異世界から帰ったのに何かおかしい 〜俺ってそんなにモテてたか?〜

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15 解き放たれる封印

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 あれから1週間。カバンに隠し持ったゴムが使われる事はなく、王は家と人気の無い所で女性に中出しをキメ続けた。だが遂にその封印が解かれる時を得る。ボディーメンテナンスから明けた近隣主婦達とのに誘われたのだ。

─箱で持って行くか─

 《収納》に一箱忍ばせ家を出る。母には遅くなると正直に打ち明け先付けを渡したし、妹は寝起きを玉子で満たしてやった。どうせ看破されるなら、分かるようにしてやるまでだ。

 サヤに送ってもらった近所の公園に近付くと、道案内役の主婦ヨシエさんが入口で待っていて、王が見えるのと同時に公園から離れる。王はヨシエさんを追ってそのまま歩いた。

 男と女、意識しなければ歩幅の関係で追い付いてしまうのが自然であり、王とヨシエさんは横並びとなった。

「楽しみにしてたの」

「俺もです。凄く溜まってるんですけど、良いですか?」

「今すぐココでヤっても良いのよ?」

 ケンカでもセックスでも、天下の往来でやってはならない。王は硬くなる王子をカバンで隠し、ズボンを盛り上げる怒張を横並びの主婦に見せ付けた。

「素敵……」

「まだ、着きませんか?」

「早く突いて欲しいわぁ」

 言葉の意味は違っていても、考えている事は同じであった。それはヨシエさんが立ち止まった先で待つ者達も同様であった。

 そこは分譲マンション。監視カメラとオートロックに護られた鉄壁の要塞は、不用な者の立ち入りを頑なに拒み、何事かあらば警備会社から私兵が駆け付ける。異世界とは桁違いの警備レベルを持つ建物であり、自動ドアの防犯シャッターが降りたなら雑魚程度の魔物では破壊する事すら出来ないであろう。では王ならば…。

「お待たせ、今着いたわ……うん、分かった」

 溢れ出す欲望を抑えるためにマンション砦の攻略を考えていると、通話していたヨシエさんが王の手を引き不動の扉へ誘っいざな た。

「さ、行きましょ」

 電気仕掛けの扉が開く。地球、異世界関わらず、この砦の攻略法は内通者を得る事にあったようだ。王達はエントランスを潜り、狭い密室に囚われる。あちらでは階層転移装置と呼ばれ、こちらではエレベーターと呼ばれる密室に閉じ込められるとヨシエさんと王は向かい合って転移が終わるのを待った。王はこの場でキスでもと心をときめかせたがヨシエさんは不動で王を見詰めている。彼の期待を裏切り、彼女の欲望を抑えたのは監視カメラの目が光っていたからに他ならない。

「キスしたい」

「私も……」

 願望が言葉に出てしまう。相手も同意を口にする。顔を紅潮させて息を荒くするヨシエさんは、それでも不動を貫いた。この先で待つ4人の結束は、余程強い物なのであろう。

「王く~ん、ココよ~」

 エレベーターから降りると部屋のドアを開けて待つ一人が声を掛けて来た。この場を設けてくれたマナミさんであり、これから向かう一室は、彼女が会社勤めしてる時に入手した資産であると言う。

「ヨシエさん、ご苦労様ね?王君もようこそっ」

「王くん待ってたぁ」「早く早くっ、先ずは、ワ・タ・シ?」

「こーらイハル、それ王君には分からないでしょ?とにかく座って落ち着いて。なんだからっ」

「「はぁ~い」」「こっちよ」「くっ付いちゃお~」

 マナミさんの言葉で場が収まり、王は5人に密着されて部屋へと通された。部屋にはラグが敷かれ、ソファーセットとローテーブルそしてテレビセットがあるだけのシンプルな、悪く言うなら殺風景な部屋であった。だがそれはこの物件が売り時を待つ物であり、この数日で急遽あしらえた家具である事を意味した。

「王君は紅茶とコーヒー、どっちが良い?」

「皆さんのと同じが良いです」

「じゃあ、口移しで飲ませてあげるっ」「なら色んなのがあった方が良いかも」「ジュース無い?」「淹れるの私なんだからっ面倒臭くしないで?後ジュース無いからっ」

 女性達が口を開くと姦しくなるのはどの世界も変わらない。









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