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3 欲望のままに
聡い女
しおりを挟む「俺のツレのサリューテ・リシュテンベルクだ。よろしくしてやってくれ」
「な?何で?知ってんの…?」
「リシュテン、ベルク…様、ですか……」
エルデルは動揺を隠せない様子で聞き返す。サリューテも言ってなかった事を言い当てられて動揺した。
「俺も元貴族だからな。家名くらい把握している」
嘘である。だがサリューテには分からない。寝言でも聞かれたのかと独り言ちるのを聞いて、アウディーは肯定した。これも当然嘘であり、正しくは【恩恵】に指示を出した時に頭の中で彼女の本名を語られたのだ。対してリシュテンベルク家の事を知っているのは本当の事であり、魔物の襲撃で壊滅し、取り潰された家として聞いていたのを覚えていた。
「と、とにかくいらしてくださいっ」
動揺を隠せぬまま案内を始めるエルデルに着いて行き、勝手知ったる尖塔の執務室の前に立つ。
「エ、エルデルです。アウディー様…を、お連れしました」
途中モゴモゴしていたが、ノックの後に用件を告げると中から入室の許可が降りる。落ち着いた通る声にアウディーの心はときめいた。
「し、失礼致します…」
「アウディー様、お久しゅうございます。そちらの方は、もしや?」
「俺のツレのサリューテだ。よろしくしてやってくれ」
「……えと、サリューテ、です」
「司祭様っこちらの女性はリシュテンベルク家の出だそうでっ」
「エルデル、神は静寂を好みます」
「で……はい。騒ぎ立てまして申し訳ございません…」
「貴女が物怖じせず対応していれば、家名を出す事も無かったのでしょう?精進なさいませ?」
司祭ファルナーは呆れた様子でエルデルを諌め、家名を出した真意を説いた。名前だけではエルデルが敵視しかねんと、敢えて貴族家である事をアウディーは告げたのであろうと。
─やはり聡いな─
「その通りだよ、ファルナー。ご褒美は何が良いかな」
「……でしたら、今夜は屋敷へ」
「一晩で良いのか?無欲だな。ならば宿を取らなきゃならんな」
「使徒様をお招きするのは信徒として当然の行い。満足頂けるまでどうぞご自由になさってくださいませ」
「サリューテもいるが、構わないか?」
「問題ありません」
「安心しろ。この街にいる間はファルナーとエルデルしか抱かんから」
「サリューテ様も存分に羽を伸ばしてくださいましっ」
─やはり妬いたか…─
サリューテの同行を切り出して、返って来る言葉に害意を感じたアウディーは咄嗟に条件を付け加えた。ファルナー達が仕事の間、サリューテを抱こうと思っていたが、背に腹は変えられない。ファルナーはやはり聡いと感じた。
「アウディー様の街でのご予定は?」
─今度はそう来たか─
「冒険者の女を抱きたいが、以前のように暇人が居るとも限らんしな。暇を持て余す事になるだろう」
「ではコチラにてお過ごしくださいませ」
「お前の仕事が滞るだろう?」
「それは、そうですが…」
「以前も危なかっただろ?また試してみるか?サリューテ」「うん」
アウディーの合図でサリューテが動く。革製のベルトを外してタスを降ろすと、ズボンと下着をズラして股間を露出させた。アウディーの長物は垂れ下がっているが、背後から伸びるサリューテの手に掛かれば隆起するのも時間の問題である。
「あ……」「アウディー様ぁ…」
アウディーの味を知る2人は声を漏らす。待ちに待ったモノが手の届く先に据えられて、ムクムクと熱り立って行くのを見ては神の信徒では居られなかった。
「私が悪うございました。なれど我慢がなりません。どうか、ご寵愛くださいませ」「わ、私もっ」
「では口で。続きは屋敷で楽しみましょう」
「はい…んちゅ」「私っ!明日明後日お休みしますっ!ですので、ですのでっ」
「…んぷ、はぁ…。明日の夜は貴女が賜りなさい。休みは明後日だけ。良いですね?ハムッ」
「ファルナーも休め。長く愛し合いたい」
「んん、んんん~」
司祭様はおいそれと休めないようだ。
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