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19 群れる女達
しおりを挟む9月になり、学校が始まると王は嫉妬の眼差しを浴びる事となった。登下校では妹を含めた女達に囲まれ、校舎にいては追い掛けられて、昼食を一人でや男達と食す機会が失われた。
王は元々嫌われる程の容姿や性格ではなかったが、学力と運動能力、そして歳に似合わぬ落ち着きがモテる原因であるとクラスの男達は結論付けた。彼が異世界からの帰還者で、異世界の女神にモテさせてもらったと説明したとして、信じる者は少数であろう。
「ねね、王くん、カラオケ行こーよ」「ファミレスでだべろ?」「ゲーセンどう?プリ撮ろ?」
「お兄ぃ、帰るよ~」
王の平和を守るのは妹の仕事となっていた。学生達は遊びの誘いをしているように見えて、王子や玉子を狙っている事が知れたからだ。始業式の日の朝に孕ませてと言われたら流石の王も釘を刺す。それからは直接的な言葉でのお誘いは減ったが、誘いに乗ると必ず股を開かれた。他の女に嫉妬しないと約束した樹里ではあったが、帰りが遅くなるのを良しとしない母と結託し、平日は特に予定がない限り直帰を命じられた。
駅まで歩き、電車に乗って最寄り駅。王の周りだけ女性専用車両のようになり、立っていた王は王子を咥えられる。女達の協調に、王は一抹の恐怖を覚えた。
「今日も凄かったねー」
「我慢する身にもなってくれよ」
「その分、家で…ね?」
女達と一緒になってしゃぶっていた妹は、家でのお代わりを要求した。だが王はそれを拒む。宿題や予習を終わらせない限り王が剣を抜く事はないのだ。愚妹が終わらせられぬ日は、家事とパートで家族を支える賢母杏里に愛を注いだ。そして樹里には朝注ぐ。
土曜を勉強に費やして、日曜日がやって来る。王は朝から家を出ると、気配を消して予定の場所へ歩き出す。2軒隣の皆崎優子は感じぬ気配を感じ取り、インターホンが鳴ると躊躇なくドアを開けた。
皆崎さんと通じた後は、分譲マンションでマナミさん達と儀式をし、サヤの車でマンションをハシゴし孕ませセックスを行った。
「そろそろ妊娠したかな?」
「もっと呼んでくれて良いのよ?」
王の問いに、聞きたい返事は返って来なかった。妊娠したら教えてくれるのだろうか?そしてサヤはハンドバッグから封筒を取り出し王へ差し出した。高額紙幣が束になっているのが厚みで分かる。
「貰い過ぎだよ」
「互いの生活のため、よ。貰っておいて」
「なら、貰った分働かなきゃ、ね」「あんっ」
王は異世界技術を躊躇わず使った。皆崎さん以外には時間経過のリスクについての説明はしなかったが、皆受け入れてくれた。受け入れる事で長く愛されるのだから断る理由等ないのだ。
サヤと別れて時間は昼。魔法空間では3日程経っていた。
「あ…、王くん……」
王の一日は終わらない。思いを遂げたい乙女達がこの日を待っているのだ。隣のクラスの三枝さんは、奥床しい子で彼女のクラスではあまり良い立場にはない。今日もこうして王の案内係を賜わって、友達の待つ場へと向かわねばならぬ。
「お待たせ瑠花。行こうか」
「うん…、名前、覚えててくれてたんだ……」
「1年の時は同クラだもん、覚えてるよ。それに、可愛いし」
「か、可愛く…なんて……」
「最初に抱くから。最後も抱くから」
「王くん……」
友達との待ち合わせの場に着くと、女達に《催眠》を掛けて仲を取り持つ。それが叶わぬならそれで終わりと言われたら、女達は否定出来ない。女達は三枝さんに詫びを入れ、2人のセックスを手慰みしながら見守った。
─それにしても、廃ビルなんてよく見付けたモノだな─
王が来るとなって少しはキレイにしたのだろう場所は、普段どの程度の連中が屯しているか容易に想像が付く頭の悪い奴等の溜まり場であった。そこに集まった隣のクラスの女子全員が、股を弄りながら王と三枝さんとの情事を見ている。次は私と期待して。
だが王は分身体に女達を犯させた。王自身が三枝さんを抱けるように。
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