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3 欲望のままに
二人は互いに嫉妬する
しおりを挟む「やっと、やっとアーレと、一つになれますのねっ」
嬉しそうな声の義姉エテルニアだが、子を成す事は躊躇われる。害意の減ったアウディーではあるが、父の血が濃くなるのは嫌だった。
「姉上、やはり子を宿されるのはなりません」
「それでは私があまりにも可哀想ですわっ」
「そうよ?この子はずっと、ずっと待っていたのよ?」
「でしたら私が推薦する男性と婚姻なされませ。その者は私と姉上の交合いを許した上で、姉上との婚姻を望んでおります」
「私アーレ以外の殿方と致すなんて嫌っ」
「私はその者と二人で姉上を抱こうと約束致しました。それでもお嫌ですか?」
「それは…、でも、見ず知らずの殿方なのですよっ?一体どちらなのです?」
「ホールブレン帝国第一王子、エクサヴァル殿下です」
「まさか…」「貴方、エテルニアの夫探しに帝国まで?」
「たまたまです。帝国は次代を第二王子アルテッラ殿下に定めます。帝国第三王子殿下がミエレ様に婿入りするのは既知でしょう?」
「アーレ…訳ありなのね」「身分が高い程、よくある事だわ」
義母上は理解が早い。他の王子を生かすための婚姻であると義姉上に説明した。
「エテルニア、エクサヴァル殿下を婿になさい」「えっ!?お母様っ」
「当家を守るためでもあり、貴女の自由を守るためでもあるのよ?」
義母上はエクサヴァル殿下との婚姻が如何に自領と義姉自身の後ろ盾になるかを説く。攻め込めば同盟領だけでなく、帝国からの支援が見込め、夫を成せばアウディーとの交合いを隠す事が出来る。結婚するには少し遅いとされるエテルニアにとって、これ以上ない条件なのである。
「アーレ、アーレもちゃんと抱いて下さいましね?」
「もちろん、今夜からお願いします」
「あら、私に指を咥えて待て、と?」
「でしたらお二人で。嫌でもお付き合い頂きますよ」
「まあ」「お母様と…少し恥ずかしいですが、アーレと一つになれるならっ」
その夜、エテルニアはアウディーと一つになった。二本差しの片割れにファウメを伴って。
「貴方っ!素晴らし、くてよっ!あはあっ!」
「おかっ、お母様っ!あんっ!動き過ぎですわっ!!あひっ!」
エテルニアの初めてはファウメによりクタクタにされてしまった。脱落者を排除し独占権を得たファウメは、朝までアウディーを迎え続けた。
「お母様、酷いですわっ」
「ふふ、今日明日に立つ事もないハズよ?今日は一人で愛してもらいなさいな」
食事の場でこんな話をしても誰一人異を唱えない。使用人達は当然として、他の家人が同席していないのもある。が、アットアルメンテに上がった義母に対し、スコリエラに挟む口はないのだ。それがスコリエラ家当主であっても。なので食事の場は別々となり、当主家の者はアウディーが来訪した事を知っていても顔を合わせず、挨拶も求めなかった。
食事を終えるとエテルニアの私室へ向かい、二人きりで愛し合う。二本差しの子種が出ない方で粘膜を擦り、子種は身体へ掛けられた。
「はぁ、はんっ!アーレの子種でっ、孕みっ、たいのにっ、ああんっ!」
婿殿との子を宿すまでソレはしないと同意したが、義姉はそれでも欲しがった。アウディーも中に出したかったが、その分義母を相手に精を出した。
3日して、出発の日。急ぐ必要があると理解している2人は静かに見送ってくれた。
─孕ませたいのに出来ないのは、逆に悶々とする、な─
きっとファウメは子を宿しただろう。それだけの量を流し込んだ。それでもアウディーはエテルニアへの未練を募らせる。エテルニアを孕ませられるエクサヴァルに嫉妬した。
そしてエクサヴァルもまた、アウディーに嫉妬の念を抱いていた。彼の母リュリュエルに、アウディーと子を成したいと告げられたのだ。だがもう母に甘える事の叶わぬエクサヴァルは、未だ見ぬ妻を想い、今まで成す事が叶わなかった鍛錬に身を投じた。
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