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43 必要とされなくなる王
しおりを挟む魔物が出て、討伐に慣れて来た南米が遂に王の存在を否定した。国選娼婦が撤廃され、パナマシティの高級ホテルの利用が出来なくなると言うのだ。魔物が狩れるようになり、素材の確保が容易になった事で王の手を煩わせる事が無くなったと、女っ気の無くなった一室で各国政府高官は口を揃えた。
『これからは各国で魔物と戦え。日本に電話をしても助けには行けない。良いか?』
『今までありがとうございました』
「アナタ ノ コトハー ワースレー マセーン」
南米女を抱けなくなって残念ではあるが、高級ホテルが使えなくなっただけである。これからはこっそり密入国して路地裏に連れ込めば済む話だ。王は各国高官に激励の言葉を掛けると、南米各地に送っていた分体達を消滅させた。
『……この男も分身の術の1人だったのか』
『いつからすり替わっていたのだ』
『分かる訳ないだろう。私達は忍者ではない』
『王様を怒らせてしまったのだろうか……』
『おお、神よ…。我に許しを与え給え……』
王が消えた部屋で男達はゆっくりと恐怖を感じ始める。目の上のたんこぶが無くなって、ソレが本当に排除すべきモノであったのか。部屋を出る男達は考えながら自分達の国へ戻る。
「はぁ」
「どうしたの王君?」「もっと、激しくっするっ!?」
皆崎家で優子と桐山清美を抱いていた王は、今起きた出来事の感想を溜息で表した。愛し合う者の前でする行動では無いと気付いた王は、腰に跨り王子を咥える優子を跳ね上げて詫びる。
「ごめんっ、ちょっと、南米でねっ、もう要らないって、言われた、んっ、だっ」
「んはっ!きんっ、王君っ!私っ貴方じゃないとっ!ダメッ!!ダメだからああっ!」
「私もよ王君。もっと吸って」
「んっ、んぶっ」
押し付けられる清美のたわわに王は言葉を話せなくなった。
一方日本は鼻から王を使わない方針で動いているようで、メールは頻繁に届くものの、王への物理的な援助は請わない姿勢であった。それは王が未成年であり、触れるには危険過ぎる力であると理解したからだ。王が性欲だけの馬鹿な子供であれば、もしかしたら力を行使したかも知れない。だが王は、性欲だけでなく知恵もあった。だから日本は臭いモノに蓋をした。無闇に動かぬよう伺いを立て、メディアと他国に圧力を掛けた。アメリカに米農法を伝播させ、日本国内の米農家に多大な迷惑を掛けたが、その結果国内の米価を大幅に下げた事で内閣支持率は増加した。米価高騰に頭を抱えていた者は王に足を向けて寝られない状態となった。
「王君、今度は二週間は居られるけど、平気?」
「凄い冷蔵庫だね」
王はサヤの高級マンションで業務用だと言う銀色の巨大冷蔵庫を見て感心してしまった。飲食のアルバイト等した事のない王にとって、こんな物を見たのは初めてであったし、中に人が寝られる程の冷蔵庫等見た事がなかった。そして中には食材が詰め込まれており、サヤの本気度が伝わって来る。
「本当に、孕ませなくて良いんだね?」
「本当は、一人で産んで育てたかったの。けどダメね。貴方に会っちゃったもの。赤ちゃんに貴方の場所を取られたくないと思っちゃった」
「ならずっと挿れてて良いよ」
「39までね。そしたら産むわ」
ズボンを降ろす王にサヤはしゃぶり付いた。巨大な銀塊に背を預け、固定された王子にサヤの顔が前後する。南米から送られて来る快楽が無くなって、王は一人で快楽を得なければならなくなった。サヤの口は下手では無いが、玉子を噴くには至らない。サヤの良さは、別の所にあった。
「サヤ、そろそろ良い?」
「んっ、ん……ジュル…。待ってたわ」
サヤは立ち上がると背中を向けて、ストッキングとパンティをずらそうとタイトスカートの脇に手を添える。
「そのまま挿れちゃダメかな」
「良いわ。パンティ突き破って」
ストッキングはともかく、絹布の下着を破る程の逸物を持つ者はそう居まい。だが王はそれを難なくやってのけた。
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