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4 それぞれの自由
貴族の世界へ
しおりを挟む夜が更けるのを待って城を抜け、小さな屋敷に戻ると地下道を通ってエランの元へ。報告もあるし、抱きたかった。
「遅かったのね、アウディー」
「ナルセンス、否、母様ぁ」
アウディーはナルセンスを母と呼び、大きな胸に飛び込んで顔を埋めた。まるで子供のような仕草で双丘を隠す布を捲り降ろし、突起を口に頬張る。
「あはあ、こんな所でぇ」
「あらあら、甘えん坊さんね」
家主のエランは呆れ声で2人を見遣るが、彼女が同様の事をされても受け入れていただろう。だが今回は我慢する。ナルセンスはお預けを食らっていたのだ。正妻と二番が楽しんで、三番が楽しめないのは不平等である。
「奥様、報告は後程書面にてお持ち致します」
「そうして頂戴」
「ああ、アウディーッ、もっと吸ってーっ」
アウディーはナルセンスを押し倒し、絨毯の上で乳を吸い、腰を激しく振っていた。荒々しい男の動きに女は足を絡めて快楽を求める。家主の前での狂態に、エランは参加を躊躇った。
ナルセンスとアウディーの交合いは、玄関から客室へ移動する。階段を上がって廊下を進み、ナルセンスに宛てがわれた客間がメイドによって開かれるとベッドへと跳んだ。
「あっあひいいいいっ!!」
ベッドに着いた衝撃で大きな絶頂を迎えたナルセンスを更に押し込むように尻を打つ。そして最奥の部屋に捩じ込まれたモノ先から噴き出された子種の圧に、ナルセンスは耐え切れず失禁した。
それから10日してアウディー宛に密書が届く。エランの閲覧済ではあるが、他の目には入っていないのでまだ密書と言えよう。
「どこかのメイドが吹聴したようですわね」
予想の宛はあるのだろう、エランの声は少し闇を帯びている。
「好意的に受け取って良いと思うぞ?」
「私、妬いてしまいますっ」
「ここに俺の子が居ても、か?他家の女に種は残さんよ」
「早くお帰り下さいませ。そしてご寵愛頂きとう御座いますっ」
「なら今すぐに。手紙には今すぐにとは書いてないのだろう?」
待ち合わせの日付は3日後の夜。場所は貴族街に並ぶ屋敷の1つと書かれていた。
そして当日。新調された貴族らしい貴族服を着て夜の貴族街をメイドと進む。馬車で向かうのが流儀であるが、歩哨に見付かるのは避けたかったため身を隠しながらの移動とした。威力メイドは隠密行動にも長けていて、アウディーは彼女の動きを真似て進んだ。
「私のお尻に隠密行動の答えは書いてありませんよ?」
「尻ばかり見ているようではないか」
「足元に落ち葉。同類でしたら気付いてますよ?」
「……善処する」
「お迎えに上がりました」「ほら、言わんこっちゃない」
壁の上から声がして、顔を向けるが壁から覗く木があるだけ。まさか後ろかと振り返るが渋い顔したメイドがいるだけであった。
「影に隠れているのです。帰りもありますので私はここで。朝には迎えに参ります」
「ご苦労様です。ではアウディー殿、壁を飛び越えられますか?」
「…分かった」
常人であれば無理ではあるが、城の外壁を飛び越えられるアウディーであれば問題ない。この者はそれを知っていて、この場所を迎えの場としたのだろう。
アウディーは加減をして飛び上がる。上がり切った所を攻撃されては敵わんからと、壁の高さギリギリを狙って飛んだ。飛び越えた先に何かがあっても良いように、壁を蹴られる体制で落下する。
「それなりにはお出来になるようで」
「褒めたいならば素直に褒めろ。貶したいなら命を懸けろ」
「……申し訳御座いません」
隠れている者に怒りを向けるとその者は詫び言を発した。隠れている自分を捉えた男の目に、言い知れぬ不安を感じたからだ。
「裏口へ、ご案内致します」
「その前に姿を見せろ」
返事をし、現れた姿はまたしてもメイド。恐らく威力メイドであろう。小さな林を抜けて屋敷の裏口へ向かうと勝手口から屋敷に入る。そして厨房横にある浴室へと通された。
浴場には10人の女がいた。
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