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まさかの人物到来①
しおりを挟む「王国兵がこの冒険者ギルド建物を取り囲んでいます!!」
ギルドマスター室で歓談(強制)する中、突如として訪れた緊急事態。
冒険者ギルドの問題というよりは、どう考えても王城から逃亡した俺とアリスを追って来たことは明白だった。
あちゃー。
いつかこんな日が来るとは覚悟していたが想像の一〇倍早かった。それはアリスも同じようで彼女は苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべていた。
対してギルドマスターであるアルマテア・ガラハッドはこんな状況にも関わらず極めて冷静な態度だった。
「ふむ。それで向こうの要求は?」
「王国兵達はお前達が匿っている勇者を差し出せと意味不明なことを言っています。あの、なんのことでしょうか……?」
「あぁ気にしなくてもいいよ。対応はすぐに此方で考えよう。君は持ち場に戻りたまへ」
「かしこまりました」
報告に来たギルド職員はアルマテアの指示に従い部屋を後にした。
「それでこの状況、どうしたものかね」
「そもそもなんでカゲト達がここにいると王国の連中は分かったニャ?」
猫耳受付嬢ニャルメアが首を傾げた。
それは俺も疑問だ。王城から逃亡してから大した日数も経過していない上に、この都市は王城からそれなりに離れている。
普通であればこんなに早い動きが出来るはずがない。
「ニャルの疑問はもっともなものだ。まぁおそらく探知魔術の系統だろうな。なにせ王城にはあの第二王女モルガンがいる。彼女にかかればその程度朝飯前だろうな」
「え、あのクソアバズレそんな凄い存在だったの?」
「明星君、いくらなんでも失礼よ」
アリスに怒られちゃった。ちぇー。
とはいえ探知系統の魔術か。だとしたら相当に厄介だ。
まだ発振器等の物であれば取り外せるから楽だが、魔術となるとどうするべきか皆目見当もつかない。いっそ世界の裏側とかにでも行けばいいのだろうか。
『ま☆ モルガンについては一度置いておくとして』
「うん?」
突然、アイテムボックス内から声を上げた聖剣ちゃん。当然アルマテアは姿なき声に首を傾げた。
「あ、こら。人前で喋るな」
『彼女はまぁ大丈夫でしょう』
「基準が分からんなぁ」
彼女は一体全体何を思ってそう判断しているのだろうか。小一時間程度かけて問いただしたいところである。
『よっと聖剣ちゃん登場☆』
『あ、じゃあ魔剣ちゃんも魔剣ちゃんも。はぁー気を利かせて早く出しなさいよね。これだから童貞マスターはダメ♡ダメ♡』
『お、じゃあ俺様も便乗させて貰うわ』
聖剣ちゃんと魔剣ちゃんはアイテムボックスから、魔導本はアリスの懐から勝手に飛び出した。コイツ等はこんな状況にも関わらずフリーダムだなぁ。
「ニャニャニャ~マジでおったまげたのニャ~」
「これは中々に壮観な光景だ。まさか生きている内にこの数の神話級武器を目にすることになるとはね」
『以後お見知りおきを☆』
聖剣ちゃん達は軽く自己紹介を済ますとおもむろに語り始めた。
『それでこの状況どうします?』
なんでお前が仕切ってんだよ。
そうツッコミたいところだが、あまり時間がないことを鑑みて今は自重しておいた。
「ふむ、私としてはギルドのほうで対処しても良いと考えているが……」
「いや俺達が出るよ。流石にギルドに迷惑はかけられないしね」
「そうね。自分たちで蒔いた種なのだから私達だけで対処すべきよ」
「そうして貰えると立場上非常にありがたいよ。なにか必要なことがあれば言ってくれ。可能な限り応えよう」
◆
「これはこれはまぁ……随分と大所帯なことで」
冒険者ギルドから出るとそこには建物を囲むように立ちはだかる百を越える王国兵士がいた。ガチガチのガチ武装だ。大人げなくない?
しかも。しかもだ。
「ギャハハハ! このクソ陰キャが!! 今更謝ったって遅ぇぞ!!!」
「ま、そういうことだ。悪いね陰キャ君」
えーまさかのコイツらかー。
王国兵の中心にはまさかのまさか。同じ異世界転移者である陽キャイケメン・天上院天下とヤンキー君が存在していた。
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