145 / 148
5 故郷へ…
和を乱さぬ事が大事である
しおりを挟む「潜る程敵が落とすのだから仕方がないだろう?それにしてもこのダンジョンは武器も落ちんのか?」
「普通に出ますよ」
買取嬢は仲間を呼ぶと言ってカウンターの奥へ引き返してしまった。夕方のギルドは朝方同様混んでいて、アウディーの後ろにも長蛇の列が出来ている。左右では流れ作業で査定を受け、強面マッチョは黙って査定額を受け取っていた。文句を言って場を乱すのはためにならないと理解しているのだ。
「みんな、コッチ。この人です」
買取嬢が連れて来たのは強面マッチョの集団であった。
─反発するとコレが出て来る訳、か─
「お前か馬鹿みてぇな量持ち込んだってのは」「時間考えろ馬鹿野郎」
「なら全部買い上げるなんてルールを作るな。買い取りたくないのなら持ち帰らせてもらうぞ?」
「おうおう、威勢が良いな」「へへっ、馬鹿なだけよ」「列が無くなるまですっこんでろっ」
「ならヤカンと鍋の中身だけでも査定しろ。食事して来るから」
「おっとぉ、ギルドからは出さねえぜ?」「干し肉でもしゃぶってやがれっヒヒッ」
「お嬢さん、査定してくれ」
「は、はい……」「おいっ」
イライラして来たアウディーは男共を無視して買取嬢の好意を増やす。買取嬢の表情は一変し、チラチラとアウディーを見ながら査定を始めた。
─ちゃんと査定出来てるのか?─
呼ばれて出て来た強面マッチョ共も嬢の変貌ぶりに動揺したが、嬢が仕事を始めてしまった以上強く出られず、舌打ちして戻って行った。
全ての査定が出たのは夜遅くになっての事であった。ギルドにいた買取嬢全員で当たってこの時間である。魔石は大きさと魔力内包量で値段が決まるのに対し、宝石は種類や大きさだけでなく、色や傷の有無も見なければならないので時間が掛かってしまうのだ。
「アウディー様!行きましょ!」「おっ酒っ、おっ酒っ」「冒険者様のお金で食べる焼肉の何と美味な事かっ」
彼女達のモチベーションは飲食の奢りであった。夜中まで開いている店を知らないアウディーが良き店を聞いた所、彼女達も腹を空かせていると言われては遅くまで拘束してしまった後ろめたさもあり、奢らざるを得なくなってしまったのだ。
私服に着替えた嬢達が、アウディーを引っ張り店へと向かう。そこは静かな佇まいの店で、酔って暴れ散らす者の姿はどこにもない。しかも店舗の奥へと連れ込まれ、大きなローテーブルをソファーが囲み、10人以上が余裕で寛げる個室を宛てがわれた。
「驚いたでしょ?」「この店ね、私達の贔屓なの」「冒険者様を連れて来るなんて、初めてなんだからぁ」
両隣の2人は慣れた手付きでアウディーの装具を外す。そして気付く。
「あはっ、これ、ドロップ品よね?」「まあ、いけない人」
「武器が壊れてしまってな。鑑定前では不安で使えなかったが」
「内緒にしてあげる」「あげるから…ね?」
彼女達の好感度が上げられているのは当然言わずもがなである。2人の顔がアウディーに近付き、彼から伸ばされた舌を唇で食む。そして1人ずつ舌を絡み合わせているうちに装具を外され身軽になると、革の拘束から解き放たれた欲望がズボンを突き破ろうと張り出した。
「若いのね、凄く逞しいわ」「頑張ってね?アウディー様」
「リーダー、来ます」「…承知したわ」
ドアの横で控えていた嬢が小さく声を上げる。アウディーの右隣にいる嬢はリーダーであるようで返事を返した。
「うっ」
「痛い?それともイきたいのかしら?」
硬く張ったモノがリーダーの太腿で押し下げられ、アウディーは思わず声に出た。リーダーは面白がって言葉を放つが、アウディーは問いに返さない。腰を揺すって態度で示した。
「先に食事。その後で…ね?」
女性給仕が食事を持って来る。いつ頼んだのかアウディーは気付かなかった。彼女達はそれだけ常連だと言う事なのだろう。乾杯し、食事をし、酒を飲む。飲みながら、左右の2人に咥えられ、皆の手慰みを眺めて欲望を滾らせた。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる