【完結】剣の世界に憧れて上京した村人だけど兵士にも冒険者にもなれませんでした。

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獣人を、食う

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 「街の奴等はおれ達を捕まえて食いもんにするって、大人達が」

「だからおれ等、兄貴達に食われちゃうんだなーって…」

 何となくだけど、意味が違う気がする。昔はそのままの意味だったかも知れないが、まあ知らなくて当然だろう。夕飯を食べ、風呂で体を擦り擦られ、男の子達と語り合う。

「この場所に村を作るから、お前達には住民になって欲しいんだ。畑を耕したり魔物を狩ったり、家作ったりしてさ。村を大きくしてもらいたいんだ」

「それっておれ達の住んでたトコと変わんないよな?」

「大人達と変わんないな!」

「違うのは風呂のあるなしくらいだろ」

「女しか居ない!」「ヒトが居るぜ」

「草食う!」「味しょっぱい」

「家が無い!」「壁ばっか」

 …色々違うみたいだな。家と男手、それを賄える食料の調達は急務だと思う。

 村民が増えて4日目。エヴァさんを含めた大人獣人8人が僕の所に集まって来た。

「は?お手付き?お手付きって、アレ…だよな。無理矢理集落を追い出されたんじゃないのか?知らん奴と致したくなんて無いでしょ?」

「ええ。けどね、当然されるものと思ってたのさ。けど旦那、あたい等なんかにゃ見向きもしないで男共とばっかり」

 それ風呂入ってるだけだから。

「私達だって、覚悟決めて来たんです。お情けくれても良いじゃないスかっ」

「私は、行かなきゃ子供を殺すって…それで村を出ました。けど旦那様は子供達が最優先って言ってくれました。そんな旦那様になら、もう5・6人産んでも…」

 産み過ぎじゃね?いやこっちの人達はそう言うモノなのか?

「そりゃあみんな美人だし、僕だって頑張りたいけど」「ならっ」「あたい等を旦那のモノにしてくんさいっ」

「妻達が何て言うかだよ」

「旦那様、それについてはお許しが」

 出たの?出たって。マジでか。孕んでも良いのか?聞くと、集落の女達は産む事で初めて集落の一員になれると言うのだ。子供はと続けて聞くと、いつ死ぬか分からない子供等は、男は成人して働き出すまで、女は産むまで一人前と見なされないそうな。そう考えると村の一員になったエヴァさんを追い出した集落は酷い所だな。一番酷いのは赤ちゃんを母親も付けず出して来た所だが。

「分かったよ。この村では赤ちゃん産んでなくても村の一員だけどさ」

 僕の言葉にわあっと嬉声が上がる。風習ってなかなか廃れないんだよな。

「1発だけでもありがてえや」

「孕ませてくれるだけで御の字だよ」

「いや、するならいっぱいしたいよ?」

「嬉しい事っ」「旦那様っ私毎年産みますっ」

 毎年はちょっと…。

「で、誰とヤったのよ?」

 獣人女性に揉みくちゃにされ、午後の予定が潰された僕は、ロシェルに羽交い締めにされてセーナの尋問を受ける。

「ヤってない。明日からだって」

「へー。本当に?エリザベス様?」

「事実ですわね。そのような姿はありませんでした」

 索敵で見てたのかよ。

「はい。汚れも子種もありませんでした」

 ライラの言葉が一番真実味があるな。事実だが。

「首に毛が着いてるよ~?」

 風呂入ったばっかりだってば。

「それ、俺、かも…」

 ちゃんと洗え馬鹿。

「ヤったか?」

「「ヤってないっ」」

「はあ。明日に備えて寝ましょ。あンたも明日に備えなさいね」

 それ皆の見てる前で致せって事?止めてよ恥ずかしい。

「そろそろ町に行くので、その準備をするのです」

「町?ああそうか」

 マキの答えに納得行った。食料消費が3倍に増えたので野菜等を買い増ししなきゃならんのだ。拠点に備蓄がある内に出発しないと帰った頃には飢餓が発生してしまう。それだけは避けなければ。


「今日はあたい等、西で草摘みするからね」

「子供等は水場から先に来ないように」

「来ても遊んでやれないから。良い子で遊んでな?」

「「「はーーい」」」

 満を持して迎えた翌日。獣人女性達は揃って野草摘みをすると言う。護衛に僕が同行する事になったが、普段野菜を食べない生活してたのに、草摘みするのはなぜだろう?








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