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11 午後のひととき
しおりを挟む図書館。異世界では蔵書館や書庫、蔵書庫と呼ばれ、魔法や歴史書が多く所蔵されてた。ここ日本では漫画から専門書まで広く浅く所蔵されており、蔵書を読むだけでなく自前で教材を持ち込んで勉強する場としても使われている。王の目的も後者であり、彼の背負ったカバンには、昨日買った参考書等が収められていた。
「あ…。こんにちは…」
「勉強しに来ました」
「はい、ではこちらに記載を…」
「あ、カード作りたいんですけど」
「はい。大丈夫です…」
王の利用する図書館は入館に際して署名と住所の確認が義務付けられる。その煩わしさを回避するための会員カードだが、王は財布毎帰還時に紛失しているため作り直してもらった。
「保内、王さん…ですね?」
王の名は当て字であり、決して王をキングとは読まない。だが数十年前の流行りに乗って訳の分からぬ当て字名前が増えた結果、抑えめで、且つオンリーワンな当て字名前に落ち着いた歴史がある。
「カード…離して」
「あっ、ご、ごめんなさいっ」
両手で掴んで離さないカードがやっと手放された王は、職員から離れて席に着く。カバンから色々取り出して勉強を始めると、次第に女が集まって来た。しかし《集中》している王はソレに気付かず、左右から胸を押し付けられている事に気付いて声を上げてしまうのに2時間を要した。
昼は買って食べるため財布に金を用意したが、周りを見て、再び参考書に目をやった。勉強を続けるためでなく、どうしようかと悩むためだ。
─牛丼ならカウンターあるけど、出待ちされるのは嫌だな…。1度家に帰るか?樹里を抱く未来しか見えない…─
王は決断し、席を立つ。そして図書館を出るとコンビニへ向かい、少し離れた自然公園へ向かった。数は減ったが、やはり女達は着いて来た。図書館から着いた来たのだろうか、コンビニの袋を携えている者もいる。
「ねね、お昼食べるんでしょ?」「お兄さん、一緒に食べようよっ」
「日が高いからあっちの木陰に行くよ。それでも良ければ」
王は誘いに乗った。そして普段人気の無い樹林エリアを指差した。向かった先は植樹されるも夏の陽気で手入れが怠り、高く生え立つ下草を倒さねば座れぬような場所である。スカートの女性には些か厳しい場所であるが、女達は着いて来た。
─中々断らないんだよなぁ。仕方ない─
王は少しの間女達に《催眠》を掛ける。異世界技術を晒したくないからだ。そして女達を囲むように《結界》を張ると、地面に低い床を張り、壁を建てた。《土魔法》の《煉瓦壁》である。
「え?壁?どこ?」「草が無くなってる」
「これなら座って食べられるでしょ?」
王は床に腰を下ろすとコンビニで買ったウェットティッシュを引き抜いて、1人の女に手渡した。
「コラ、みんなで使ってって渡したんだからしまっちゃダメだよ」
「あ、そ、そうね。ごめんなさい」
「罰として、口で立たせて」
「はっ、はいっ」
彼女にとって、それは罰であったのか。嬉々として晒された王子に顔を埋める女であった。他の者はその態度に嫌そうな顔をしたが、王が食事を勧めると笑顔に戻って食事を始めた。昼食を持って来なかった者にも分け与えたり、腹より心が満たされた。
「さあ、ご飯食べたし準備出来たよ」
「「「わあっ」」」
女達は嬉声を上げ、仲良く王に跨った。罰を受けた女は最後になってしまったが、しっかり子種を注がれて、皆満足したようだ。
「もうここで勉強するか。みんな夕方まで平気?」
ダメと言う者はいない。逆に膝枕で食休みしろと誘われた。下半身を晒した太腿に王の後頭部は吸い込まれる様に天を仰ぎ、横になった王に反して反り上がる王子。女達は食休みもなしに跨り続けた。
「お兄さぁん、こんなに溢れて来ましたぁ~」
「あむ、もっあいあい」「やん!飲まないでぇ」
「また注いであげるからね」
孕むとか、どうでも良くなってしまった王であった。
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