異世界から帰ったのに何かおかしい 〜俺ってそんなにモテてたか？〜

35 報酬は金以外で

　王が日本で宜しくヤっている間、世界情勢は大きく変わった。日本から南米全土への渡航が禁止され、北米経由での南米への旅行者が激増した。その中には日本人もいて、現地で調達した武器を使って魔物狩りを楽しむ者が現れた。自己顕示欲が強い彼等は動画やライブで魔物を殺す様子を配信し、稀に殺されニュースになった。

　南米から北上する魔物はパナマ海峡に阻まれ今はまだ侵攻に至ってはいない。それは王が指導をし、戦い方を仕込んだ国家保安隊の努力の賜物である。国家間の軍事バランスを動かす所業にアメリカは反発したが、お得意の銃が効かないのでは言葉尻も弱くなる。それに実際には退化しているのだから苦虫を噛み潰したような顔にもなろう。

　南米全体の人口は約4億3000万人に減少した。都市を少し離れるだけで魔物の闊歩するファンタジーな世界に変わってしまった南米だが、人口の減少は約800万人で済んだと言える。これは世界全土に拡散された『車で轢き殺せ』動画の影響が大きい。王の父、純一の動画であり、銃弾が効かない事、車で轢き殺せる事。角材程度の武器でも殺せる事が世に知られた事で、魔物に近い場所で生活している者達でも自衛手段を得られたからである。

　亡くなった者は主に欧米系の人種が主で、先住民族系が続く。後者は勇敢に、前者はまあそれなりの亡くなり方をしたそうだ。

　日本では人間同士、または機械と人間、動物と人間の命のやり取りがニュースに並び、ゴブリン襲来のニュースは鳴りを潜めてしまった。

『王様、日本にモンスターが現れました』

　対岸の火事を忘れかけていたそんな中、日本の洞窟からゴブリンが出たとの報道がなされたと王は報告を受けた。

『日本には自衛隊がある。彼等は戦い方を知っているよ』

　スペイン語の報告に返す王。王は今、パナマシティの高級ホテルに居た。もちろん国選娼婦達と楽しむためだ。パナマ政府により貸与された一室で、南米各国の女性達を妊娠させている。今日は33ヶ国の内20の国から女性が集まった。彼女達一人一人に2人から3人の王の分体が付き、快楽と祖国の安全、そして報酬のために王の精液を受け止める。

『王様。私は処女です。どうか妊娠させてください』

『安心して。歳はいくつ？』

『11歳、です』

　王はその娘の小ささに歳を聞いたが、あくまで聞いただけであり、《浄化》した股に顔を埋める。断れば、彼女の生活は滞ってしまうのだ。

『本当に処女だね。沢山射精してあげるよ』

『ありがとうございます。……おう、んぉ…』

　国選娼婦になる者は、初めは国が探して来た娼婦で次に政府関係者となった。だが時が経つに連れて人選が難しくなって行く。政府関係者には人員に限りがあるのだ。そこで国民の中から自薦他薦で選ばれた女性を国選娼婦として、王へ捧げられる事となる。妊娠すれば多大な報酬があると言われ、この娘のように親に売られる者もいる。

　王はそう言う者程大事に扱う。丁寧に愛撫をし、痛みや抵抗を和らげて、心から王の虜に変える。破瓜の痛みを快楽に変え、王は何度も娘を犯す。そして娘は王を愛し、着床するまで通う事となる。

「処女でも良いけど、子供過ぎるよ。どこの国？」

「…キューバ、です」

「嘘吐くと、お前の国と仲良くしないぞ？」

「もうしわけ、ございません」

　娘はアルゼンチンの国選娼婦であると言う。日本語を話す代理人の故郷でもある。代理人は他の国の代理人に部屋を出され、その後姿を見る事は無い。この日以降、15を下回る歳の国選娼婦は姿を消した。

　だが王は子供が嫌いではない。親に売られた事が気に食わなかったのだ。国選娼婦達との仕事が終わればホテルを出て、パナマの女児に性教育を教えると称して処女を奪ったり、お菓子で釣って大人ごっこを楽しんだ。娘のいる母親を探して愛し合うのも王の好みであり、必ず2人共妊娠させた。

　王は、中南米の男達に『姦淫の獣』と呼ばれるようになっていた。