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49 フランス旅行
しおりを挟むフランスは、サヤの報告にあったガイドラインが逸早く導入された国の1つであり、既に民間による騎士団が発足し、魔物の討伐や解体、素材の売買が商売として成り立っていた。父純一の動画を見てすぐに立ち上がった行動力は見事であるが、フランスなのに市民隊や自警団ではなく騎士団なのは如何なモノかと王は思う。が、ドイツが騎士団なのでそれに倣ったのではと考えをまとめた。
朝、カバンにパスポートと財布、スマホを入れて家を出る。向かうは新宿、外貨両替センターだ。本来金等必要無いが、可愛い愚妹にお土産を強請られては仕方が無い。
王は新宿に行った事がない。当然東京にもだ。なので王は電車を乗り継ぎ、途中飲み物と駅弁を買って新幹線に乗る。1時間程の旅程で駅弁は必要なのか?王は浮かれていた。
空いている2席側の自由席に座る。面倒なので一番後ろの席に座ったが、同じような考えの者は多いようですぐに隣に座られた。
「…君、一人で旅行?」
「ちょっと新宿まで。旅行はその後かな」
「私も東京。降りるまでは一緒ね」
隣に座った女性が声を掛けて来る。優しそうな笑みにカートを引いて、彼女も旅行なのかと考えた。
「荷物、上げようか?」
「良いの?ありがとう」
王は膝に載せていた殆ど空荷のカバンを座席に置いて立ち上がると、一旦席を離れて女性のカートを荷物棚に乗せてやる。
「……素敵」
「たまに言われる」
席に戻り、女性の頭が肩に乗る。内側の手摺がしまわれて密着度を増した。
─《風の壁》、《偽装》、《結界》、《停滞》、それと……《催眠》か─
「国の者だろ?」
「…はい」
「浮かれてたな、気付かなかったよ。最初からこんな美人が来たら国に丸め込まれてたかも知れないな」
気付けたのは他の乗客に不審さを見出したから。冬休みに子供が1人も乗って来ないのだ。しかもこの車両だけ。王は溜息を吐く。
「命令は何と?」
「保内王への接触。動向を」
「殺しの指示は?」
「受けていません」
「まだ人道的、か。しゃぶってくれ」
「はい」
美人公務員はズボンの中に眠る王子を引っ張り出し、温かい口内に収める。1時間程の旅程は長く楽しめそうだと王はその身を硬くした。
美人公務員を膝に乗せ、下から突き上げる。王により動きを封じられた美人は、繋がる股間と、摘まれた胸の突起だけで体を支えられ、声を殺して玉子を受け入れた。
「我慢しなくても良い。外には漏れないし機械は潰してある」
「…んっ、んふっ」
その手の訓練も受けていたのだろうか、意外にも強情な美人は王の責め苦に耐える。
「どんなプレイが好きだ?」
「あっ、……おっぱい、吸って」
「お易い御用だ」
王も好きだ。大好きだ。向かい合って美人の胸に顔を埋め、乳首を舐り、吸う。好みのプレイで責められる美人も、息遣いを荒くして王に抱き着いた。
「あ、出るっ」
─母乳、出るのか─
ピュッと出た仄かな甘み。久しぶりの母乳は炭焼党のイハルさん以来であり、王は必死に貪り付いた。
約1時間。結界の中ではもっと多くの時間を過ごし、美人公務員を味わった。そして駅弁を食べて車両を降りると中央線乗り場には向かわずトイレへ。公務員達は一時王の行方を見失った。
約14分の時短を経て外貨両替センターに辿り着く。1万€以上は申告が必要とサヤに言われていたので5,000€を両替し、再びトイレへ駆け込むと、次の瞬間には南米パナマにいた。公務員達の追跡はここで完全に途絶えてしまった。
パナマは真夜中、飛んで行くには丁度いい。王は色々な阻害スキルや魔法を使って空に上がると、フランスがあるであろう方向に向けて飛んで行く。長靴の西か北。その程度の認識だが陸が見えてからその先は考えれば良い。
長靴が見えて来て、大体ここかと《遠見》を使い、長靴の左辺り、湖の畔を目標に《緊急逃避》した。
─取り敢えず、《探知》……─
位置が分かり、《知識》で分かる。
「レマン湖!」
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