侯爵家の嫡男アルノー。そんな彼を伯爵令嬢エレーヌは『ブレずに力強く引っ張ってくださる自信に満ちた方』と狂信的に愛し、アルノーが自ら選んだ5人の婚約者候補の1人として、アルノーに選んでもらえるよう3年間必死に自分を磨き続けていました。
けれどある日無理がたたり、倒れて後頭部を打ったことで前世の記憶が覚醒。それによって冷静に物事を見られるようになり、ようやくアルノーは滅茶苦茶な人間だと気付いたのでした。
「オレの婚約者候補になれと言ってきて、それを光栄に思えだとか……。倒れたのに心配をしてくださらないどころか、異常が残っていたら候補者から脱落させると言い出すとか……。そんな方に夢中になっていただなんて、私はなんて愚かなのかしら」
そのためエレーヌは即座に、候補者を辞退。その出来事が切っ掛けとなって、エレーヌの人生は明るいものへと変化してゆくことになるのでした。
行き倒れていた人達を助けたら、8年前にわたしを追い出した元家族でした
柚木ゆず
恋愛
行き倒れていた3人の男女を介抱したら、その人達は8年前にわたしをお屋敷から追い出した実父と継母と腹違いの妹でした。
お父様達は貴族なのに3人だけで行動していて、しかも当時の面影がなくなるほどに全員が老けてやつれていたんです。わたしが追い出されてから今日までの間に、なにがあったのでしょうか……?
※体調の影響で一時的に感想欄を閉じております。
婚約者と家族に裏切られたので小さな反撃をしたら、大変なことになったみたいです
柚木ゆず
恋愛
コストール子爵令嬢マドゥレーヌ。彼女はある日、実父、継母、腹違いの妹、そして婚約者に裏切られ、コストール家を追放されることとなってしまいました。
ですがその際にマドゥレーヌが咄嗟に口にした『ある言葉』によって、マドゥレーヌが去ったあとのコストール家では大変なことが起きるのでした――。
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
私の宝物を奪っていく妹に、全部あげてみた結果
柚木ゆず
恋愛
※4月27日、本編完結いたしました。明日28日より、番外編を投稿させていただきます。
姉マリエットの宝物を奪うことを悦びにしている、妹のミレーヌ。2人の両親はミレーヌを溺愛しているため咎められることはなく、マリエットはいつもそんなミレーヌに怯えていました。
ですが、ある日。とある出来事によってマリエットがミレーヌに宝物を全てあげると決めたことにより、2人の人生は大きく変わってゆくのでした。
婚約者が妹と婚約したいと言い出しましたが、わたしに妹はいないのですが?
柚木ゆず
恋愛
婚約者であるアスユト子爵家の嫡男マティウス様が、わたしとの関係を解消して妹のルナと婚約をしたいと言い出しました。
わたしには、妹なんていないのに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる