±の成り上がり 〜無能と蔑まれる前に気付けた俺の最強卑怯な世渡り術〜

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5 故郷へ…

和を乱さぬ事が大事である

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「潜る程敵が落とすのだから仕方がないだろう?それにしてもこのダンジョンは武器も落ちんのか?」

「普通に出ますよ」

 買取嬢は仲間を呼ぶと言ってカウンターの奥へ引き返してしまった。夕方のギルドは朝方同様混んでいて、アウディーの後ろにも長蛇の列が出来ている。左右では流れ作業で査定を受け、強面マッチョは黙って査定額を受け取っていた。文句を言って場を乱すのはためにならないと理解しているのだ。

「みんな、コッチ。この人です」

 買取嬢が連れて来たのは強面マッチョの集団であった。

─反発するとコレが出て来る訳、か─

「お前か馬鹿みてぇな量持ち込んだってのは」「時間考えろ馬鹿野郎」

「なら全部買い上げるなんてルールを作るな。買い取りたくないのなら持ち帰らせてもらうぞ?」

「おうおう、威勢が良いな」「へへっ、馬鹿なだけよ」「列が無くなるまですっこんでろっ」

「ならヤカンと鍋の中身だけでも査定しろ。食事して来るから」

「おっとぉ、ギルドからは出さねえぜ?」「干し肉でもしゃぶってやがれっヒヒッ」

「お嬢さん、査定してくれ」

「は、はい……」「おいっ」

 イライラして来たアウディーは男共を無視して買取嬢の好意を増やす。買取嬢の表情は一変し、チラチラとアウディーを見ながら査定を始めた。

─ちゃんと査定出来てるのか?─

 呼ばれて出て来た強面マッチョ共も嬢の変貌ぶりに動揺したが、嬢が仕事を始めてしまった以上強く出られず、舌打ちして戻って行った。

 全ての査定が出たのは夜遅くになっての事であった。ギルドにいた買取嬢全員で当たってこの時間である。魔石は大きさと魔力内包量で値段が決まるのに対し、宝石は種類や大きさだけでなく、色や傷の有無も見なければならないので時間が掛かってしまうのだ。

「アウディー様!行きましょ!」「おっ酒っ、おっ酒っ」「冒険者様のお金で食べる焼肉の何と美味な事かっ」

 彼女達のモチベーションは飲食の奢りであった。夜中まで開いている店を知らないアウディーが良き店を聞いた所、彼女達も腹を空かせていると言われては遅くまで拘束してしまった後ろめたさもあり、奢らざるを得なくなってしまったのだ。

 私服に着替えた嬢達が、アウディーを引っ張り店へと向かう。そこは静かな佇まいの店で、酔って暴れ散らす者の姿はどこにもない。しかも店舗の奥へと連れ込まれ、大きなローテーブルをソファーが囲み、10人以上が余裕で寛げる個室を宛てがわれた。

「驚いたでしょ?」「この店ね、私達の贔屓なの」「冒険者様を連れて来るなんて、初めてなんだからぁ」

 両隣の2人は慣れた手付きでアウディーの装具を外す。そして気付く。

「あはっ、これ、ドロップ品よね?」「まあ、いけない人」

「武器が壊れてしまってな。鑑定前では不安で使えなかったが」

「内緒にしてあげる」「あげるから…ね?」

 彼女達の好感度が上げられているのは当然言わずもがなである。2人の顔がアウディーに近付き、彼から伸ばされた舌を唇で食む。そして1人ずつ舌を絡み合わせているうちに装具を外され身軽になると、革の拘束から解き放たれた欲望がズボンを突き破ろうと張り出した。

「若いのね、凄く逞しいわ」「頑張ってね?アウディー様」

「リーダー、来ます」「…承知したわ」

 ドアの横で控えていた嬢が小さく声を上げる。アウディーの右隣にいる嬢はリーダーであるようで返事を返した。

「うっ」

「痛い?それともイきたいのかしら?」

 硬く張ったモノがリーダーの太腿で押し下げられ、アウディーは思わず声に出た。リーダーは面白がって言葉を放つが、アウディーは問いに返さない。腰を揺すって態度で示した。

「先に食事。その後で…ね?」

 女性給仕が食事を持って来る。いつ頼んだのかアウディーは気付かなかった。彼女達はそれだけ常連だと言う事なのだろう。乾杯し、食事をし、酒を飲む。飲みながら、左右の2人に咥えられ、皆の手慰みを眺めて欲望を滾らせた。









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