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40 変化する二週間
しおりを挟む半日もせず1億再生を稼いだ父の動画には南米からはもちろんの事、世界各国からの『真似する』だとか感謝を述べるコメントが溢れた。当然日本からも。
「王君~弟が変な動画見付けて来て丸太どこに売ってるか探してるの~。止めて~」
─日本人にも浸透しているようだな─
「丸太がないならきっと諦めるさ」
思ってもない事を言う王であったが、一週間もすると悪い意味でニュースに取り上げられる事となる。
『公園の植樹にゴムシートが巻かれ、木の棒で叩くと言う事件が全国で発生しています。この件に関して…………』
「お父さんの動画のせいだよね?」
「生木を虐めちゃダメだよな」
「お兄ぃがやらしたんだよね?」
「…………」
「王、責任は取りなさい?」
── 一週間後 ──
『公園に突然、ゴムシートの巻かれたコンクリート製の柱が現れる事件が全国各地で発生しています。この件に…………』
「お兄ぃ?」
「国がやったんだよ!」
国のメールに意見を返したらこうなった。法に関しては無視するクセに、各地の名物になりそうな事には率先して手を下す。各地の公園に何本も設置されたコンクリ巻藁は、誰もが殴れる練習器具として大人も子供も群がった。人口の多い所では徹夜や場所取り等でトラブルが発生してしまい、役所職員が現場に立って時間で区切るようにしたらしい。
「王君!家の馬鹿が公園で徹夜してお巡りに捕まった!助けて!」
いつも馬鹿っぽい口調の女が珍しく歯切れ良い。助けてと言う割にすぐ開放されたそうだが、夜の公園で木刀を振り回していればそれが正しい使い方であっても補導されるのは当たり前だ。ちゃんと時間を決めて殴るよう伝えておいてもらった。
「直接言ってよ~、聞いてくんないの~」
確かに聞かなそうだと王は考えた。厨二男子が家族の話を聞かないのは当たり前の事であり、自身が納得しなければ、信念を曲げる事は無い。
馬鹿っぽい口調に戻った女は王の通学路の途中駅で合流する。即ち王は途中下車して弟がいるであろう公園に向かわざるを得なかった。
「公園、明るいな」
「9時に消えるよ」
「それは前から?」「うん」
公園の外灯が暗くなった園内を煌々と照らす。灯りの照らされる中には多くの人がいて、10本あるコンクリ巻藁に得物を叩き付けていた。自分達で作ったルールに従い、タイマーを付けて楽しんでいるようだ。
「ちゃんとしてるじゃん」
「してないのが家の馬鹿なのっ」
「何だよ姉ちゃん、彼氏かよ」
巻藁を待つ列の中から声がして、手だけ振ってる奴がいる。列から離れたくないと言う欲望全開の子供であり、ソイツがコイツの弟だそうだ。
「9時になったら帰れよ」
「彼氏面すんなよ」
「反抗期だな。アイツの好きな女っている?」
「うん、お向かいの絵里ちゃんと絵麻ちゃんだよね~、双子で可愛いの~」「バッ!」
「へ~、双子か。案内してくれ」
「良いけど、ど~すんの?」
「絵里絵麻姉妹を犯す。妊娠するまで孕ませセックスする。母親もいるんなら一緒に孕ませてしまおう。さ、行こうか」「うん…」
「ちょ!」
弟はそれでも列から離れたくないようで、コンクリと王の背中を何度も見る。王は姉を急かして公園を出るが遂に追い掛けては来なかった。
─平和ボケだな─
王は女の家に案内された。そして背後は双子姉妹の家である。
「ねえ…犯すの?」
「お前は犯して欲しいか?」
「そりゃあもちろん。みんなが王君に抱かれたがってるもん」
「なら先にお前だな」
家に上げてもらい、夕飯の支度をしていた母親に挨拶がてらに胸を揉み、2階に上がって姉の部屋。部屋に入るとすぐに女を抱き締めた。
「あの、さ。あの馬鹿どうせ遅くなるまで帰って来ないと思うけど、お父さんは帰って来るし、夕ご飯もあるからさ…」
「大丈夫。前に学校でもしたろ?」
王は家に《結界》と《停滞》を掛けると《分体化》して女を襲う。この家には女が2人、階段を降りた王は、果たして本当に分体であったのだろうか?
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