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8 落ち着いて勉強する事は出来ない
しおりを挟む朝が来る。カーテンの隙間から差す光は朝である事を示し、窓の外では鳥が囀り、食事探しの準備に余念が無い。しかし杏里の寝室にいてはそれも聞こえない。浴室で発動した王の《結界》魔法は家全体を覆っており、術者が解くか、約24時間経つまで解除される事は無い。
あれから3人は一睡もせず愛し合う予定であった。…が、樹里は階段でのダメージが蓄積し、早々に夢の世界へ旅立った。それからは杏里と大人の夜を過ごし、朝になり、やっと王子を解き放つ事を許された。
「杏里、《回復》は掛けてるけど、平気?」
母親を名前で呼ぶ。母が女である事を望んだ結果だ。
「アナタのためならえんやほらよ。朝食にするから樹里を起こしてちょうだい」
息子を夫のように呼ぶ。息子を番と認めた証であった。
抱き着く杏里が舌を伸ばし、王の舌と絡み合う。おはようのキス。親子でする濃さではないが、互いにソレを求め合う。舌先から伸びた糸にムラムラが沸き起こるが、杏里は肌に当たるソレを感じるとクスりと笑みを浮かべ、すぐ横で寝ている樹里を指差した。自らの娘を人身御供に捧げたようでいて、『次は私』と予約をしたのかも知れない。
生贄はうつ伏せ寝。足側から布団の中に忍び込むと鼻腔をくすぐる女の匂いに王子は敏感な反応を見せた。
─ゴムは…ある。新しいのは今日届く…─
王は我慢し、なかなか子種を成さなかったが、それでも2箱弱の封印を消費した。今の手持ちはその1枚。1箱は残したいので最後の1枚である。彼は自らの手で王子に封印を施すと、片脚を曲げて眠る樹里の股へ宛てがった。
─急に挿れると危ないな。…《スリープ》─
寝ている相手を更に寝かせて王子を押し入らせ、内部の湿潤感を確認して魔法を解いた。
「ん…んふぅ…んにぃ…そこぉ…」
夢の中でも交合っているのだろう。樹里は王の名を呼び、欲求を求めた。
「樹里。樹里の中、あったかくて、締め付けて、ぬるぬるで…凄く良いよ…」
樹里の寝言に返事を返し、ゆっくりと王子を前後させながら最奥へと収めた。
「おにぃ…あらしもぉ」
「けど、もう朝だよ。母さんが朝食作ってる」
「…………」
「起きたらおっぱいぺろぺろさせて?昨日はもっとしたかったんだ」
「……お…おきゆ…」
「起きれよ」
少し激しく突いてやり、樹里はようやく目を覚ました。もちろん樹里の胸は王の唾液とキスマーク塗れとなった。
「お母さん、おはよう」「おはよう」
「おはよう2人共、早く食べちゃいなさいね」
キッチンの杏里は母であった。王はそれが嬉しくもあり、昨夜の姿が思い出されると少し寂しくもあった。
「お兄ぃ、今日は家にいる?」
「勉強するぞ?」
「でもきんちゃん、参考書とカバン、新しいのが欲しいのでしょ?お小遣いあげるから買ってらっしゃいな」
「私も行く!デートしたいっ!」
「デート…、デートなぁ。デートは言い触らすのと一緒だろ?出来ないよ」
「酷いっ!」
「それに、2人と外に出たら絶対したくなっちゃうじゃん。俺勃起したまま歩きたくないよ」
王は席から立ち上がると、少し疲れの見えるジャージから元気いっぱいの王子が顔を出している姿を見せた。
「ご馳走様。母さん、デザート良いかな?」
「うふ、待ってたわ」「あ、狡い!」
「樹里はおはようのをもらったでしょ?」
杏里は朝までしてたけど、王は口には出さなかった。女に戻った杏里はエプロンのポケットからゴムを1つ取り出すと、慣れた手付きで王子に封印を施す。起き抜けに1枚持って来ていたらしいが、こうなる事を予想していたのだろうか。だが王はその気配りが嬉しかった。樹里がジト目を向ける中、杏里の中を堪能し、股間を弄る樹里にもデザートを要求した。
「ついでに図書館行って来る。家だと我慢出来ないから」
「早くっ帰ってきっ、来なさいっねっ」
「あんっ!あんっ!イ、イクッ!イくからあああっ」
シャワーを浴び、浴室でも一戦交える王達であった。
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