異世界から帰ったのに何かおかしい 〜俺ってそんなにモテてたか?〜

もる

文字の大きさ
49 / 61

49 フランス旅行

しおりを挟む


 フランスは、サヤの報告にあったガイドラインが逸早く導入された国の1つであり、既に民間による騎士団シュバリエが発足し、魔物の討伐や解体、素材の売買が商売として成り立っていた。父純一の動画を見てすぐに立ち上がった行動力は見事であるが、フランスなのに市民隊や自警団ではなく騎士団なのは如何なモノかと王は思う。が、ドイツが騎士団リッターなのでそれに倣ったのではと考えをまとめた。

 朝、カバンにパスポートと財布、スマホを入れて家を出る。向かうは新宿、外貨両替センターだ。本来金等必要無いが、可愛い愚妹にお土産を強請られては仕方が無い。

 王は新宿に行った事がない。当然東京にもだ。なので王は電車を乗り継ぎ、途中飲み物と駅弁を買って新幹線に乗る。1時間程の旅程で駅弁は必要なのか?王は浮かれていた。

 空いている2席側の自由席に座る。面倒なので一番後ろの席に座ったが、同じような考えの者は多いようですぐに隣に座られた。

「…君、一人で旅行?」

「ちょっと新宿まで。旅行はその後かな」

「私も東京。降りるまでは一緒ね」

 隣に座った女性が声を掛けて来る。優しそうな笑みにカートを引いて、彼女も旅行なのかと考えた。

「荷物、上げようか?」

「良いの?ありがとう」

 王は膝に載せていた殆ど空荷のカバンを座席に置いて立ち上がると、一旦席を離れて女性のカートを荷物棚に乗せてやる。

「……素敵」

「たまに言われる」

 席に戻り、女性の頭が肩に乗る。内側の手摺がしまわれて密着度を増した。

─《風の壁》、《偽装》、《結界》、《停滞》、それと……《催眠》か─

「国の者だろ?」

「…はい」

「浮かれてたな、気付かなかったよ。最初からこんな美人が来たら国に丸め込まれてたかも知れないな」

 気付けたのは他の乗客に不審さを見出したから。冬休みに子供が1人も乗って来ないのだ。しかもこの車両だけ。王は溜息を吐く。

「命令は何と?」

「保内王への接触。動向を」

「殺しの指示は?」

「受けていません」

「まだ人道的、か。しゃぶってくれ」

「はい」

 美人公務員はズボンの中に眠る王子を引っ張り出し、温かい口内に収める。1時間程の旅程は長く楽しめそうだと王はその身を硬くした。

 美人公務員を膝に乗せ、下から突き上げる。王により動きを封じられた美人は、繋がる股間と、摘まれた胸の突起だけで体を支えられ、声を殺して玉子を受け入れた。

「我慢しなくても良い。外には漏れないし機械は潰してある」

「…んっ、んふっ」

 その手の訓練も受けていたのだろうか、意外にも強情な美人は王の責め苦に耐える。

「どんなプレイが好きだ?」

「あっ、……おっぱい、吸って」

「お易い御用だ」

 王も好きだ。大好きだ。向かい合って美人の胸に顔を埋め、乳首を舐り、吸う。好みのプレイで責められる美人も、息遣いを荒くして王に抱き着いた。

「あ、出るっ」

─母乳、出るのか─

 ピュッと出た仄かな甘み。久しぶりの母乳は炭焼党のイハルさん以来であり、王は必死に貪り付いた。

 約1時間。結界の中ではもっと多くの時間を過ごし、美人公務員を味わった。そして駅弁を食べて車両を降りると中央線乗り場には向かわずトイレへ。公務員達は一時王の行方を見失った。

 約14分の時短を経て外貨両替センターに辿り着く。1万€以上は申告が必要とサヤに言われていたので5,000€を両替し、再びトイレへ駆け込むと、次の瞬間には南米パナマにいた。公務員達の追跡はここで完全に途絶えてしまった。

 パナマは真夜中、飛んで行くには丁度いい。王は色々な阻害スキルや魔法を使って空に上がると、フランスがあるであろう方向に向けて飛んで行く。長靴の西か北。その程度の認識だが陸が見えてからその先は考えれば良い。

 長靴が見えて来て、大体ここかと《遠見》を使い、長靴の左辺り、湖の畔を目標に《緊急逃避》した。

─取り敢えず、《探知》……─

 位置が分かり、《知識》で分かる。

「レマン湖!」









しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【魔法少女の性事情・1】恥ずかしがり屋の魔法少女16歳が肉欲に溺れる話

TEKKON
恋愛
きっとルンルンに怒られちゃうけど、頑張って大幹部を倒したんだもん。今日は変身したままHしても、良いよね?

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

なほ
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模るな子。新入社員として入った会社でるなを待ち受ける運命とは....。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜

具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです 転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!? 肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!? その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。 そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。 前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、 「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。 「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」 己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、 結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──! 「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」 でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……! アホの子が無自覚に世界を救う、 価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!

石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。 クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に! だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。 だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。 ※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。

ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~

ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。 そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。 そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。

処理中です...